息子の中学受験を漠然と考えてから、そういったテーマの記事を読むと、時折、
「勉強しろと言ったことはない。」
「習い事と両立していた」
などと言う素晴らしいご家庭が載ってるのを目にしました。
最初は
「ほお、やはり勉強しろって強制してはいけないのね。」
などと鵜呑みにしていましたが、だんだんそうでもないとわかってきました。
そういうお子さんこそ、「天才」なのだ。
自分が小さい頃は、みな平等だと思っていました。
努力した人が勝つ。
運動神経など差があるな、と違いが歴然とするものもありましたが、小学校の勉強などはだれでもやればできる、と。実際勉強の苦手な子は勉強していなかったし。
自分の受験勉強だって、努力との闘いでしかなかないと思っていました。
ところが、自分も子育てをするようになって、改めて才能ってなんだろうと。
しらないうちに文字を覚えていた息子。
反面、何度やってもできない縄跳び。
難問が解けるのに、正負の計算で間違えまくる息子。
塾講師や家庭教師を長くやっていますが、そこで文字記憶が苦手なお子さんに出会いました。しかしその子は耳がとてもいい。
一方私は視覚の記憶に頼る方で、文字や漢字を覚えるのは苦でなかったのですが、珠算の暗算が何度やってもできませんでした(暗算以外は得意なのにもかかわらず)。
「視覚優位」「聴覚優位」というのをご存知でしょうか? 人によりどちらが優位となって物事を認識するかが異なるらしいのです。
私は息子にいろいろな予定を口頭で言われても全く入ってこないので、書いてくれとよく言います。
ビジュアル関係の仕事をしているときは、テレビを見たり話をしながら作業できます。
一方、店のBGMは8割がた聞こえません(聞いていない)。知っている曲が流れたときに突然意識に飛び込んでくる感じ。
夫は人の顔が覚えられず、よく知っている俳優でも髪型を変えたりするとすぐにわからなくなります。地図も読めませんので、いつも私がナビをします。
店のBGMは常に聞こえているので、趣味でないBGMの店だと居心地が悪いし、とてもじゃないが音がしているところで作業はできないそう。
それでも、私に「(私が)言ったことをすぐに忘れるね。」と茶化します。カラオケは私の方が上手ですが、新曲を覚えるのは夫の方が得意。
ちなみに息子はどちらもあり、偏りが少ないようです。
一般的には三人の中で一番ユニークな息子が意外と無難。
たしかに、地図や場所認識は得意な視覚優位っぽいですが、ノートに書かずに覚えようとします(私には信じられない)。
また、文字記憶が苦手なお子さんについて調べているとき、ディスレクシアという読み書きに困難のある症状を持った子もいることを知りました。
昨年Eテレで放映したイギリスの子ども向けドラマは、このディスレクシアの少年が主人公でした。
ハンク ‐ちょっと特別なボクの日常‐ - Wikipedia
このドラマでは読み書きは苦手だがユニークなハンクと学校の仲間たちの愉快な話なので、息子と一緒に楽しく見ていました。
世の中っていろいろな才能を持っている人であふれているのだな。
人の能力に対する視野が広がりました。
また、友人の子がアスペルガーと診断されたと、通学に問題を抱えていると聞きました。
そのときにこんな企画があることを知りました。
ROCKETはEテレで紹介されていましたのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。出てくる子どもたちの才能にはワクワクします。
※番組リンクしていましたが、リンク切れましたので、削除しました。
子育てをするにあたって、子どもの理解の大きな弊害となるのが、「フツウ」なのではないでしょうか?
夫も私もさして困難を感じないで大人になりましたが、こんなに違う。
「フツウ」なんてないはずなのに、大人も親も「フツウこんなことしない」と言います。私も言ってしまったことは一度や二度ではありません。
子どもができないことを発見したとき、親は
「フツウの子はこれくらいできるのに。」
とやきもきしますが、そもそもフツウなんてないし、逆に「これが得意」ということがあるはず。
視覚優位と聴覚優位にどちらが優れている、ということもないように、「ただそういう特徴がある」というだけだ、と受け取れたらもう少しおおらかになれるのではないでしょうか?
冒頭の「天才」もそんなただの「特徴」。その人はそうだった、それだけ。
そうだとすると、多くの子は「勉強しなさい」と言わなきゃできないのだから、そこをうまく自分の子にあったリードの仕方をするしかない。
(褒めて釣れる子、飴で釣れる子、脅しで釣れる子、どうにも釣れない子←無欲な息子はこのタイプ?)
なので、「天才」は稀有な存在なのだから、多くの人にはあまり参考にならないんだよなぁー。
そういえば高校時代、進学懇談会にきた東大の先輩が、開口一番
「僕はほとんど勉強しなかったですね〜」
と言って、「何の参考にもならなかった」記憶が。
講演後、先生が「あいつ呼んで失敗したぁー」とつぶやくのを聞きました。
しかし、「天才以外」にもいろんなタイプがいるわけだから、親がいい情報を得たいと思ったら、いろんな人のたくさんの体験を聞いて、その中から我が子にあったものを探すしかない、というのが結論だと思います。
私は息子に「秀才」がいかにして成功したかの体験談をたくさん知りたいです。
佐藤亮子ママのスパルタ↓も大変ユニークですが、うちには無理そう。
試行錯誤するしかないですね。