自分の塾遍歴
少子化の昨今ですが、都心の我が家の近くはどんどん若い世帯が増えていて、塾もだいぶ増えました。
徒歩圏に四谷大塚までできたし、個別指導教室は小さいビルにいくつもあります。
私は小・中学生の頃、塾嫌いでした。その理由。
- 決まった時間拘束されるのが嫌い。
- 塾に行く必然性がないと思う。
- 塾に行っている友達の多くが自分より勉強が苦手。
いまでいう知的好奇心を満たしてくれる塾の存在は知りませんでしたし、実際通っていないわけだから、普通と思われる塾も面白いのかどうかわかりませんが。
中学三年になって母によって塾に行かせられました。
小学生の中学受験に力を入れている個人塾の中学生コースは、主に都立高校を目指している子が多かったので、レベルもそれなり。
塾長だけが小学生クラスの雰囲気を引きずっていて、教室は熱血な張り紙だらけ、鉢巻だけはさせられましたっけ(いま考えてもおかしい。そんな頑張っている子一人もいないし)。
それで、筑波大附属駒場高校の英語の問題とかいきなり解かされたりして。
なんかずれている。
その塾のおかげで都立に受かったとは思っていません。当然その塾の予習はしませんでしたね(のちのちやっていけばよいとは思いましたが当時の自分ではわかりませんでした)。
高校はオール塾なしでした。
ここにはいくつかの反省点はあれど、独学でも有名大学を受験することは可能だと知りました。
大学に入って塾講師をしました。近所の補習塾の学生バイトとして。
ひとりが多くて二人程度を見るので、個別に近い。
それでも、大学生は言われた問題集の答え合わせと解説程度で、私がカリキュラムをたて課題を考えているわけではない。
小学生から中学生までみましたが、お喋りにきているのかかまってほしい小学生男子、隣の男子大学生講師をチラ見しながら、かっこいい〜などと言っている女子中学生。
問われたことを答える以外に声を発しない男子中学生。
私は淡々と、適当にかわしながらも授業をしていましたが、隣の男子大学生講師は、あとから私が来る時間までおしゃべりに興じていたようで、私が来ると「しー!」と言って、勉強をスタートさせている様子でした。
私とて言われたことはやるけれども、自分がすべてに責任を持ってお願いされている家庭教師のようにたくさん宿題を出したり叱咤激励をしたり、家でプリントを作ったりということとは無縁でした。
「こんなんでも親は塾に行かせているから成績があがるんだろう」と期待しているのだろうか。
その辺が私の塾への不信感でした。実際私が中学生の時通った鉢巻の塾では、唯一よくわからなかった数学の因数分解もどんどん進んでしまい、結局私がのちに100問満点で「因数分解大得意だね!」と言われるようになったのは、叔父が家庭教師をしてくれたからでした。
勉強とは
塾というのは、あくまで勉強のやり方や指針を示してくれるところ。
勉強とは
- 知識をインプット
- 覚えるまたは身につける作業
- 演習
- 見直し
- 復習(再演習も含む)
とあって、実際塾や家庭教師ができるのは、1と3と4でしょうか。
でも、1だけでは自分のものになっていない。3も解いただけではできているところはできているまま、できないところもできないまま。
4の見直しで解説をしてもらったとしても、また5の復習で覚えて使いこなせるようになるまで繰り返さないと得点できるようにはならない。
家庭学習とは、この一番得点を伸ばすことができる2、5の部分です。
だから、何をやっていいのか知っていて、その知識はなんらかの方法で得られる(参考書や通信教材、映像授業など)、見直し後の理解の術があるという場合には塾は不要ということになります。
また、この2、5の作業をしないで「塾に通っても成績が上がらない」というのは、当然のこととも言えます。
塾に向いている子、いない子はどんな子なのか考えてみました。
塾に通って伸びる子
- 家庭学習がきちんとできていて、さらなるレベルアップを望んでいる子
- 塾に行かないと自主的に勉強をしようとしない子
- 周りに感化されて頑張る競争心の強い子
塾に通っても伸びない子
- 塾の宿題も授業も真面目に取り組まない子
- 親が子どもの塾での課題に無関心な子(さすがに高校生以上はこの限りではないです)
- 自分のやり方が塾となじまないと思っている子
- レベルや雰囲気の合わない塾へ行っている子
- わからないところをはっきりさせて質問など利用できない子
さらに
個別塾があっている子
- 苦手な教科なので通常授業についていけない子
- やる気がそもそもない子
- 勉強のやり方を知らない子
- 素直な子(先生のやり方を守る子)
- 集団塾だと質問ができない子
集団塾があっている子
- 周りに影響されて頑張れる子
- 周りとの競争に疲れない子(進学塾の場合)
- 予習復習など自主学習に積極的に取り組む子
- 質問できる子
- 理解力の早い子またはレベルがちょうどいい塾に通っている子
個別や家庭教師というと、単価も高いですから優秀な子につけるという古いイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、勉強が苦手な子、また苦手な教科ほど個別でじっくりみてもらって、オリジナルのカリキュラムを作ることが大事かと思います。
ハズレの塾
ただ、個別でも塾でも、大手である程度クオリティがわかっている塾ではない小さい塾などは、予想外のこともあります。
知人の子では、個別と聞いていったが、先生は多い日は5人程度みていて、実際自分がみてもらう時間はとても少なかった、待ち時間が多いというもの。
個別の多くで二人同時にみたりするところもあります。
息子も算数をみてもらおうと通った個別塾では、カリキュラムは決まっていたし、それが自分で解けてもじゃあ次ね、とあまり息子に合ったレベルのものを与えるといった感じではありませんでした。
さらに一緒にみてもらっていた子がかなり出来が悪かったらしく、先生はそちらに気が向いていて息子はちょっと適当にやらされていた感があったので、やめました。報告書でもほとんどが「自分で解けました」だったので、家と変わらないじゃないのという印象。
私が講師をしていた塾も、大学生バイトにマニュアルもなく漫然とやらせているだけで、それなりに問題は解き終わるけれども、課題を克服といったことまではできないので、中学生くらいまでなら親で代用できるような内容でした。
月謝がいくらだったかはわかりませんが、集団でない分それなりにしたと思うので、親御さんの期待するほどの効果はなかったような気がします。
塾を選ぶ際、塾に行っているけどいまいち成績につながらない場合、よく考えてみる、入ってみたけど合わない場合は辞めるのもひとつだと思います。