悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

トップクラスであることを簡単に考えすぎない

※過去記事ですが、引用していたブログが閉鎖したようなので、再構成しました。 

 

今は、東大生がテレビの人気者ですよね。もうタレントなんじゃないかと思うくらい見慣れた方もいらっしゃいます。
個人的には彼らが何を話すのか、結構奇想天外な方も多くて楽しみではあります。

 

一方、そういった方を身近に感じるからか、はたまた受験について知らないからなのか、それとも高学歴者の声が大きいのか、随分大学への能力に対する価値観が暴落しているような気がします。
漫画やドラマの『ドラゴン桜』とか『受験のシンデレラ』などの影響もあるのでしょうね。勉強法はとても参考になるけど、生徒はよほどポテンシャル持ってなきゃありえないと思われる。高校まで勉強嫌いが東大には入れないよね。

 

特に高校受験しか経験していない方の感覚に違和感を持ったことが何回もあります。
知っている方経験された方には、当たり前のことかもしれませんが、改めて考えてみます。 

偏差値ってなに? 

そもそも偏差値は母体によって大きく異なります。

例えば中学受験なら塾によって偏差値が異なります。

www.hensachi-ranking.com

ですから、ある学校について語る時は、厳密にはそれがどの塾の、どの模試においての偏差値、と言わないと意味がないということ。

例えば、慶応普通部の合格ラインが日能研・四谷大塚の模試ですと、60~63前後ですが、首都圏模試では70前後となっています。

[例:慶応普通部の80%合格ライン]

日能研・四谷大塚 60~63前後

首都圏模試    70前後

www.hensachi-ranking.comより引用

 サピックスになると、偏差値はもっと低く出るでしょう。

さらに一番違和感が多いのは、中学受験と高校受験、大学受験を同じ基準で考えてしまうことです。 

中学受験と高校受験の偏差値の違い 四谷大塚-YTnet-

このページがとてもわかりやすいのでご紹介させていただきました。

私は公立高校で当時は学区制だったので、そこのトップ校に通いましたが、同じ学区の出身の人には「すごいね。」と感心されるのですが、同じ方が私がその学校で最終的には上位5分の1くらいの順位(文理あるのでわかりにくいですが)になって受験した大学については、「もっと高い(レベルの学校に出ていた)と思っていた。」と言った反応をしました。河合塾の大学偏差値で66程度です。
私は受験に失敗はしていません。校内順位的に順当なところに進学しています。

diet-study.jp

 

私もこのサイトの方のように、65くらいの高校に入ってすぐに受けた模試で50を切ってしまい、大学受験の厳しい洗礼を受けました。ある大学の附属校を滑り止めに受けて蹴って入っているのに、実際はその大学の偏差値に遠く及ばなかったのです。
当時は大学受験率も3割台でしたので、5割を超えた今とはまた違うと思いますが。

 

また、最近別の方と話していて、ある学校について
「中学受験の方が偏差値低いのねー。うちも中学受験すればよかった」
と言われました。

また、ある子がおそらく親御さんの影響なんでしょうが、とある有名大学を
「あそこじゃたいしたことないし。」
といっていました。その子は学校でも平均からかなり下の成績の子です。
おそらくそのままいったら、その有名大学は目指すのにも苦労するレベルです。

「そんなことないよ、そこを出て活躍している人はいっぱいいるよ。」
と話しました。

これから進路を考えていくにあたって、簡単に考えて構えていることで手遅れにならないようにと思って書いています。

低学年の時など、よく中学受験をするかしないかの判断に小学校の成績を出す方がいらっしゃいますが、小学校の成績では、難関校などの判断材料にはあまりならないでしょう。そのあたりも情報不足だなぁと思うのです。
もちろん成績がよければ、中学受験にチャレンジするのは向いているかもしれない。でもそれだけで、どの程度の学校に行けそうかどうかは中学受験の勉強をしてみないとわかりません。

中学受験のために学校見学を重ねてなんとなく感じたこと

中学受験や高校受験の指標として、進学実績があります。
これについてもその学校の実績として単純に考えられません。
合格者数と進学者数をわけて考えないといけません。

また、特進クラスなどがあれば、その実績がそこのコースの生徒のものなのか、普通クラスの子のものなのかで、一概にこの学校に進めばこのレベルは狙えるとは言えません。

あと、なんとなく感じたことですが、中学受験などで難関校の受け皿になるような学校の進学実績は、実はそれら難関校志望の子がとっている可能性が高いのではないか、ということ。

 

もちろん大学受験に対してどのように高校が対策をするかで、ある程度実績は伸ばせると思います。
しかし、またよく言われるように、難関校の進学実績がいいのは、その学校のカリキュラム以前に入ってくる子が優秀だから(塾の実績などでも言われることがありますね)。

難関校というのは、誰でもが努力さえすれば入れるようなレベルではないと思います。
受け皿となる高校を第一志望とする子と、難関校がまあまあかたいと言われていた子が受験にいわば失敗してその学校に入学してきた場合とでは明らかな違いがあるということ。
また、難関校の中にも持てる才能の違いが愕然とあること。
そこには天性のものも大きければ、それまでの積み重ねも大きいと思うのです。たとえば英語や数学の先取りなど。大学受験レベルになると量も膨大ですから、その辺をリードできるということは、少しアドバンテージにはなると思います。数学などは才能の違いが大きいですし、帰国子女だったり、すでに英検準1級を持っているなんて中学生は、英語にほとんど勉強時間を割かなくてすむわけですから。

 

いまは進路を真剣に考えなくても、高卒でもそれなりの企業に就職できる時代ではなくなってきました。
私たち世代は偏差値だけでなんとなく学校を選んだりと随分雑な進路選択をしてきた方は多いと思います。今ほど学校公開やオープンキャンパスが一般的ではなかったので。
でも、これからは、情報を得るのは比較的簡単です。
そして、おそらくそういった親子での努力が、希望した進路へ一歩近づいていくのだと思います。

地方の方はまた別だと思うので、主に都内と限定させてください。
自分もそうでしたが、小学校の成績はまあ悪くないし、公立中学に当たり前のように通って、さて、高校からどこへ行くか考えようかな、という考え方は、都内ではともすると手遅れかな、と感じます。
自分を含めてそういったなんとなくで公立中学へ通った方の多くは一年生から進路を真剣に考えていません。どこかに入れればなんとかなる、と親世代の感覚でのんびり構えている。
思うのですが、高校の選択はその先の進路の大きな一歩となります。

どこかの高校へ入れればどうにでもなるというほど大学受験は甘くないですし、その他の進路だって、準備が必要なことも多いでしょう。

「うちも受験しておけばよかったー」とは、上の人以外にも中学受験をかじってもいない、むしろわりと教育に無関心な人にやはり言われたことがありました。

そんな簡単に言わないでよ、と感情の部分でも思いましたけれど、同時にそんな気楽に(あやまった思い込みで)考えていていいのかな、ともどかしくも思いました。

なるべく現実に近い情報を得るために

  • 習い事との両立で入れました!
  • 部活忙しかったけれど合格できました!
  • 塾に行かなくても中学受験はできます!
  • 塾通いばかりじゃかわいそう!
  • あの学校はガリ勉のいくところ!

情報を得るに当たって、「自分がほしい情報」を見ているだけでは、正しい情報とは言えません。
習い事や部活との両立は大変な苦労が伴います。
塾に行かないのであれば、相応の努力とポテンシャルも必要ですし、中学受験では実際はあまり現実的とは言えません。でも親御さんがそういった勉強法を熟知している方なら、問題ないかもしれません。
学校はなかを見てみないと実際はわからないものです。

それぞれの子どもにあった進路選択と、情報を得ることが必要となってくるでしょう。実際特に男子などは、公立中学に入って高校受験で勝負するのが向いているであろう子もいると思います。女子は詳しくありませんが、都内だと高校受験ではだいぶ選択肢が狭まるそうです。

息子の友達でも志望していた都立一貫校落ちで、合格した私立に入らせようか迷っていましたが、結局公立中学を選んだ子がいました。
おそらくその子はそのさほど高偏差値でない私立で落ち着くよりは、高校受験で頑張ればもっとずっと偏差値の高い進学校に入れるような気がしました。
文武両道でいかにも公立の学校がぴったりな感じの子でした。私も息子がその子のようだったら、おそらく公立を選んでいたかもしれません。
偏差値だけが大事だとは思わないし、むしろコミュニケーション能力と適度な才能があれば、わりとどこでもやっていけると思っています。

息子に勉強をさせているのは、もちろん本人に合っているとも思いましたが、なにしろいろいろ社会人として苦労しそうな息子に少しでも取り柄があれば、という気持ちもありました。

 

学校や塾に関しては、そこに通っている人の生の声を拾ったり、受験やその学校に肯定的な意見、否定的な意見両方に触れてみる、ということでしょうか。

勉強はとても楽な選択

東大に簡単に入れると思うなよ、という話でしたが(そうかな?)、そうはいっても他の特殊な職業と比べれば、概して勉強で身をたてていくというのは現実的なコースだと思います。

◯高校生の数=約330万人

(参照:高等学校学科別生徒数・学校数:文部科学省

単純に三分割して一学年110万人

そのうちのセンター受験者(平成26年)は532,350人

(参照:志願者数・受験者数等の推移|大学入試センター

東大の募集人員約3,000人

(参照:http://www.u-tokyo.ac.jp/content/400043503.pdf

3,000/530,000=0.0056

年度もちょっと異なるデータですのでざっくりしすぎですが、ご了承ください。

大学受験を目指すセンター試験受験者の1,000人のうち5人、高校生全体からするとその半分くらいですよね。

 

一方スポーツ選手について、面白いブログがあったので、参考にさせていただきます。

www.danna-salary.com

 

野球やサッカーも活躍する選手じゃなく、プロ選手全体での確率が東大生よりぐっと低い。
一方大学は東大に行かなくとも、一流とされる大学を出れば、世間的にはエリートとして学歴を武器に仕事を選べるので、そういった面で勉強は一番コスパもいいような気がします。

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テレビで身近だと勝手に自分に身近な気がしてしまう?

子どもや自分の進路に関係ないのであれば、どう誤った認識でもせいぜいそれを公言して小さな恥をかく程度ですが、こういったことをあまり考えずに安易に学校や職業を低評価して子どもにプレッシャーをかけてみたり、高学歴の人の自慢話を鵜呑みにして、めちゃめちゃハードルをあげて見積もりを誤ったりするのは得策ではないと思います。

母などが、クイズ番組で高学歴タレントができない問題が解けたりすると、

「こんなことも知らないの? この人たいしたことないわねー。」

なんて言うのを聞いてなんとも言えない気分になるのです。
「(母ができたのは)年の功だよ。」と言ったりもするのですが。ま、母には害はありませんが。

 

以前テレビで、超天才数学者?の先生のことをやっていました。うろ覚えですみません。
麻布中時代に大学の模試で高順位をとり、東大の研究会? ゼミに呼ばれて中学生が東大生に教えていたとか。
その後東京大学に入って、大学の同級生の自信をことごとく打ち破ってしまったとか。

東大=すごいと言われているけれども、その中にもすごく能力差はあるのだなー、そういうのは偏差値が下の世界にいるものには計り知れないなぁと感動しました。
いろいろ知れば、例えば難関校に入った息子の学校には、逆立ちしても叶わないと思われる武勇伝を持った先輩が多々いるし、東大へ入ればもっといるのでしょう。
上へ行くほどその能力の差がいくらでもあるということを目の当たりにするのかもしれない。そういうことを知っただけで、私は謙虚になれます。

 

オリンピックなどの金メダルやなにかの世界一、日本一なんかもそうですよね。
生活のほとんどをその競技に捧げている人がたくさんいるなかで、日本代表になれるだけで、東大レベル越えですよね。
例えば学校一、地方で一番すごいその地域では有名な選手が全国に出ればまだまだ平凡であるとか。
学生の頃友達が、自分の同級生にプロ野球選手がいたことを話している時に、

「いやー、あいつ野球バカだったから。それしかできないから!」

みたいなことを話していました。

「何言ってんの! (一軍で私も知っている)その人めちゃめちゃエリートじゃない!」

なんか、世間の認識って適当ですよねー。

テニスの錦織選手も、あんなにすごいのに、なかなかグランドスラムで優勝ができない。本当に大変なことなんだな、と思います。
まさに冒頭のブログの魔境ですかね。

 

あと付け加えるとすれば、本当に能力のある方は、自分にとってそれが「普通」だから、軽く見積もって話をしてしまうのかもしれません。

そういう意味では、東大生や難関大学生のブログだけじゃなくて、もうちょっと自分に見合ったレベルの大学生の勉強法や苦労話の方がずっとためになるのかもしれません。

中学受験でも、具体的な学校名を挙げて偏差値50前後の学校に入りました〜なんてブログは少ないと思うのですが、実は一番需要があったりするのじゃないでしょうか?
子どもの在学中にはあまり名前をあげられないとは思うのですが。。。

簡単に言わないで

テレビではいとも簡単に東大を語り、世界の大学のランキングが下がれば、憂いて見せるわけです。アスリートには、簡単にメダルを期待してしまう。
お茶の間の視聴者でいるときにはそんな無責任なのもいいかもしれません。
でも、夢を真剣に考えるとしたら、きちんと調べてみる必要があると思います。 

 

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