悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

ブラック部活をさせないためには?

中学生の勉強を見ていて、「もうちょっと学習に時間を割かないと、高校受験で希望のところへ行けない」という子がいました。
その子は地元の中学校でしたが、毎日朝練と放課後練があり、朝は5時起き、帰宅は7時過ぎ。それを聞いたら、学校の宿題をやるので精一杯のようで、とてもそのまま課題をたくさん出すことができないと思いました。

結局部活に参加する日を少し減らすことにしましたが、計画的に成績をあげていくというほど勉強時間はとれませんでした。

 

ほかにも友人の子など複数で日曜日もほとんど部活をしていて、親御さんも練習時間が多すぎると話している人の話を聞きました。

 

公立中学校に通っていれば、高校受験をしなくてはいけません。
高校をどこに進むかは、かなり進路に関わってくると思います。冒頭の子もその他の子も学校側がその辺の配慮をしているかというとそうではないようでした。
周りの目もあり休みにくい。部活の顧問は部活に来るようにいい、担任は成績が落ちたといい、保護者は板挟みになっているようでした。

 

また、教師側の部活に費やす時間が多すぎることも、当の教師側から問題視されることも多いようです。こちらはこちらで、保護者側の一部に拘束時間を増やしてほしいと希望する意見もあり、教師の一任で簡単に辞められない現実もあるようです。

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しかし、実際は拘束時間の多さだけが問題ではないようです。

「死ね!バカ!」これが指導?〜広がる“ブラック部活”〜というNHKの番組。

↓サイトで詳細が読めます。

www.nhk.or.jp

 

やはり、公立中学校の運動部の休養日は1998年に週1日以下の休養日の割合は58.4%だったのが、2013年には77.6%とぐっと増えています。

 

さらに指導者による人格否定のような暴言などのハラスメントがある学校もあるというのです。

番組内容によると、さぼりとか態度が悪いとかではなく、技術的な面でもひどいハラスメントを受けて、不登校に陥ったり、心に傷を負ったりしている子もいるそうです。

その道のプロを目指さないのに、ここまでする必要があるか

中には、部活は強制的という学校もあるようです。先に書いた休養日のデータは公立中学校です。
例えば甲子園を現実的に目指しているような学校ではありません。強制だから仕方なくどこかに入った子も同様に進路に必要な勉強をする時間もないほど部活に拘束されているケースもあるでしょう。

この長時間ということでいうと、例えば、為末さんは中学時代、どれくらい練習していた?

為末さん:私がやっていた時は大体、週に5日ぐらいトレーニングをして、2日休みだったんですけど、結局、最後、オリンピックに出るレベルになっても変わらなかったんですね。
ですので、1日長くて3時間、プロになってからもですね。
それ以上いくと、感覚的には練習効果がなかったなっていう気がしています。
(休みゼロというのは、成長や上達には?)
まず、けがのリスクが1つありますし、やっぱり技術をいくら磨いても、そういうものもあるとは思うんですけど、多くのスポーツでは、効果が実はそんなにないんじゃないかなというふうに思いますけど。

内田さん:部活動が長日数やるっていう背景に、たくさんやれば強くなる、1週間丸々練習すれば強くなるという考えがあると思うんです。
そういった考え方も改めていかないと、この過熱している部活動って、なかなか収まらないのかなと思います。

www.nhk.or.jpより引用

 

実際オリンピックを目指す選手も休みがないというわけではなさそうです。

休養の大切さ、部活以外の生活の大切さは無視されているような気がします。

辞めたくても辞められない?

つらい部活をなぜ辞められないのか。
娘は生徒同士のつながりが断たれ、学校での居場所を失うことを恐れていました。

LINEやツイッターなど、SNSでつながっている生徒たち。
部活を辞めれば、「あの子は弱い」「逃げ出した」といった陰口が瞬く間に拡散します。
さらに、他校の生徒とも情報交換が行われているため、脱落者というイメージが高校へ進学した後まで、ついて回るというのです。

www.nhk.or.jpより引用

こういった子が多いのかどうかはよくわかりませんが、連帯責任などがあったり、指導者が厳しすぎることで、生徒同士が団結して先生に対するというよりは、相互監視になってしまっているとしたら、ちょっと怖いな、と思うのです。

toyokeizai.net

「こどもに理不尽強いる「ブラック部活」の実情」というAERAの記事。こちらの記事では、生徒同士もひどいいじめをしたりされたりという問題があると報じています。

「自分より能力の高い下級生への嫉妬があるのかもしれない。加えて、顧問から責められる、試合に出られないといった“圧”がかかると、非行に走るか、いじめに走るかのどちらかになる」

 

toyokeizai.netより引用

 

そういう経験をして大人になった人は、社会人としても理不尽と戦うよりは、同様に社会人として自分だけは脱落しないように、という考えにならないかどうか?

 

そして、こういった厳しすぎる環境で思考停止になってしまうのは、その後のブラックバイトやブラック企業に苦しめられても、「今までもそうだったし、仕方ないのだ」と耐え続けてしまい、自分が壊れてしまうことにならないか、という不安もあります。

 

知人の子は、特に入りたかったわけではないが運動部に入り、拘束時間の長さで睡眠時間が足らずに授業中に居眠りをするようになって、成績が大幅に落ちました。

それどころか精神的に辛くなり、自殺に追い込まれたり、熱中症で亡くなるお子さんもいるという情報をえて、何のための部活なのかという思いが強くなりました。

 

原因がなんなのか、どうすれば解決できるのかも気になるところです。

親としてできること

「部員の自主性を重んじる顧問のもとで楽しくサッカーをしている子どもたちを見るとうらやましかった。強豪校だからとか、監督の経歴がどうとかで部活を選んじゃいけないと心底思います」

 

toyokeizai.netより引用

 

一保護者としては、いますぐ学校の部活の改革をお願いするということは難しいと思います。自分の子どもが進む学校の部活について、入る前にそこに入れてよさそうかどうか情報収集をして判断をするのが自衛策でしょうか。

個人的には、厳しすぎることに異を唱えず従順すぎて自分がまいってしまうようなことは、一度陥ればそこから立ち直るのは本人の精神・体力的にも、進路的にもすぐにできることではないと思うし、そもそも教育機関でそのような子どもの成長にマイナスなことが行われていることに危機感を持った方がいいと思います。

 

細かいことをいえば、友達が部活を辞めたからって陰口をたたかない、自分も本当に辛い場合に逃げ道を見つけられる子に育てたいと思います。

 

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