悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

今、子どもに必要な力たくさん!

体調不良でダウンしていたら仕事に追われて、だいぶご無沙汰してしまいました。

再びkindle unlimitedで気になる本を読んでみたシリーズで。

グローバル時代の今、子どもに本当に必要な12の力

グローバル時代の今、子どもに本当に必要な12の力

 

『グローバル時代の今、子どもに本当に必要な12の力』親野智可等 著

www.popy.jp

 

親野先生といえば、上のように様々な教育サイトで身近な問題をこうしたらという提案をされていますよね。私も息子が小さい頃から時々拝読しておりました。
こういう先生の診断テスト、結構悩んで、答えを読んでも微妙なときもありましたが、いろいろ考えて見るきっかけにはしていました。

 

この本は電子書籍のみのようで、ボリュームも少なくあっという間に読めてしまいます。だからというか、ちょっと物足りない印象です。

 

親野智可等というだけあって、必要な「チカラ」がたっくさん出てきます。

自己実現力と課題設定力

早速内容に。

これからのグローバル時代には確固とした価値観がないので、それぞれ自分の生きたいように生きる力があることが望まれる。そういった力を自己実現力と言っています。

自己実現力をつけるためには、子どものやりたいことをたっぷり応援すればよいと書いています。

 

人事コンサルタントの方からの話として、最近では「この会社で何をやりたいのか」「今までどうしてきたか」「何ができるのか」と聞くようになったがそれに答えられる人はあまりいない、さらに編集者の話として企画を自ら考える編集者が少ないということを紹介していました。

これらに対応するには課題設定力が必要なのですが、それには親が子どもをよく見てその子のやる気を大きく育ててあげることが必要だと。

 

私はこの辺り、さらっと書かれているけれども実際にどうすればよいかの記述がなくあいまいで、あまり参考にならないし、実際そういった能力をつけるのは親だけの努力ではなかなか難しいと思いました。

 

子どもにも生まれながらの性格はあり、さらに積極的に取り組めるかの裏には自信もあるし、自信をつけるのは何年もかけての地道な導きが必要かと思います。
まず本人の得意を見つけて、そこを伸ばしながら自分には能力があるという自信を少しずつつけていく。
かつ、人前でも怖じ気付かずに何かをなすためには、学校など集団生活での立ち位置が大事ですから、親が家で言って聞かせたところで簡単に子どもができるわけではない。
先生の判断や指導なども大きいと思うのです。

 

私は幼稚園から小学校中学年くらいまでとてもおとなしい子どもでした。早生まれで小さく、なにもかもぱっとしない。

通知表ではいつも「もっと積極的に」などの言葉が並び、子どもながらに「なぜしたくもないのに目立とうとしなくてはいけないのか」と苦々しく思ったものです。

ただ、学年が上がるにつれ、勉強も運動もわりとできる方になってくると、周りの評価も高くなり、いろいろなものに推薦される機会が人よりだいぶ多くなってきました。友達も増えていて、それを固辞するほどの引っ込み思案でもなかった私は、任務を果たしているうちに、発表の場も増えたことで、人前に出ることに抵抗がなくなってきました。

未だに自ら人の上に立ちたいタイプではありませんが、とてもできないわ、というわけでもないのです。
これはまさに環境が与えてくれた経験「やってみたら意外とたいしたことない」ということが大きいと思うのです。
また、そういうリーダーシップをとるような経験は、失敗したり、失敗しないためにどうすればいいかを考える貴重な機会となります。

息子は少人数学級で、はからずともリーダーになるのは当たり前という環境でした。息子は性格的にも物怖じしないので、もともと合っていたとも言えるのですが、息子の同級生には大人に挨拶できないような引っ込み思案な男の子もいました。その子が高学年になるにつれ、応援団長に立候補するほど堂々としているのをみて、環境っておおきいな、とも思ったものです。

一方他の学校を出たお子さんのお母さんの多くから

「うちの子はそういうタイプじゃないの。」と聞きました。

けれども、息子の小学校の同級生を思うと、そうじゃないのだよなぁと思うのです。

なぜか。幼稚園時代引っ込み思案だった私が、「君のこれ、よかったから講堂のみんなの前で読んでくれ」と言われたりして壇上に上がること、それは結構嬉しいことだったのです。もちろんドキドキしますが、それよりも評価されることって嬉しいのですよね。親や先生の期待って育てるんだなぁと思いました。

小学校一年生の授業参観。みんな手を挙げて当ててほしいと思っていますよね。
当てられて答えて「正解。すごいね。」と言われることは何より嬉しいはず。人前でできる自分をアピールできるって本当は嬉しいことなのですよね。
それが、評価されないことばかりだと、だんだんそういうことを忘れて、逆に自信はなくなっていく。

「自分にはそんなのとてもできない」

と、課題がとても大きなもののような気になるのではないでしょうか?

独創力

独創力をつけるために拡散的思考という、いろいろな発想やアイデアを考え付く思考の機会を増やすことが大事と述べられています。

この辺の記述は微妙で、拡散的思考のために、いわゆる受験向けの勉強以外のものが大事、それは昔からなされていたが、昨今はそれが難しいとして、受験重視の現状を憂いている印象が強いのです。
確かに社会に出たら受験勉強だけの頭でっかちないわゆる収束的思考が強い人はそれだけではやっていけないけれども、私はどちらも大事なものだと思っています。
現在の公教育のあり方としてどうバランスをとるかは、ゆとり教育の失敗を見ても大変難しい問題だと思うのです。
その辺を受験勉強=悪という印象を強くするのはどうかなぁ。
わかっている人はいいけれど、わかっていない人は
「そーだそーだ!ガリガリ勉強なんてしてばかりではダメだ!」
と安易に楽に流れる言い訳に使われそうで。
いま、そんなに自分たちの頃より呑気ではないと思うので。

 

話は戻りますが、大人自身も「人と違うことに大きな価値を見出せるようにしていくことが大事」と述べています。確かにこれから問われる力かと思います。
誰でもできる仕事はどんどん淘汰されていきつつありそうですから。
そして、親はどちらかというと人とわが子が違うことを嫌いがちではないでしょうか?

追究力

また、追究力が大事とも。仕事を突き詰めていく力、そのためには自由研究などは良い機会かと。日頃から疑問に思ったことを書くノートを作ることをおすすめしています。

表現力

また自己表現の力をつけるために、まずは共感を表す、親自身の語彙も気にして話す、時事問題に触れるなど。
さらに読書も勧めています。

 

読書をすれば 国語のテストができるようになるか、否、という話もあり、まあそんな簡単なものではないと思うのですが、いま息子の学校の文集などを読むにつけ思うのは、読書量の差は圧倒的な語彙や文章での表現力の差となって如実に現れています。

 

同じテストを受けて入学した同級生の中にも、4教科の合計点で合否を決めていると、なかには教科による凸凹が大きい子もいるわけで、とても中学生とは思えないような大人びた表現をする子もいます。読書の効果と言えるでしょう。
かといって、読書が好きでない子を好きにするのって結構難しいと思うのですが。

自己肯定力

また、書かれていてなかなか簡単だが難しいのが、親が肯定的な言葉を使うようにするということ。どうしても注意が多いと否定に入りますよね。未だに私はあまり出来ていないような気がします。でも、よく思うのは自己肯定感の大切さです。

意志力

努力を続けるには意志力が大事。意志力をつけるために、努力を続けて成功させる体験を重ねることだそう。

ただし、努力を続けられるのは本人が楽しめていることと親が上手に褒めていることだそうで、嫌なものを無理やりやらせても無理なことが多いと。

合理的解決力

親が工夫をする姿を見せることで、子どもに身をもって合理的解決力を示すということ。

いろいろできない息子に様々な提案をしています。けれど、なかなか身につきません。
息子にそれを受け入れるのは結構大変なことなのだと気付いてもいます。
ずっと課題になっていくのだろうなと思います。

他者信頼力

またいい人間関係を作るために「他者信頼力」が大事という話。

それを作るには親子関係が大事と述べられています。

 

息子の身近で二人ほど「誰も信頼できない」と言ったという子を知っています。
二人の親子関係は少し違っていましたが、学校の先生の対応の悪さもどちらの子も関わっています。

 

一人の子はクラスのいじめについての学校側の個別の聞き取りで

「いじめなくても見ているだけではいじめているのと同じ」と先生に言われたという子。その子はいじめ自体をとても不快に思っていたので、自分もそちら側と言われて深く傷ついたようです。

もう一人は委員会決めで、自分が不条理な理由で委員をふたつ掛け持ちにされたことを先生が見て見ぬ振りをしたこと。

 

現在先生方の労働環境も問題視されていますが、同時に保護者としては、先生どうなの?と思うような対応があるのも事実です。

 

自業自得方式を貫く親への批判もしています。
確かに、身近の「自業自得」好きなお母さんは、子どもに失敗をさせて、「ほら、私のいうことを聞かなかったから」というのが好きなのですが、とてもお子さんは不安定で、お母さんを信頼しているようには見えません。

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共感力

また共感力の大切さについても述べています。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

ちょっとずれますが、共感ってできると自分も楽なんですよね。
共感力の弱い人と一緒に歩いていると、いろいろなことに怒っていて疲れる。
子育てで怒りっぱなしのお母さんも、楽になるために共感するなんてのもいいのかも?

倫理力

なるほど、と思ったのは倫理力のくだり。
格差が広がり個人の努力不足だけではない問題が山積しているのに、いわゆる「勝ち組」にいる人があっさりと「努力しないからだ」と切り捨てることに触れていますが、本当に腹立たしい。上にたつものだからこそ、下まできちんと見通してほしいと思うのです。

自分だけでなく社会全体や他者のためにと考えていけるようになるためにたとえとしてボランティア活動などをあげています。

 

息子はボーイスカウトに所属していた時にはたびたび地域清掃活動やいろいろな募金活動などをしていました。
学校でも募金をしたり、それに関わる募金の使途の勉強などをしています。
自分と同じ環境に生きている人ばかりではないということを知ることは大事なのかなと思います。こちらはドキュメンタリーなどでも触れることができると思います。

先日も大変よいドキュメンタリーをやっていました。

www.nhk.or.jp

人種差別があまり身近でない日本人には考えさせるところが多くありました。

メタ認知力

メタ認知力を高めるのは童話・文学・漫画・映像作品などで登場人物の感情や行為を疑似体験することで学ぶことができると説いています。

思考パターンを広げる方法「メタ認知能力を身につける」|「マイナビウーマン」

 

そういえば、昨日、新聞にアメリカの大統領選を受けて「富の分配」についての記事が載っていました。
米国の哲学者ジョン・ロールズの分配法に触れていましたが、それを受けてなされた実験があります。

それについて家族三人でどの分配法が適切かと思うかという話をしました。

◯三人の他者に配分する金額(同額にしない前提)を決める実験

1 三人の格差が最小

2 配分された総額が最大

3 最低額が最大(=ロールズ式)

私と夫は1がいいとしたのですけど、息子は3だというのですよね。

最低額が少しでも多いほうがいいと。

それで、なんで? どうして? といろいろな立場に立ってあーでもない、こーでもないと考えていました。

それから

「日本は相対的貧困じゃないか」

「相対的に考えるか絶対的に考えるかで変わるね」などと話をしました。 

そういった想像をするだけでも世の中の見方が変わっていくのかもしれません。

まとめ

子どもを育てるってやはり大変なことですね。
しかしこれほどやりがいのあることも少ないかと。

親野先生の本はやはり親野先生らしいなぁという感じ。
いつもちょっと疲れるんですよね。まあ、いろいろやらなきゃ大変だけど、親力採点を気にせず、取り入れられそうなところから取り入れたらいいのよね、と勝手に思っています。

今回unlimitedで和田秀樹さんの本もいくつか読みましたが、こちらはこちらで、「学歴大事〜勉強しないと大変だ」という意見が満載で、そういうガツガツした進学校にいた私には使い古されたフレーズが多い気がします。
そしてもちろん共感できるところもそれなりにあるのですが。
勉強法などは参考になるし(そこだけ息子に読ませました)、なにしろ、どちらかに偏った本ばかり読むと、自分の理解も半端になるような気がするので、unlimitedだと気軽にいろいろな本を手に取れるので良い機会だと思っています。

 

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