おおたとしまささんという、育児・教育ジャーナリストの方が書いた本です。
主に学校情報などを得るために読んだことがあります。
育てにくい子というタイトルに惹かれましたが、当てはまるお子さんをお育ての方には参考になることも多いかもしれません。
個人的には自分の息子とは違っていたのでしっくりくるというわけでもなく、そもそももう思春期なので時期もずれてはいるのですが、振り返ってもそう目新しいことが書いてあるわけではありません。
どちらかというと、育児書系をあまり読んだことのない、できるだけ小さいお子さんの保護者向けかもしれません。
こちらでの育てにくい子とは「わんぱく坊主」。
子どもが小さい時は、集団生活や公園での友達とのやり取りでもなにかと周りとうまくやっていける「いい子」を親が求めてしまうのは自分の経験でもわかります。
うちはそう乱暴者ではありませんでしたけれども、いわゆるわんぱくで元気のいい子は問題を起こしたりして他の保護者や先生などをこまらせがち。
でもそういうときに親が子どもをおさえつけたくなる、いい子になってほしいと強く望むのはあまり良くないのじゃないの? という視点。
いい子であるべしというしつけのなかで、「去勢状態」になっていくと言われていることを紹介しています。
- しつけは小さいうちに厳しくという考え
- 手をかけてやってわがままを言いたい気持ちを満たせば子どもは自然にイヤイヤ期を脱するから、6歳くらいまでに叱らなきゃいけないことなんてないという考え
二つを紹介し、著者は後者を支持しています。
確かに、少しずれるかもしれませんが、自分の経験で子どもの頃買ってもらえなかったおもちゃを大人になるまで引きずったことがあるなぁ、だけど、いざ自分で子どもに買い与えたらその途端にそのこだわりが満たされて、興味がなくなったということがありました。
禁止されると余計に執着するって、ゲームを禁止されている子、駄菓子などを禁止されている子に多かったりすること、聞いたことありますよね。
息子の卒乳も好きなだけ与えていたら、勝手に「もういらないの」と自分で卒業して行ったなあ。
でも、いまは周りの目が厳しくて、なかなかそうおおらかにばかり育てられない、というお母さんの気持ちもよくわかります。
私も、公共の場ではかなり気を使った記憶がありました。
でも、そうやって育てておいて大人になってから、やれ「生きる力をつけろ」「最近の男子は草食系で覇気がない」というのはどうかという話。
また頑固な子、聞き分けのない子は大人になってから少々のことでは心が折れない子になるだろうということを、スーパーで駄々をこねる子と会社で自分への反対意見に意見する若者の対比で説明しています。
ルールをただ守るのではなく、破ることでそのルールの存在意義を改めて考えるようになる。ただルールだからというのは思考停止。
失敗を褒めて、挑戦を恐れない子にする
これは本当に大切だと思います。どうしてもできるかどうかに親は着目しがちですが、あまりにこだわりすぎると、子どもは失敗をしないような簡単なことしかやらなくなるかもしれません。何事も極めるにはたくさんの失敗が必要ですよね。
勉強でも失敗したがらない子は多いです。
叱られすぎている子ども
いまは親の監視下にいる時間が長いので、予防的に叱られる子が多いとも。確かにうちでは一人っ子で自宅に私がいるわけですからなおさらですよね。
あまりに放って置かれる時間がなさすぎていきが詰まるかもしれません。
大人は大人の視点でいらぬ心配をしてしまいますが、数年くらい前から、私は自分と同じ土俵で子どもを評価するのは厳しすぎるな、と思うようになりました。というのも、自分が子どもの年の頃いかに拙かったかを思い返すと、とても息子に自分が要求していることができているとは言えなかったので。
親子のケンカは圧倒的なハンデがある
なるほど、と思いました。ここは私も反省すべきところが多いなぁ。
時には親のすねをかじっている間はそういう態度は許さないから!と言ってしまうことも。でも、明らかに悪いこと以外でもそういった圧力をかけていないか。こちらが思うより何倍も子どもはダメージを受けるかもしれない。
確かに身近にいたとても「いい子」がストレスにとても弱かったのを思い出します。
そしてある程度大きくなった息子やその友達を見れば、いわゆる「いい子」より何かを持っている子の方が将来活躍できそうと思ってしまいます。
Up!