NHKのドラマが地味に怖い。
ドラマ10 お母さん、娘をやめていいですか? | NHK名作選(動画他)
いわゆる友達親子でやってきた25歳の主人公とその母親。
仕事の悩みもすべて母親にLINEする。
途中からデートを尾行する母に気づいて、自分が母親の支配の下にいることを薄々感じてきているところ。
娘に気付かれても尾行をやめない母に恐怖しかない。
このドラマのここかしこで、娘が母親の顔色を見て自分が母親の望む答えを選んでいる。ドラマの最初の方では娘自身がそれを自覚していないかのよう。
少しずつ現状に違和感を抱いていって、これからどうなっていくのかとても気になる。
この感じ。娘の立場として少しだけわかる。
でも私は一人っ子ではないし、母は厳しい面もあって、私はあそこまで母にベタベタとされていたわけではない。
それでも、休みに二人で旅行したり、遊びに行ったりした。母は妹とも旅行したりしていたし、すべて干渉されていたわけではない。
でも、子どもにとって親が望む答えを選ぼうとしてしまうところって多くの方にあるのでは。
私が息子を産んだ時、
「男の子じゃ将来さみしいね。」
という母。(もちろん、男の子の良さも語っていて、否定したわけではありません)
それに対して、私は
娘が大きくなって自分の友達代わりになってくれるけど、男の子は離れちゃうよねっていうことだと捉えたのですが、そんなもん期待してないわ、と反感を持ちました。
自分の友達は他に作るし、夫とも仲いいし。
なぜならどことなく自分が窮屈だから。
長女気質かもしれませんが、普段甘えられないのに、母からの愚痴を聞くのはいつも妹ではなく私である。
私なら「聞いてくれる」。そう、妹は私より少し可愛がられている反面、自分から母の愚痴や不安を受け止めるのは面倒がってスルーする。
「あの子に言ってもわかってくれないし。」
そうやって育った私は、長子として母のことを心配しているし、そのために近くに住んでいる。もう少し郊外に行けば家も安いのに。
父が亡くなる前は、そうまめに訪れなかったが、母がひとりで暮らすようになってからは、近くても常にこちらから連絡して「気にしている」ことをアピールし続けている。
なぜなら全然連絡よこさない妹の愚痴を聞かされたりするから。
ドラマの主人公と違って、自分が母に甘やかされて育ったわけではないので、そう会いたいわけではない。
一緒に出歩けば、わりと何事にも構わない私に比べて神経質だったりせっかちだったりする母が機嫌が悪くならないかと、今は体調のことも含めて相当気をつかう。
母が入院をしたときは、1歳の息子を背負って1時間の病院まで毎日往復した。
このころの母は父と仲が悪く(というより母が一方的に忙しい父に不満だった)、連絡先の筆頭は私の名前だった。手術があっても父には知らせず、私が1日病院に付き添った。
赤ん坊をつれて病院に来ないで(感染症が怖いから)と医師に言われたが、何もしない父(頼めば動いてくれるがそのときは母が頼まなかった)が来ないから、洗濯物も必要な買い物もすべて私がやっていたので仕方ないし、何よりひとりでこんな状況では、母の精神状態が心配だったのだ。
母は感謝の言葉をくれ、
「妹(このときは子どもがおらず仕事をしていた)は何かのついでに一度立ち寄っただけで、自分たちの新居のはなしばかりして帰って行ったわよ」
という。
そうして、私には
「毎日来なくていいのに。ありがとうね。」
というけど、遠回しに妹のようではダメなのだと伝えるのだ。
結婚するまで実家にいたが、はっきりいって同居はしたくない。
それでもそれなりにおしゃべりをしたり、子どもの話を聞いてもらうこともある。
決して毒親なわけではない。母の父(私の祖父)が強烈にわがまま&厳しい人だったらしい(孫にはやさしかった)ので、少しだけそこが似ているんだろうな、仕方ないな、と思っている。私のズボラは良くも悪くも気が利かずニコニコしている父譲り
それで私と母はこのドラマのような濃さはないまでも、ところどころで
ああ、わかる〜
と思ってしまうのだ。
一週間ぶりなだけで
「久しぶり。」というのを忘れない母。自分は実家と離れていて盆・正月しか親に合わなかったのに。と心の中で思う。
今は息子と出かけるより母と出かけるほうが圧倒的に多い。
私は自分の子ども時代が好きではない。
だから、息子が生まれてよかったと思う。
もうひとりほしかったが、もうひとりも男の子でもいいと思っていた。
なんとなく、自分のような娘を育てるのが怖かったのかもしれない。
その点男の子は母親にそんな気遣いはしない。だから私は自分を息子に投影しなくて済む。実際違いすぎてとまどっているのだけど。
さて、親の立場として見たりもする。
25歳の娘の仕事の心配をする母親。
「こうなりたくはないなー。心配させないで。」
たまたま見ているところを目にした息子にひとこと。
これが本音。でも、いろいろできなすぎている息子。いつ私がほったらかしにできるのだろうか。そういう親としての不安も感じた。
昨日アップしました。