もうずいぶん前、夫の後輩の家族に息子のおもちゃなどを届けた時のこと。
まだその夫婦には2歳にならない子がいたのですが、その奥さんのお子さんへの対応がちょっと興味深かったのです。
家で焼き菓子をあげるとき、袋から出してまるまるそのまま渡していました。
自分で手でつまめないこの時期なら私なら一口サイズに割ってあげていた。
食事をしに行ったときも、その子用の離乳食などはなく親のうどんをとりわけてあげていたのですが、うどんを切るようなものもなく、箸でとりわけたものをそのままあげていました。それも主に旦那さんが抱っこしてあげていました。奥さんは、子どもは気にせず話と自分の食事に夢中。
子どもは、長いまま食べづらそうにしていて、テーブルはうどんつゆで汚れ。
そのあと水をこぼしたかでズボンが汚れてしまったのですが、着替えもないので、オムツのままになっていました。(車だったのでよかった!)
その時の対応も主に旦那さんのほうがやっていました。
終始こんな感じで、赤ちゃんのいるお母さんの持ち物じゃない身軽さで、そういうトラブルもあまり気にしていないようでした。旦那さんのほうが奥さんよりは少し気にしているようですが、かといって全面的に任せられる感じでもない。
面白いなー、いろいろなお母さんを見ているけど、こんな豪快な人は初めてだなぁ、もしかして子育て好きじゃないのかな、なんて思って見ていました。
その頃からその奥さんはフルタイムで仕事をしていたので、そう思っていました。
でも、その夫婦には第二子ができました。
下の子が生まれて就学前くらいのときに久々に再会しました。
お母さんは相変わらずひょうひょうとしていて明るい雰囲気。
子どもも元気に育っています。特段問題もなく行儀も悪くない。
いろいろ細かいことが気になる第一子。
あれもこれもと勝手に抱え込んでいっぱいになる人もいるけれども、こんな感じでも子は育つのだよなぁ。
夫婦でフルタイムの仕事で二人の子育て。とても大変だと思うのですが、大事なところだけおさえて、抜くところは抜いているそのご夫婦にこういうのもいいかもと思いました。
気にしようと思ったらいくらでも気になる。
私が自然育児のサークルに入っていた頃は、中には
「絶対これ以外ありえない」
というような強烈な方もいました。
いいというのはわかるけれど、それにがんじがらめになってしまうのは、苦しいかもしれない。もちろん苦もなく取り入れていられればいいのだけれど。
第一子のときって、特に自分がきちんとした母親と見られたいという気持ちもないでしょうか。
子育て中で一番ささいなことで周りとの比較が気になる時期。
はじめはこのお母さんあまり子どもに興味もっていないのかな、と思ったけれど、そうではなさそう。細やかな気遣いはないのかもしれないけれど、人からきちんと見られたい、いいお母さんと思われたいという気持ちに縛られたりはしていないのでしょうね。
むしろ、遠くから見守るのがうまいお母さんかもしれない。