わかりやすい勉強法の基本がぎっしり
勉強法についての本を時々読むことがあります。いいものがあれば自分が教える時に取り入れようと思っています。
大変読みやすく大事なことが詰まっていた本に出会いました。
この本は3章だてで、全部で7つの習慣を身につけることを目指しています。
まず「自分」をコントロールするチカラです。
生活リズムや朝の使い方について。
こちらは個人的には耳が痛い。朝は親子とも全く活用できないので。
でも、「ゆっくり急ぐ」という習慣で「1.01倍で進もう!」という考えには目から鱗が落ちました。
1.01ってほとんど微量なのですが、毎日積み重なると…。(計算してみましょう)
逆に0.99倍だとその差は恐ろしいことに。
二章では「時間」をコントロールするチカラ
こちらは、こうやってきちんと考えられる人こそ成功に近づくのだろうなとため息が出ます。特にうちの息子の不得手とするところ。
時間はないんじゃなくて作るんだよ!
そう言い続けていますが、ここでも大きく書いてあります。
ほかにも
「タイムトライアル暗記法」では、私がいつも教えているやり方とほぼ同じことが書いてあり、私が言っても身につかないので、息子に見せてみました。
他にも勉強法の多くは私が中学生たちに話し続けてきたことも多くて、あまり勉強法について考えない人にはとても参考になることが多いです。
目標のたてかたや目標達成までの逆算力などについても解説しています。
コラムでああ〜と思ったのは、
できる人は「やるための方法」をさがし出し、できない人は「やらないための言い訳」をさがし出す
(あたまがよくなる7つの習慣より引用)
実は中学受験の時から今でも、息子は「やらないための言い訳」の話ばかりで、うんざりしていました。
こちらは先の話をしているのですが、彼は過去の言い訳を続けるので、
「じゃあ、この先どうするの?」
となってしまいがち。そもそも基準が甘いのです。この言葉、貼っておこうかな。
3章では「記憶」をコントロールするチカラ
ここが勉強法の要とも言えるでしょう。
予習→授業→復習→テスト
この流れを具体的に解説していて、どのように臨めばいいかが具体的に書いてあります。
少し前に勉強を教えている子どもたちにテスト前のチェックテストをした時に、驚くほど授業の内容が入っていないことに驚き、授業への臨みかたを話したことがあります。
概ね本書に書いてあることと近いです。
息子も例外ではないのですが、本当に授業やったの? と思えるほどノートや教科書がまっさら。ノートはせいぜい先生の板書を写した程度。
そして復習もすぐにやらないので、テスト前にはすっかり忘れているというわけ。
授業中に復習できるような簡潔なノートを作ってしまうやり方が紹介されています。そう難しいことではありません。
ここも息子に読ませました。
エビングハウスの忘却曲線。ドラマ「下剋上受験」でも紹介されていましたが、勉強法では定番ですよね。こちらの解説もしてあります。
どうせするなら忘れず身につく方法とタイミングで!
なるべく省力で最大限の効果を出すことが大事かと思います。
あと、これは息子によく言うのですが、本書でも
「わかる」と「できる」は違う!
と説いています。
息子の苦手な数学。
「でも授業はわかるんだよね。」
いや、「できる」ようにしなさいな。
これを誤解している中高生はかなり多いと思います。
勉強じゃなく「作業だ!」というのも、私がある単語を覚えるのが苦手な子に話しました。
単語を覚える時に、同じ単語を並べて10回なり書いて終わり。
必ずできたかチェックしながらできるまでやるように話します。
小学校での宿題にはこういう作業で提出すればいいものが多かった気がします。
それで、やったような気になっている子の多いこと。
最後の習慣ではテストを攻略することを紹介しています。
同じ問題集を三回解くことをおすすめしています。どのようにやるかも丁寧にせつめいされています。
こちらも我が家ではいま毎日やるべき英単語や幾何の問題集などを繰り返しているのですが、とにかく二回目のでき具合がひどいもので、いかに一回目のやり方がダメだったかを反省していまは二〜三回目へとうつっています。
なかなか次の教材に進まずにもどかしいのですが、あの二回目のできを見ると、とてもじゃないけど一回終わったからといってできたとは言えません。この辺は中高生といえども本人になかなかまかせきれないところです。
もうそろそろ覚えて一人でやってほしい。この前の結果を見て息子も少しずつわかってきたようなのであと一歩かなと思うのですが。
中学生からは勉強法を意識することが大事
小学生で勉強についていけないとなると大変なことで、その時期にきちんとついていけること、勉強してできる喜びを知ることはとても大事だと思います。
ただ、小学生のうちは、授業に興味をもっていたり、理解力の高い子は、授業だけで家庭学習がなくてもなんとなくできてしまうことが多いと思います。
でも、高校受験で成績を大幅にアップしたいとか、大学受験のときには上記のような時間の使い方から自宅学習、授業の受けかたまでの工夫が必須です。
これがどの程度できるかでどのくらい伸びるか、自分の力を最大限だしていけるかが決まると言えるでしょう。
中学に入ると、子どもも言うことを聞かなくなりますし、親としてもそこそこ自分でやるのだろうと期待してしまいますが、このような勉強法は教えられずに身につく子は少ない気がします。
とっていると聞くので教材に取り入れたりする通信教材も、私が使う教科以外はすべてまっさらというのはよくあることです。定期テスト前の教材などはとても工夫されていて、予定表までついているのがまっさらで見ていて悲しい…。
面倒でも定期テスト前後などをきっかけに、どんな風に取り組んでいるのか、どうやり方を変えていくべきかなど、話すことをお勧めします。
この本はとても読みやすいので、中学生本人にそのまま読ませてもいいかと思います。
もちろん、黙って渡しただけで身にしみないのが中学生ですから、それをきっかけとして、時々できているか、そもそもなんでやらなくてはいけないかを話す必要があると思います。
ところで、中学生以降で一番大切なのは「意識」だと思います。
親御さんはどうしても、「とりあえず勉強やって」と言って塾や私のところへ預ける方も多いのですが、実はやる気もやる目的もないまま時間と環境だけ用意しても、本人は本気にならないので、このような勉強法などについて説いても効果は半減です。
中学へ入って特に公立中学生でしたら、どこの高校へ行きたいのか、その目標のためにどうがんばればいいのかを先に考えるようにしたほうが、長い目で見たらずっと効果的です。「子どもが勉強しない」と愚痴る割に、その辺の親のできることをさぼっている親御さんが多いことが気になります。
中学入学直後は新生活や部活などで落ち着きませんが、夏休みには志望校について調べてみるなどのスタートが早いと、その後の勉強の目標をたてるよいきっかけになると思います。
すぎてみるとあっという間の中学三年間。中三になってから志望校を考えると、どうしても今の実力で入れるところになりがちです。