悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

ランク付けって本当にしているの? 〜◯◯カースト〜

こんな記事を読んだ。

president.jp

 

煽っていないか

この記事がスクールカーストに悩む子への神対応とは思わないが、この対応についてコメントはしない。
違和感はこのランク付け。

スクールカーストという話を聞いたのは、2013年にやっていた「35歳の高校生」というドラマだった。
その中では1軍・2軍・3軍というのが明確に決められていて、ネット上で日々発表・共有されていた。時々その中でも移動があったりして、それをみんな恐れていた。

馬鹿馬鹿しいと思ったけれど、ドラマと割り切って見ていたのだが、その頃からまことしやかに語られるこの学校内での上下関係。いまだにほんとなのかなーと半信半疑だ。

 

このドラマのように本当にランキングがあるのであれば、なかなかショッキングだと思う。SNSなどでそういうことをする輩がいるのだろうか。

 

仮に目に見えるランキングがあったとして。それを作っているのは誰?

おそらく一番トップになる人たちなのだろう。
逆に言えばそれぞれがランキングを作って自分たちをトップにしてしまえばいい。

冗談だけれど、ほんとそう。だけどそんなの解決になるわけがないというのは、

どこかで暗黙の、

声が大きい人がえらい

派手に目立っている人がえらい

という価値観を誰もが共有しているからなのでは。

 

実は微妙にこの「えらい人」も集団によって変わるのだろうと思う。

自分が進学校に行った時は、

成績のいい子が大きい態度をとっていた。地元の中学だったら一番目立たないようないわゆる「ガリ勉」女子。でも、別にランキングがあったわけじゃない。

ただ、「お、ここではこういう子が生き生きとするのね。」と面白く思った。

彼女がえらいとはもちろん思わなかったし、入学時成績最底辺の私が卑屈になったわけでもない。でも別の意味で居心地はわるかったけど。

 

実際は、賑やかな子の集団、大人しい子の集団、一匹狼、勉強ができる子、運動ができる子、面白い子、といったキャラクターの違いはあれど、どれが上位でどれが下位なんてものはない。

息子の小学校では少ない人数だったが、これらの子が見事にまじっていた。実際は運動ができて勉強もできる子、賑やかで勉強ができる子、などいくつか混じっているのだが、それらに上下関係はなかった。

小学校は中高ほど勉強の差異がわかりにくいけれども。

 

DランクFランクって! 失礼だナ。記事では実際の中学での話として紹介される。
内輪でランキング表を作成するならともかく、この記事では具体化を避けているが、こういうキャラがA、こういうキャラがBということを周知させることの影響は大きい。

学校は誰でも行かなきゃいけないところ。そして教育現場。そこで、育むべき自尊心を逆に失うようなことがあるのは望ましくない。メディアが取り上げなくたって実態はあるのかもしれない。あるから取り上げているんだと言われればそれまでだ。

でも、せめてメディアであまりそういうことを扱って価値観を共有させてほしくない。
自分はAだと得意になるのも、DやFだと自虐的になるのもいいことはひとつもない。

 

確かに記事にあるように、四月はクラス替えでどの集団に入れるのか、入れないのかという時期なのだろう。
カーストなんてなくたって、特に男性は集団の序列をつけないと居心地が悪いのかもしれない。本能的にそうなのかもしれない。

だけど、やはりそれを表に出してきて、みんなで

「ほら、お前はココだ。」

とやりあうことは避けたい。

勉強の成績や、運動能力などならまだいい。

あくまでそれはその人の一つの能力が高いか低いかだし、順位も明白だ。
他で勝負することもできるし、少しなら努力で上がることもできる。
だけど、スクールカーストは人そのものをよくわからない基準で序列化する。
下にランクづけられれば、おそらく自分には価値がないと思ってしまう。

人の幸せは、そういう自尊心に大きく関わる。
そこを子どもの時期にくじかれるというのは、人生にとって大きな障害だと思う。

 

幼稚なランク付けだが、問題はやっている子どもじゃなくて、こういう記事を読んで、

うちの子がD、Fランクになりませんように、なんて考えを起こす親なんじゃないか。

子どもは親の価値観を驚くほど受け継ぐ。

被災児童・生徒いじめなんて、親の価値観が大きく影響してはいないか。

最初に被災者いじめがあると聞いた時には驚いた。

私がそういう悪い感情に疎いのだろう。一度だけだが、震災からそうたっていないころ、知人の手伝いで一緒になった初対面の人物が福島ナンバーの車を見かけて毒を吐いたのを聞いて人格を疑ったことがあった程度。


だから実際スクールカーストもあるのかもしれない。だけど、こういう言葉ができることで、よりそれは定着していくのじゃないかと危惧する。

 

私がまだ子どもを持つ前、公園デビューという言葉ができた。
それも、こうやって子どもをこれから持とうとする人を不安にさせた。

ママカーストもあるという。これこれこういう家のママがトップで…と説明される。
そうすると、受け手はそれを意識するようになる。

マウンティング。

(そんなことしてるんだ。ところで私はどのあたり? あのママよりは上かな。)

こうやって、考えてもいなかったことを考えていってしまう、そんな気がする。

 まったくもってくだらない。

だからこういう記事や報道に触れると気分が悪くなる。

実際にあるからといってマイナスの感情を助長するようなことばかり報じていないで、できればもっと気持ちや行動がプラスに働くようなことを取り扱ってほしい。

 

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