連休お楽しみでしょうか! 学生には今日は平日ですね。私も早起きして弁当を作り、息子を送り出しましたよ。
ブリューゲルの「バベルの塔」展は、上野の東京都美術館で7月2日まで開催中。
ふと、プレゼントに応募していたことを土曜日の午後に思い出し、(残念ながらはずれた模様?)ウェブサイトで混雑なしとツイッターを見たので、思い立って出かけました。
3時半ころ入場しましたが、そう混雑して絵を見るのに時間がかかるというほどではありませんでした。
順に15世紀後半から16世紀の作者不詳のキリスト教の彫刻・絵画から、ホラント地方の美術、奇才ヒエロニムス・ボスの油彩『放浪者』『聖クリストフォロス』が見られます。また、そのボスの模倣として作者不詳のたくさんの主に版画を見ることができ、ボスの影響力を感じさせます。
これら版画はサイズも小さく大変細かい描写とその独創的な世界観に驚かされます。時間が許すならじっくり一点一点を見ていたい不可思議な世界に魅了されます。
今回の一番の目玉となる『バベルの塔』のブリューゲルも大いにボスの影響を受けているようで、主に版画を見ることができます。宗教画もそのストーリー性に惹かれますが、これらの奇想天外なモンスターたちは、特に私が中学生の頃はまった奇怪さに合致して、学生受けするんじゃないかしら。愛すべきキャラクターがたくさんいます。
さてメインの『バベルの塔』。私が初めて存在を知ったのがいつかは覚えていませんが、バベルの塔の話とこの絵画のイメージは強く結びついたほど衝撃的でしたが、実物の絵そのものはそう大きくはありません。
それでも、その精密な描写には実物を見て改めて圧倒されます。
また、それまでにもバベルの塔を描いた絵画は多かったそうですが、あれほどの壮大さを表したものがなかったようです。ちょっと高めの塔みたいな。
その当時そこまでの大きい視点がなかったのでしょうか。
そういう意味でも画期的だったのではないかと思います。
東京芸術大学COI拠点が作成した3次元コンピューターグラフィックス映像を見ることができます。これまた3DCGですから、塔の上に降りたてたりとすばらしい。描かれた人も動き出します。
『バベルの塔』を最前列で見るには少し並ぶ必要があります。混雑していると待たされるかもしれませんが、こちらの映像で、絵の細かい部分の解説があるので、お時間が許せばそちらをご覧になってから実物で答え合わせをしてみるといいかもしれません。
そう混んでいませんでしたが二時間弱では最後少し急ぎ足になりました。
撮影コーナーにて背比べ。510mくらいあると換算されます。巨大!
↑こんな大きいらしいですよ!
改めて感じたことは、人間は美しいものと同じくらい奇妙でよくわからなかったり、見にくいとされるものにも魅了されるのだということ。
ボスのリバイバルが大変盛んだったことを見てもよくわかります。現代でもアニメなどにも通じる感じ。同様でしょう。
また、キリスト教について詳しいとより楽しめると思います。残念ながら私はそれほどよく知りませんが。
ブリューゲルのバベルの塔が圧巻なのは言うまでもありませんが、ボスの魅力を知れたのは大きな収穫でした。
あと、版画が多くて比較的小さめな上、細密なので、後ろから眺めるというよりは目の前でじっくり見られるよう、混雑を避けたほうがいいですし、小さいので、単眼鏡などがあるとなお楽しめると思います。
息子は連れて行かなかったけれど、中学生以下無料・高校生は一般の半額800円ですし、きっと中高生にはなかなか興味深い内容です。 おすすめ。
公式ウェブサイトのプロジェクトバベルでの東大レゴ部のバベルの塔制作もすんごいです! 重さ90kg!
東京都美術館は、建物も素敵。
地下に降りて入っていく斬新な作りです。
銀の球体には不穏な雨雲が…。バベルの塔の雲のよう。
ここの閉館は普段は早いですが、土曜日だったので、遅くまで開館している国立西洋美術館のカフェで余韻に浸って帰りました。メニューは普通ですが素敵な中庭の眺めに癒されます。
上野は国立博物館や国立科学博物館なども金・土曜日に夜間開館していてよいですね。お仕事帰りに博物館にふらっと立ち寄りたい!
この日はカメラ持参しなかったうえ、電池切れでとても残念ですが、西洋美術館の入り口にある地獄の門などがライトアップしていて、昼間とまた違うかっこよさでした。
夫のガラケーの写真を拝借。もうちょっと高解像度で撮って〜〜。もっと全然かっこよかった。
国立科学博物館の『大英自然史博物館展』もGW期間中は9時までやっている日もありますよ!
国立博物館のイベントも興味津々です。夜の上野公園なかなか素敵でした。