悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

高校生までに、社会の厳しさ・現実を知ってほしい。

『先に生まれただけの僕』というドラマが面白い。

 

私立高校の経営改善のために送り込まれた、教育経験のない校長の話。
人気校にするために、授業を変えたりする改革案をだすが、高三はその改革案からはずしている。受験が迫っているためだが、高三から不公平だと不満が出る。

実際こういう不満って出るだろうか。今までたいして学校に期待もせずにやってきて、今は受験のことで頭がいっぱい。あと数ヶ月、突然授業が変わったところで、受験には関わらない。

そういうドラマの都合的な展開は感じたが、とにかくそれで校長が高三生と対話するところにいろいろ考えさせられた。

 

 

今まで教育現場では、ポジティブなことばかり子どもに話してこなかったのではないか。
逆に進学校だと極端に成績や大学ランクの話ばかりになっていなかったか。
もしくは、何も話してこなかったのではないか。

 

ドラマでは

就職して社会に出れば、こういう理不尽なことはいくらでもある。

もちろんブラック企業に入って自分が深く傷ついたり、命を失う選択をするくらいなら逃げていい。

どういうときに頑張り、どういうときに逃げるのか線引きしろ。

専門学校でスキルを学んでも、現場では役に立たないかもしれないがうまくいかないことは普通のこと。「こんなはずじゃなかった」と安易に思わない。

(偏差値の低い高校にいる)君たちが行ける大学は、決して就職に有利とは言えない、だからこそ、大卒の肩書きでない人間力で戦わなくてはいけない。そのために四年間は無駄にすごすな。

これからの大学の四年間がこの先の人生を決める。

企業の人間から見るとダメなやつはすぐわかる。嘘は見抜かれる。だからこそ、自分たちが経験したこと感じたことを話さなくてはならない。

働いてお金をもらうってことはそう簡単なことじゃない。

将来の自分がイメージできなくてもいい。君達が思いつく仕事なんてたかが知れている。

思い通りの人生なんて絶対ない。壁にぶつかり悩み考えていくことで自信を持っていく。

何もしないやつにはチャンスはやってこない。

 

と現実を突きつける。

 

高卒で就職ならもう目の前のこと、大学を出るまでにもあと四年しかない。

小学校から高校まで、目の前のテストの成績や行ける学校、内申点、部活、校則のことだけしかない世界で過ごしていないか。

なんでも平等、指示待ちで、校則や先生の指示から外れさえしなければ、何も考えなくてもいろいろお膳立てされて一人前にやっているかのように思える学校生活。

 

高校を卒業してそれぞれの道に進めば、自分で動いたり、勝ち取ったりしなければ何も得られない社会に放り出される。
もっとも今の大学は、学校側も高校の延長のように目をかけてくれるところもあるらしいが。

 

放り出されて、

なんでこんな勉強しなくちゃいけないの。

就活をどうしていいかわからないで、とりあえず片っ端から受けてみるけど落ちてばかり。

仕事をしてみたら、全然やりたい仕事をやらせてもらえない。

などなど、

頭ごなしに叱られる経験の少ない今の子たちは、そんな理不尽に耐える力(決してブラックに耐えろとは言っていない)もスルーする力も身につけさせてもらえないまま、丸腰で社会に出される気がする。

 

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社会に出て働くことじゃなくても、情報も得ず考えなかったために簡単につらい場所に身を置いてしまい、結果破綻してしまう人は時々いる。
職業選択、結婚、住まい、子どもの数、子どもの環境…

選択はいくらでもあるけれど、たまたま目の前にふってきたものを考えもせず選んでしまう。

情報を得ず(得ようとせず)、考えようともしないで、安易に行き当たりばったりで生きてきたりすると、「こんなはずじゃなかった」と思うことも多いだろう。

 

考えた上での失敗は仕方ないと思う。どんな選択だろうが、成功するとは限らない。

 

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大人はもっと、厳しさを教えてもいいと思う。
親はもちろんだが、できれば親以外の大人からこういう話を聞く機会があるといい。
親の話より子どもにとって説得力があるから。

 

自分のやりたい仕事はなに? 自分探し? 

やって面白そうな仕事=Youtuber、ブロガー? 

小学生ならかわいい。だけど、大学生にもなって、安易にそれを目指すのだとしたら?

そして、ドラマの言葉を借りるなら、

高校生の子どもたちが知っている仕事なんてたかがしれている

だから、親や大人が一緒になって進路を考えるきっかけを与えていく必要があるのだと思う。

 

ところで、思春期の息子も時々びっくりするような反論をしてくる。

「やるべきことをさぼっている」と指摘すると、

「この前はやったよ。」

とか平気で言ってくる。いや、一回やればいいという話ではないよね?


その他、え〜、甘すぎじゃない? と思うこと、多々。

 

でも改めて、社会を知っていてそういうもんだと思って生きている大人の私たちと、いわばまだぬるま湯につかっている子どもとでは、同じ言語では話せないのではないか、と思えてきた。
それで、この対話の部分だけだが息子に見せた。結構感触はよかったようだ。アウトプット下手なので、気の利いたコメントはしていないが、いいね〜と言っていた。

 

社会で働くことに比べれば、やればやっただけ力になる勉強は楽だよね。

言っているつもりだが、暖簾に腕押しな息子に私も本気で悩んでいるのだが。

 

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