目下建築物に興味津々の息子を安藤忠雄展に連れて行きました。
国立新美術館。もう開館して10年なのですね。黒川紀章氏の設計で、一度見てみたいと思っていたのですが、ようやく訪れることができました。やはりその外観が現れると圧倒されます。
中も素晴らしい。夕景に浮かび上がる曲線のシルエット。
中にそびえる円錐を切って逆さにしたような巨大な建造物が印象的。上にはレストランがあります。
光る木材の壁がガラス張りの外壁、コンクリートの柱と相まってすっきりとしつつも個性的。
11月半ばの土曜日夕方に訪れましたが、入場制限をしているほどの人気。
少し待って中へ入ります。
入ってすぐには住宅の展示が、写真のスライドとともにたくさん。
大行列で見るのは大変だが、発注者のコメントがところどころあって面白い。
構造上寒かったり、快適とは言えなかったりするが、そんな声を安藤氏は気にしない。
芸術作品に暮らすとはこういうことか。
光の教会が再現してあった。大きさも本物と同じとか。
予算との闘いの中で生まれた傑作。実物で見られてよかった。
日が短く日没後になってしまい残念だが、ライティングしてあり、十字架が暗闇に浮かび上がる。
外から見るとこんな感じ。
屋内で唯一撮影できるのはここ。直島プロジェクトの模型。壁には映像が流れています。
香川県の直島という瀬戸内海に浮かぶ小さな島。
島はずっと変化し続けていて、私が訪れた頃よりずっとアート作品は増えているようです。
また訪れてみたい。
そこの中核となる地中美術館やホテルなどいくつも手がけています。
住まいはいずれもコンクリートのシンプルさが際立って、ここに置く家具もこだわりたくなるし、だいいちあまりものが多くてはアンバランスになりそう。
実際どんな風に暮らしているのだろうかと興味を持ちました。
寒くて辛そうなのはちょっとと思いましたが、まさにアートにすっぽり包まれる感じ、ちょっと体験してみたい。
頭大仏という、北海道の宗教施設にある大仏も印象的。
会場では作る過程を定点からの撮影でスライド上映していましたが、野っ原にただあった大仏の周りを囲んで隠していくことでその存在価値がぐっと高まっていくのを感じられます。
音声ガイドを聞くと安藤氏の解説があってより一層楽しめます。
本物に触れることで、刺激されるものは多いはず。
展覧会は賑わっていましたがほとんど大人でした。中には建築を生業としているような方々が、同行者と専門的な会話をしたりもしていましたが、建築物は模型も豊富で詳しくないものが見ても十分楽しめます。
息子が子どもの頃から美術館などには時々通っていました。
息子は絵を描いたりはしませんが、見るのは好きなようでとても時間がかかるので、時間のない最近は敢えて閉館時間近くに訪れるようにしています。
時間がなくても行くための苦肉の策です。といっても二時間近くは見ていたのですが…。
閉館間際の方が以外とすいてきたりするのですが、今回ばかりはそうでもありませんでした。
息子はもう少しレトロな建築が好きなようですが、十分刺激はもらったようです。
最近は丸の内の古いビルなんかをあ〜でもないこ〜でもないとコメントして歩いたりします。
また、よく友達と町歩きをするのですが、帰ってくると興奮して写真を見せながら解説します。
好きなものには少しでも興味を広げてもらおうと、できるだけ触れる機会を作りたいと思います。
例えばコルビュジェの国立西洋美術館も、改めて見ればその意匠の素晴らしさがわかったりするのですが、見慣れているものに鈍感な人は多い。
安藤忠雄氏設計の表参道ヒルズもずいぶん行っていませんが、このタイミングでそのハコを見に行ってみようかしら。
もうすぐイルミネーションも始まるようだし…。
平日行ける方は平日をおすすめしますが、混んでいて見るのが大変だったのはsection1くらいで(ウェブサイトに会場の地図も載っています)、あとは広いスペースを気ままに進めるので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
なんと中学生以下は無料なんですね! 羨ましい。