悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

子どもに読書力をつける指南本

たまたま読む機会があって手に取った本。読書についての指南書で、幼児をお持ちの親御さんには読んで損はないかと思います。すぐに読み終えることができるので。

 

読書が学力に大きく影響してくることは想像できるでしょう。
小さい時に本に興味を持たせられれば、その後の勉強へすんなり入っていける気がします。
でも、個人的には親の努力でどの程度導けるのかはよくわかりません。
体を動かすのが好きな子は放っておいても活発に動くように、本を好きな子は読み聞かせなんてしなくても本を読む子も多い気がします。

 

ただ、小学校では本に触れる機会がありますが、就学前は家庭によって差が出ます。

その時期に読書の機会を与えることはやってみてもいいのかなと思いました。

 

『10歳までにどれだけの「読書量」を積んだか』という節で、本格的な勉強はまだ後でもいいと言っています。

幼児や小学校低学年の頃に「勉強」を詰め込んでも、それがずっと将来まで持ち越されるとは限りません。

(中略)

何より懸念するのは、子どもが勉強嫌いになってしまうこと。

 (『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』より引用)

 

小さい頃から塾などで学ばせても、個人差はあるので、順調に上位クラスにいかなければ勉強ができないというコンプレックスを植えつけられるだけでむしろ逆効果の可能性もあるといいます。

確かに子ども時代に親がやらせる大事なことは、子どもの適性を見つめて、子どもの得意に光をあて、本人に「自分はこれが得意」と思わせることなんだと思います。

 

筆者が知っている後伸び力の強い子は、小さい頃から本を読んでいる子で、それは読書によって学力のベースができているからだそう。

 

子どもが本を読まなくなる境目は10歳なのだとか。
他の本以外の刺激に目を向けるようになるころ。今は小学生でスマホを持つ子もいるらしいですし。

それより前に放っておいても本を読む本好きにしようというわけです。

文科省の平成24年度の調査によると、小学生で読書時間が1時間以上の子は6人に1人、30分以上の子は3人に1人と少数派だそう。中学・高校とその割合がへ定期、高校生の約半数は1冊も本を読んでいないとか。

 

ここで統計が紹介されていたので、私もネットで見てみました。

 

平成26年度全国学力・学習状況の調査の結果

◆次の児童生徒ほど,教科の平均正答率が高い傾向が見られる。【児童生徒質問紙】 ○国語,算数・数学に対する関心・意欲・態度が高い
○家庭学習・読書

・学校の授業時間以外での学習時間が長い
・自分で計画立てて勉強をする
・学校の宿題,授業の予習・復習をする
・読書が好き,読書時間が長い,学校や地域の図書館に行く頻度が多い

「平成26年度全国学力・学習状況調査の結果」 より

 

一部抜粋です。

少しずれますが、上記資料で

「普段(月~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,携帯電話やスマートフォンで通話やメール,インターネット をしますか(携帯電話やスマートフォンを使ってゲームをする時間は除く)」

という図表を見ると、これら時間の長さに比例して成績は悪くなっているのがはっきりとわかります。スマホが当たり前の中高生、悩ましいですね。

 

二章では音読について具体的方法が載っています。

日本語了解能力を高めるためには音読が大変効果的であること、あまり集中力のない子にも「一音一音ハッキリ読み」がいいことなどが紹介されています。

実際にこの読み方で子どもの反応が劇的に変わった親子がいます。
音がはっきり聞こえていなかったから長い文章などを聞いていられず先へ先へと落ち着きない態度だったのではないかと、経験者のお母さん談がありました。

 

人は聴く力も見る力もそれぞれ違います。
なるほどと思わされました。

すこしずれますが、うちの子はまぶしさに弱いのですが、かなり私とまぶしさの感覚が違うので驚かされます。
音が聞き取りにくい人はそのことで読み聞かせが耐えられなかったという可能性もあるのかもしれません。

簡単な文字を読むのが困難な子にタブレットを使わせたら勉強がはかどったといったことも聞いたことがありますが、教える側にそういう個別の感じ方の違いを意識することができると効果的なのかもしれません。

 

ある聴覚に関する研究者は、「聴覚が変わると、その人の能力はガラリと大きく変わる。そして必ず、できる頭に変わる」という主旨のことを言っています。「耳が閉ざされていると、脳が活性化しない」というのです。 

 (『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』より引用)

 

中学へ入って古文が苦手になった子に『徒然草』を音読させて成績があがった話は興味深いです。

 

『徒然草』は江戸時代の寺子屋で読まれた音読のテキストだったらしいです。

『徒然草』の音読が効果的だったのは、

『徒然草』にそれ以前の時代に数えきれない教養人たちによって音読されてきた、「音の良い言葉」のエッセンスが詰まっていたからではないでしょうか。

 (『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』より引用)

 

どんな本を読み聞かせればいいのかに筆者は「音の良い本」と答えています。

つまり、美しい日本語で書かれた絵本。「音の良い本」とはどういうものか具体的に紹介されています。

 

また、絵本を読んでと子どもがいうのは、子どもの勉強を親が見てあげるという関係性の相似形だと言っています。

一緒に本を読んだ親子がすんなり勉強にも一緒に取り組むのは想像できます。

 

具体的なおすすめの本を年齢別に紹介しています。

また、3章では読書好きになる環境づくりについて。
たくさん本を置いておく、本は惜しまず買おうとは、わが家でもなるべくそうしてきました。といっても無限ではないので図書館も大活用。

ただ、無理に読ませようとしても読むようにはなりません。

ポイントになるのは、「今、この子の関心は何か」を常に観察していく姿勢です。
知り合いの保育士は、家庭で本を読み聞かせてもらっているかどうかは、すぐにわかると言っていました。「集中力がまったく違う」のだそうです。

 (『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』より引用)

 

最後に自分からどんどん読書する子になる方法という章で終わります。

 

「文学」と「知識」の二本立てで読書をすること、さらに本で興味を持った世界を実際に体験させるために、展覧会や自然・博物館に行くこともおすすめしています。

 

音の良い本、いわゆる親が読ませたい本を子どもが興味を持たない場合は、子どもが読みたがるものでもいい、ただその中に読ませたい本を混ぜておきましょう、という実行しやすい書き方がされています。

読書ノートを作ることも書かれていました。子どもも小学校の時はノートをつけていました。

ところで、ブログで読んだ本をまとめる作業は、読んでは詳細を忘れる私には大変意味があると実感しています。何が書いてあったかをまとめなおすという作業は、改めて自分が何を受け取ったか(このようなノウハウ本なら何が参考になったか)を明確にしてくれます。
書いても忘れることもあるのですが、読み直せるので、アウトプットは結構大事だと思っています。

そういうわけでなかば備忘録になっているかもしれませんが、どなたかのお役に立てれば幸いです。

過去にも読書についての記事を書いています。

 

vt-maguna.hatenablog.com