悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

本番に強いのは、褒めて伸びる子ではない?

4月新学期のバタバタ、今年は私の保護者活動が重なって、毎週末忙しい。
そんな折に仕事で使っているパソコンが不調を訴えた。
治るまでは気が気でなかったがようやく落ち着く。一人で仕事をしていると、こう言う時頼りになる人がいないのが辛かったりする。

一段落して、こんな記事を読んだ。

president.jp

 

褒めて伸ばすブームは息子が小さい頃からあった。ただ、実際には褒めてばかりいられないよ、と思って、随分と叱ってもきた。

同じ親に育てられた妹が、どうも叱らない育児をしているっぽくて、母は私に度々愚痴を漏らしている。末っ子がとてもわがままで、偏食も多いがそれを咎めない。褒めることも多い。

もういい大人に口出しするのもね、と言いつつストレスが溜まっている様だ。

それは余談だが、息子はいろいろできないことが多い。
社会に出てそんなんで大丈夫? と言いたくなる要領の悪さ。マイペースさ。
ただ、その鷹揚とした様子や損得を考えずに動くところが友達から好かれている彼の良さでもある。まさに長所と短所は表裏一体。

親としては、でも見過ごせない。いまだに基本的なことを話し続けている。四月は特に提出物も多く、ストレスも大きい。
中高一貫校に入ってよかったのは、周りにもこういう子に限らず偏りのある子が溢れていること。うちだけじゃないのだと少し気が楽になる。


息子の友達は頑固なマイペース、アウトロー君で、みんながやることをやらない宣言をしたらしい。
「あいつは高等遊民だからね。」と息子はなんだか楽しそう。

はあ。彼のお母さん、結構気を揉んでるんだけどね。

 

世のバランスの良い子を見るにつけ、すごいと感動し、いいなぁ、子育て楽だろうなと憧れる反面、私はこういう変わった子の話を聞くのが大好きだ。

いったい将来何になるんだろう。楽しみ。

 

とはいえ親として、良さを伸ばしてあげたいと思いつつも、社会からあまりはみ出さない様にというバランスを常に意識してきた様な気がする。

 

さて、記事に戻れば、そんな息子は放っておいても叱られることが多い。
小学校二年生から、四年生までは何度か当時の担任から電話で注意された。

だけど、言ってもできないんだもの…。そうして、少しずつ叱る声が大きくなっていく。

わが子が、調子に乗ってふざけやすいタイプや、うっかりミスが多いタイプだと、何かと叱ったり小言を言ったりすることがあるだろう。そういう親が育児本などを読んで「褒めて伸ばさなきゃ」と思って叱るのを我慢すると、ますます野放し状態になる。それでは結局、どこかで親も爆発して、親子間のバトルが過激になるだけだ。

 いまだに何度でも同じ注意をさせてくれる息子。褒めて伸ばさなきゃなんて思っていられなかった。それでも幸いいくつか得意な分野があるので、そこは褒めてきたと思う。

このように土壇場で「逆転できる子」の多くは、「本番に強いタイプ」だ。そして、実を言うとこのタイプは「褒めて伸びる」子ではない。むしろ逆に、いつも親が手を焼き、塾でも何度も同じことを注意されてもなかなか改善されないタイプの子なのだ。

繰り返し叱っているのにまた同じことを繰り返してしまう、その時は反省しているけれど気づいたらどこ吹く風――。問題児ではある。

しかし、長い目で見ると、彼らはどこか肝が据わっていて、タフなメンタリティーの持ち主であることも多いのである。もし、「わが子を褒めたいけれど、つい叱ってしまう」状況にあるとすれば、保護者は気にせず自然体で叱ってもいいと私は考える。

おお、うちの子のことだ。わが子はまさに「本番に強い」タイプであった。
習っていたドラムの発表会でまず認識された。そこそこに仕上げてリハーサルへ。
そこではガーンというほど不甲斐なかったりするのだが、本番では最高の演技をする。

その経験を生かして、我が家では「あんたは本番に強い!」と刷り込んできた。
中学受験もまさにそうだった。

 

普段は不注意が強くてミスが多いし、人に言われたことなどあまり入ってこないので、反省もしないから同じ間違いを繰り返すのだが、いざ本番となったら、集中力が発揮されたのだろうか。初めての受験では時間配分大失敗だったが、その後は順調に実力を出せた。

模試で散々だったから、塾の先生は驚いていたみたいだが、毎回の見直しをすると身についていたので、我が家では本当に本番でどれだけ実力が出せるかの勝負だという認識だった。

 

一方では、難関校に太鼓判を押されていた子が、いくつも不合格になってしまうのを聞いたりもした。

メンタルの強さって大事なんだな、と強く思った中学受験だった。

 

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今の部活もかなり厳しい毒舌の顧問がいて、どちらかというとのんびりやの息子にそぐわない雰囲気なのだが、その厳しさに辞める子が多い中、息子は平然と続けている。

中学受験塾でもそうだった。知らない子ばかり何百人もいて、たくさんの成績別クラスがあり、毎週の様に落ちたり上がったりしている。なかなかハードな塾だった。
息子は語らないが、中には上位常連だったがクラス落ちした子の目の前で教室の扉を閉めてバイバーイなんて嫌味を言う子もいた様だが。
成績が落ちてもなんら勉強に対する態度を変えない息子に、むしろ少しは落ち込むか、闘志を燃やしてよ、とイライラしたものだ。

 

ただ、やはりこの鈍感さも生きていくのに強い武器となる。
超負けず嫌いでなんでもできる子が、あまりに周りを気にしすぎて深く傷ついていたのを見るにつけ。羨ましいと思っていたんだけどな。本人は大変だったろうな。

 

結局長所と短所は一緒なのだな。うまく付き合っていくしかない。

さて、上記記事で自然体で叱ってもいいよと言われて読み進めると、叱り方の3か条が。

(1)他人と比べない。
(2)目の前で起こった出来事だけを注意する。
(3)短時間に叱り、なぜ叱られたかを最後に確認する。

 (2)と(3)があんまりできていない(現在進行形)。
つい、積年の恨み辛みが…。いや、年を経て少しは話している最中に軌道修正できる様にはなってきたが。だいたい5分で話終わるよ、という。

毎度毎度同じことを言わされるのは、やっぱり疲れるのだ。言い訳はダメって子どもに言っているのに。

(3)で書いてある様に、小さい頃は何が悪いのかあまりわかっていなかった模様。語彙力も興味関心もどちらかというとませていた息子だが、基本的なことは幼稚だった様に思う。いっぱしに喋れるだけに、つい行動でもきちんとするよう求めてしまいがちだったかもしれない。

今はそれでもどちらかと言うとビジネスライクに

「何がいけなかったか、何をどうすればいいか。」

という話をさせて締める様にはなってきた。

 

もうそろそろ辞めたいのだが、たぶんしばらくは無理なんだろうな。

だから、叱られてもどこ吹く風のお調子者タイプだからといって悲観する必要はない。タフなメンタリティーの持ち主であること自体が貴重なのだ。その「才能」を認めてあげて、必要なときにはしっかり叱ってほしい。

 慰められた記事だった。

 

褒めて育てることとは違う観点の話となったが、子どもによっていい接し方なんて違うのだと再認識した。褒めてばかりいたらうちは木に登るだけだ。