悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

学校は偏差値で選ぶものではない〜中学・高校・大学

気づけば二ヶ月ほど記事を書かなかった。学校関係の仕事が重なってそちらに神経を使っていたので、記事作成のために時間を作るのをやめた。
そこまで忙しいのもどうかと思うが、やはり、他の保護者と時間を共にすることは、子どもの学校について多くを知る貴重な機会でもある。
記事更新がなくても中学受験についての検索で来られる方が一定数いらっしゃるので、少しそちら関係について。

先日今年入学した新入生のお母さんと少しだけお話しすることがあった。

何人かと話したが、いずれも学校が楽しい楽しいと言っていて、ひとまず安心されていたようだ。
確かに、学校が楽しいという子の割合がとても高い学校だと思う。

勉強に熱心な子、スポーツに打ち込んでいる子、課外活動に熱心な子、ゲームばかりやっている帰宅部の子。色々な子がいるが、いずれも楽しいというのは、どんな子にも居場所がある雰囲気が、楽しいと感じさせるのかもしれない。

ただ、いずれもみなさん受験まではそれなりに勉強漬けの受験生生活をしていたのだが、入学後勉強をしないことに驚いていた。

私もずっと書いてきたが、小学生の時はなんだったの?と思うくらい勉強をしない。テスト前の一夜漬けばかり。もちろん高校に入ると塾へ行く子が増えるので、それなりに自習している子も多いのだろうが、それでも熱心とは言えない子が多い。先日の期末試験中の週末も、「うちは寝てる〜」「何もしないでW杯サッカーをオンタイムでみてる」なんて声も聞くと大差ないなと。

 

そこで、新入生のとあるお母さんが、真面目な表情で、「進学校だと思って入れたのに一体どういうこと?」と言った質問を投げかけてきた。
その方のお話では何回も「進学校」という言葉が出てきて、一般的なこの学校のイメージというのはまだまだ「進学校」でしかないのかな、と思った。

 

時々、偏差値や進学実績だけで学校を考えているのかなと思われる意見をネットなどでも目にする。
そもそもの進学の基準が進学のためなのだろうか。
確かに公立の小学校や中学校は近所だからというだけで通わせるシステムなので、学校の違いで親が注目しがちなのは、どんな対策をしてくれるのか、補習は手厚いのか、といったことになりがちだ。

 

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私も初めて中高一貫校の進学フェアに出かけた時、なんの情報もないまま学校別のブースに腰掛けた時に何を聞いたかと言えば、受験対策や塾へ通っている子の割合などだった。

それが大事な要素の一つではあるけれども、一番大事なものではない。

 

学校を何回かいくつか巡ってみて感じることは、学校によりかなり雰囲気は違うということ。
我が家の場合は小学校も公立だが選べたので、公立小学校でさえ、雰囲気は大きく違っていた。

自分の子がそこに通うことがイメージできるか、どんな生活をしているだろうか、そういうことを思い描けるのがいいのじゃないか。

私の場合は、息子が少し個性的であったため、幼稚園に通っているときにその後に不安を持ったのがきっかけで、割と学校の違いは敏感になっていたと思う。
実際息子が通った学校はとても息子にはあっていたが、他の学校だったら同じではなかったと思う。

どこへ行ってもそつなくこなす子であれば、親はさほど心配する必要はない。
それでも中学校や高校は、部活もあるし、一番人生に影響を与えるような重要な時期。その時にどんな価値観に包まれて生活するかは、その子の人となりに大きく影響すると思う。

 

入学時から卒業時までに大きく実力を伸ばしている学校がある。
うちは、行ってみなくても合わなそう、と思って志望校から外したが、そこに知人の子が通った。

トップからビリまで成績を公表するその学校では、中学で退学する子も珍しくないという。

 

是非についていうつもりはない。私自身は自分の高校はまさに、ガリガリ勉強させるところを選んで、そのおかげで現役で大学へ行けたし、自分のキャラにあった自由な高校へ行っていたら、人生はまた大きく違っていたと思うので。 

ただ、私も自分と学校のギャップにかなり悩んだが、その学友でさえ蹴落とす対象かのような環境で合わなくて退学してしまうのは残念だ。

 

真剣に「進学校」を連呼したお母さんは、こういう学校がお望みだったのではないか。本人はどうだろう。
「夏休みの課題はどれくらいあるんですか?」と気にされていた。
それなりにやりごたえのありそうなレポートなんかは出るが、目に見えた受験対策的なものはそう多くない。きっとたんまり出してくる学校からすれば、驚くほど少ないかもしれない。
入学直後の連休に「山のような宿題を泣きながらやってたよ〜」と、知人の子(上とは別の学校へ行っている子)のお母さんから聞いたことがある。多くの上位校はそうなんだと思う。

良くも悪くも自由な息子の学校は、その辺の匙加減も含めて個人に任されている。だからこそ、真面目にやっている子だって塾でトップクラスをとっている子だっているのだ。
やはり、強制的な課題の少ない中で、本人や保護者が積極的にどうすべきかを考えて動くことが望まれる。

「学校がやってくれないせいで、我が子が勉強しない」という考え方は、自ら学校を吟味し選んで通わせる中学受験をさせた保護者からはそこまで出てこない。
もちろん小さな愚痴や要望はあるけれど。
受験対策への手厚いフォローを期待するなら偏差値を下げてでも他の学校へ行かせるだろう。

 

そのお母さんのお子さんがどうなのかはわからない。
流されてだらけているだけなのか、学校生活を堪能しているのか。

最近何についても考えるのは、なんでそうなのか、ということ。
そう考えることで見えてくることはある。
なんでこの学校はこういう自主性を徹底させているのか。確かに入学時同レベルで、勉強中心の生活をさせていたらもっともっと進学実績は上がるかもしれない。

 

そして、これから求められる人材を考えれば、知識を詰め込んでいればいいわけではない。

dot.asahi.com

 

そうは言っても、大学がよければ就活は有利と思われるかもしれない。
でも、大学のレベル(偏差値)に大きく差がある場合はそうかもしれないが、例えば、第一志望校か、第四志望校か程度の差であれば、本来のその子が持っている経験値の方が大きいかもしれない。
それに新卒で入った会社にずっとい続けるかどうか、その辺もどんどん変わっていくように思う。入社後もバージョンアップし、自分のやりたいことのために動けるかどうか、そういうものの一つに中高での経験も大きいのじゃないかと改めて思う。

やはり先のお母さんには言いたい。せっかくこの学校に入ったのだから、まずこの学校の良さを堪能してほしい。

 

二つの意味で偏差値で選ぶものじゃない、というまとめになる。

偏差値だけで選んだら、自分の求める学校ではない可能性がある。よく校風をみて選んだ方がいい。

一方偏差値が高い=今後生きていくのに必ずしも有利とは限らない。

 

偏差値とは、単に志望校を決めた後、自分がそこに入れるかどうかの指針に過ぎない。

 

ただ、難関校を目指そうとすることを否定するわけではない。
難関校に無理して入って「深海魚」になるより、レベルを落としてトップにいた方がいいという考えも時々耳にするが、それは人による。
頑張って這い上がった、そのおかげで受験が楽になった、という人もいる。
私自身も嫌な学校と思いつつ、高校時代に偏差値を20近くあげた。

 

結局、本人が高校・大学・そのさきの進路をどう考えるか、その進路にあった選択をすべし。それを考えず、周囲の評価や偏差値だけに頼って選ぶのは勿体無いという、これに尽きる。

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