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幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

大学入試共通テストに向けて、使える英語を身につける3〜共通テストまとめと英語勉強法

先日某塾の大学入試共通テストの講演会を聞いてきた。

共通テストについての情報は、とりたてて新しいものはないが、後半英語講師による受験に向けた英語の取り組み方の講座が役に立ったので、そちらを中心に簡単にまとめてみる。

大学入試共通テストのポイント

マークシート式問題の見直し

今まで問われてきた「知識・技能」の他に「思考力・判断力・表現力」を評価する。

・複数の資料から情報を整理して判断させる

・日常生活と学んだ内容を結びつける問題設定

・出題形式の見直し(すべて選択/解なしの選択肢など)←より深い理解がないと正解できない

 

3つ目のようにマークシート式でも以前より難しい問題設定になっている

 
記述式問題の導入

・数学Ⅰでマーク式の他に小問3問を出題

・国語総合でマークシート式とは別の大問で出題

 
英語4技能評価の導入

・従来の筆記(リーディング)(200点配点)とリスニング(50点配点)から、筆記とリスニングを均等配点とし、さらに読む・聞く・書く・話すの4技能評価の観点から資格・検定試験を活用

 

現段階では、

・出願資格としてCEFRA2以上またはA1以上を利用する大学

・点数化して共通テストに加点する大学、

・出願資格および点数化して加点する大学

・共通テストの英語に置き換え(満点とみなすまたは共通テストと比較して高得点を利用)

・利用しない

など、大学により利用状況は違っている。

 
高1の資格・検定試験の活用アンケート

7割以上の高1生が英語資格・検定試験を受検し、その8割が英検を受けている。

 
現在の英語資格・検定試験を利用する大学数

一般入試では国公立大学で1割程度、私立大学では4割程度が利用している。

少しずつ増えつつある。

 
共通テストまとめ

各大学の最新情報のまとめ資料も興味深かった。主体性等の評価というのが主に私立大にあるのが気になったが、多くは合否判定には利用しないと書いてあるので、どういう意味があるのだろうか。

 

共通テストでは、知識・技能に加えて「思考力・判断力・表現力」を問われることになる。

記述式やより深い理解の必要な選択式などで、丸暗記ではない多角的な視点や掘り下げようとする意欲なども必要になるように思えた。

さらにインプットだけでなく、アウトプットする必要性がかなり増えるように思う。

 

受験生や受験を控えた高校生だけでなく、小さい時からの社会や学問への興味関心や自ら表現する経験などが必要になる。それこそ、18年間の積み重ねであり、2、3年の付け焼き刃ではそれらに太刀打ちできないように思う。

 

高校生が大学入試にむけて必要なこと

志望学部・大学を決めること、情報収集、「思考力・判断力・表現力」を伸ばすことを意識した学習が必要とされる。

進路をどう捉え、どう考えるのか

 

共通テストに向けての英語勉強法

リーディングでは1000ワード以上増加するそうで、ますます読み切るのが大変になる。内容のレベルは変わらない。

リスニングの配点が全体の半分と大きくふえ、問題は一回しか流されない。

内容一致ではなく、類推して答える判断力が必要。

 

民間資格・検定試験について

講師の方のざっくりとした印象を。

◯英検 

ほとんどの高校生が受験。筆記のウェイトが減ってきた。

準1と2級のレベルにはかなり開きがあるが、準1も昔より軟化しているので、高校生でも受けられるレベルに。

◯ケンブリッジ英検

しっかり練られた問題。2日かけて4技能を図る。

英検同様資格に起源はないので、一度取れば一生の資格となる。

◯TEAP

英検から派生。汎用性がない。リーディングはやさしい。

要約・エッセイライティングがある。

リスニングは難しい。

英語が得意だったら、試験免除ではなく、一般受験した方が良い。

↓参考までにTEAPの点数の目安

TEAPスコア一覧:志望大学は何点取ればいい?|英ナビ!

 

英語が得意だったら一般受験した方がいいというのはどういうことか。講演では詳しく聞けなかったので調べて見た。

上智大学の入試にはTEAP利用型というのがある。

www.stepnet.co.jp

↑上智大学のページよりこちらのページがわかりやすかったので引用。

注目すべきは、出願に必要なスコアさえ取れれば、スコアそのものが入試に反映されない点。つまり、文系なら国社勝負に、理系なら数理勝負に持ち込めるということです。英語を得点源にしづらい生徒にとっては、もってこいの受験です。

上智大学のTEAP利用型入試では、事前に受けたTEAPの点数で出願資格となるが、当日の合否には英語やTEAPのスコアが関係なくなるというわけで、上の引用によれば、文系なら国語と社会だけで合否が決まるということ。むしろ英語以外の教科で勝負したい人に向いていることになる。

 

ただし、上智大学は2021年度入試からTEAPを出願資格ではなく、得点換算利用に変更するとアナウンスされている。

プレスリリース | ニュース | 上智大学 Sophia University

 

◯GTEC

添削が雑。
スピーキングテストがずさん。

benesse.jp

周りで一斉に取り組むので、他の人の回答の声が聞こえるらしい。

集中してできないし、時間差も生じたりしてあまり参考にならないような。

まあ、学校で受けるもの、という立ち位置か。

 

◯TOEIC

ビジネス用で、韓国と日本の企業が使うもの。

受験に向けて受ける必要なし。

 

◯TOEFL

アメリカ留学用。語彙レベルが専門的なので、一般の勉強では太刀打ちできない。

 

◯IELTS

TOEFLと同様。

 

◯資格・検定試験まとめ 

資格・検定試験の導入など、試験制度に振り回された勉強をしないこと。
正しい学習法を実践して、結果試験を突破できる力がつくことが大事。

 資格・検定試験は、聞かれるであろうテーマを準備しておけば対策はできてしまうもの。点数を取るための対策はいくらでもあるが、スコアがあるから喋れるというわけではない。

小手先のテクニックではなく、基本を積み上げていくのが大事。 

4技能の勉強法

以下、講演で聞いた話に補足を加えている。

音を無視した勉強をしないとして、特にリスニングや音読の大切さを主張。

◯リスニング・音読

聞く量が圧倒的に少ない。耳で聞かないから発音・アクセントができない

音読をして、音の脱落やリエゾンに気づいていくこと。それができないと、スピードが追いつかない。

↓脱落について参照。これらの音の変化を知らないと、聴いた音がどういう単語なのかわからない。私も経験があるが、ディクテーションなどの時に厳しい。

english-columns.weblio.jp

ディクテーションについてはこちら↓

eikaiwa.dmm.com

 

ここでも、

発音のルールを知らなければ100回聴いてもその音を完璧に聴き取ることはできません。

 と書いてある。この記事では脱落には触れていないが、脱落なども発音のルールの1つ。

 

音源の速さで聞き取れて理解できれば、英文を語順通りに理解できる。

すなわち、大量の文を早く理解できる(リーディング)

 

音源だけで一言一句聞き取れ、理解できるように。

 ↓

テキストを見ずにそらんじて言えればなおいい。

英語のテキストなどを50回読めばそらんじて言えるだろう。

50回…

↓前の記事でも新聞の音声を10回は聞こうと書いてあったが、

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

50回!

例えば学校で使っているテキストでも良い。これだけ音読しておけば、確かに重要フレーズなど自然と出てくるようになるだろう。 

センテンスのインプットができるとスピーキングにとても役立つ。

音読は英語を感覚的に理解することができる。

 

◯文法

英語の仕組みを理解する。

遅くとも高2のうちに。外国語は母国語と違い、分析できないとダメ。
今は文法を軽んじる風潮もあるが、スピーキングに力を入れ、文法の比重を弱めた学校が読解力を落としているという。

 

◯リーディング

精読を極める

学校のテキストなど。予習はした方がいい。授業中を有効にするために。

復習は音読をきちんとやるべし

あやふやなことがないようにしておく。

長期休暇などにグレーディッドリーダーなどを活用。

薄いが読み終えると自信になる。実力より少し簡単なものが良い。

 

グレーディッドリーダーとは、レベル別になっている洋書のこと。

自分に合ったレベルを選ぶと良い。

下記のメーカーのサイトにはレベル対応表が出ている。高校生ならlevel3〜5くらいか。

https://www.pearson.co.jp/catalog/pearsons-graded-readers.php?lang=ja

 


Penguin Readers: Level 2 ROBIN HOOD (MP3 PACK) (Penguin Readers (Graded Readers))
 

amazonでもpenguin readersの本が買える。

 

Graded Readers | English Language Teaching and Learning | Oxford University Press

 

◯ライティング

文法がわかってから取り組む。
日常的に鍛えるためには英語で日記を書くなど、書く機会を増やすように。

日記は何行でも良い。やっているうちに、文法など他のものと有機的につながってできるようになる。

◯スピーキング

上記のことができればスピーキングはできるようになる。

 

 英語勉強法まとめ

今の英検ではリスニングの比率が高くなってきた。

www.eiken.or.jp

リーディング、リスニング、ライティングが同じ配分。
そのため、より一層聞き取れる能力が重要になってくる。

それに合わせて、聞いて発音できるところからリーディングなどに繋げる音読の重要性を時間をかけて説明されていた。 

 

また、検定試験導入などに惑わされずにしっかりと英語の力をつけることを目標にするのはもちろんだが、一方で出願するだけで、英語の試験がなくなる→英語以外の強みがある人に有利か? といった、各大学の試験方法を理解することも戦略の1つとしては大きなポイントとなる。

まずは高2くらいまではじっくり英語力を鍛え、高3になって希望の大学でどのような入試があるのかをしっかり理解する必要がある。

推薦・AOなどもあり、入試はかなり複雑化しているが、推薦・AOありきで受験勉強を考えないことも言っていた。一般入試から逃げたいという思いで推薦等を狙うと、万一うまくいかなかった場合に取り返しがつかない。

 

英語に限らず、何が自分の武器になるか明確になるくらいまずは勉強に向き合うところからだと思う。

 

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