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悩める子育て

過ぎてみたらたいしたことなかったいろいろ

これからの社会を担う若者への指標〜『君たちが知っておくべきこと』

子どもが世界を広げるのに、親の導きの影響は大きい。
自分の知らない世界がたくさんあることをまず知ってほしいと思っているし、息子自身も知りたいと思って読書に勤しんでいる。
親である私がさほど与えられる知識がないので本に頼ることになる。

 

本屋で見かけた時にぜひ読ませたいと思って購入した。
佐藤優氏が灘高生の質問に答える会話形式で、大きく分けて、

  • 真のエリートになるために
  • 戦争はいつ起きるのか
  • 僕たちはナショナリズムから逃れられない

という三回に渡る対話について掲載されている。

 

どれもそれぞれ興味深く参考になった。

一回目の印象深いところは、真のエリートに対して、日本のエリートは後進国型であるとか、アメリカとヨーロッパの教養の違いとか、反知性主義について。

それから「思考の鋳型」にはめられてしまい、価値観が固定化してしまうと、カルトにはまったり、東大だったらどこでもいいなんてことになったりする。

「一番病」になって社会に出ても<永遠の椅子取りゲーム>みたいになってしまいがちである。
そうならないためにそれぞれ得意なことがあると棲み分けできるようになるとよい。そのためにいろんな知識を総合しなくてはいけないということ。

 

二回目では、日本教育の弱点についてや、ウクライナ紛争のことについて歴史的背景、宗教的背景に言及されていること、論理力について、理系エリートの時代と言われているが、統治エリートは文系・人文系であること、教養についてなど盛りだくさん。

一回目に続いて言われているが、受験勉強を軽く見ない。それで得た知識を一生維持すること。一番納得したのは、「系統的に本を読む」こと。

これは、三回目でも伝えているが、様々な世界を鳥瞰するために自分と関係ないと思われるものも取り入れていくということ、さらに物事を突き放して見るということ。
この辺は必要だと思う。主観だけで鋳型にはまるのではなく、冷静に上から見下ろせるようになるような本の読み方、選び方をするということ。
私も日頃少し気になっている。「そうだよね、そうそう!」だけでなく、「そういう考えもありか」と世界を広げる必要性。

 

三回目では他にも日本の大学の実学重視に偏りすぎなところ、教養の比重が低いところを問題として指摘しているのと、教養は人から人へ伝わるので、自分の恩師と思えるような人に会えるといいということ。

さらに国際情勢。アメリカの大学事情、語学複数習得についてなど、日本を引っ張っていく人々が知っているべきことは膨大にあると実感させられる。

 

エリートとは無縁の世界に暮らしているので、知らないこと、エリートには当たり前のことがたくさん紹介されていて、大変有用だった(何がわからないのかを知る意味で)。大人が読んでも面白い。

息子は政治や国際情勢、言語学、宗教(キリスト教)、法律などにも興味があるようなので、そういったあらゆる参考図書の一覧としても本書はいい手引きになると思う。
読みながらワクワクして、少しだけ息子にチラ見せしてしまった。

海外大学だけでなく、東大などの学部の実態なんかについても触れられていて、それこそ「学部はどこでもいい!」なんていう乱暴でない大学選びの参考にもなろう。

 

佐藤氏の書籍は読んだことがなく、新聞のコラムをたまに読む程度だったが、たくさんの物の見方を示しつつ、「教養を身につけ、鳥瞰しろ」という姿勢は、若者に対して必要なメッセージだと思った。また、自ら佐藤氏をたずねたいとやってくる灘高生の問題意識の高さや知識の深さにも脱帽した。
当たり前のように佐藤氏が繰り出す問いかけに、少なくとも語彙では対等に話を受けていて、驚く箇所が多かった。
たしかに佐藤氏があとがきで触れているように、日本の将来に少し安心した。この素晴らしい若きエリート達が腐っていかないよう見守ってほしい。
同時に若者達には反知性主義に負けずに教養を身につけ、真のエリートになってほしいと思った。

 

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