悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

本質を見ないで、体裁ばかりこだわるという残念

息子の友達の保護者たちと選択授業の話をしていて、

「この選択だとテストが楽らしい。」

「高い評定が苦労せずにもらえる。」

そんな話を聞いて、じんわり違和感を持っていたのだが。
もちろん、受験に必要なものも承知の上のプラスアルファの話として

 

改めて考えると、高校生で学校の評定って、どうでもよくないか?

ってこと。赤点じゃなければね。

もちろん、いいに越したことはないのか…な? もうそこから疑問。

 

中学生みたいに内申が大事なわけではないし、推薦を狙っているわけでもない。

その人はよくそういう物言いをします。

レポートを誰と組むか、

「いい成績のために、その教科が得意な子と組む。」

そういう息子が賢い、と思っているよう。

 

でもおんぶに抱っこでレポートをその友達に頼って、わからないことは任せてやるとしたら、

確かに成績はいいものを貰えるけれど、本人の力になっているの?

 

そう思ってずっと漠然としていた違和感について腑に落ちた。

 

英語の宿題もそうだった。
スピーチを和訳する。結構訳しがいがある。知らないフレーズが多い。

うちは、自力でやらせた。

だけど、その親子はネットで和訳を探してそれを写して、すぐできてよかったという。
全文があったわけではないが。

英作文も同様で、自分で考えずに翻訳サイトで先に翻訳させてから体裁を整える。

いや、多少頭を悩ませ、自分の力不足を実感させることにこの宿題の意味があるのじゃないの? それをしないとしたら、これはただの作業じゃないの?

 

 

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どうやらせるかについて他の保護者と論議する気はない。

成績にこだわるなら、とりあえず勉強は頑張るというのなら、それなりに力もつく。

ただ、私は今までも勉強を教えている子に答えを写すくらいならやらなくていい、できないこと、やっていないことすべて引き受けて対策を考えると言ってきました。
私が成績をつけるわけじゃないんだから、と付け加えて。

 

個人的に教えていると、写してきたか、自力でやったかはすぐわかる。

この単語書けないだろうな〜と思って出したのにさらっと書いてある。いっつも間違えるポイントが一つも間違っていない。この問題のできていたらかなりできていると思われる難しいポイントがさらっとできる。

勉強をやっていない本人は、自分が何がどの程度できているかいないかを私よりもずっとわかっていない。だから、ちょっと難しいと思われるものでもさらっと書き写す。

もったいない、と思う。

まあ、私はうるさく写すな、わかるから、と言うので、カンニングを続ける子はいないのだが。

 

受験に向けた勉強って、自分の苦手を知ることなのじゃないか。
ああ、これがこんなに訳せない、こんなに英作文ができない、そう思えばしめたものじゃないのか。

 

そういえば、自分が学生の頃、ある授業で仏文を訳すというテストがあった。
それは今までの授業でやったものとはなんら関係ないもので、辞書持ち込み可だった。

準備がいらないから楽だと思ったが、その時はなぜそんな試験を先生が課すのか考えもしなかった。

ただ、そういえばそのとき、よく知らない男子が近くにやってきて、隣に座っていいかと聞いたのを覚えている。

結構勉強しているよね、と私の使い込んだ仏和辞典を見て言った。

かなりラフなテストだったので、自由な座席で適当に書いて出せばいいということで、すぐ隣に座って私の答案を覗き込もうという魂胆だったろうか。

私はもちろん進んで見せてあげたりなんかしなかったけど、もちろんよく知らない彼に、

「そんなことをして単位をとってもためにならないよ」

なんてアドバイスもしないし、ムキになって隠しもしなかった。

 

結局先生は、当然身につけているべきある程度のレベルのフランス語の能力を測りたかったのだろう。
当時のお気楽大学生たちは、出席だけして寝ていて、テスト前にノートをコピーして丸暗記して臨めばいいと思っていた。私だって多くは例外ではない。
講義について不満はいろいろあれど、今はその時の自分を残念に思う。

 

でも私は昔から

「ここが出るからここを覚えてさえいればいいよ」

という定期テストが嫌いだった。なんかバカっぽくて。

だからというわけではないが、定期テストはあまりやる気にならずに内申点は悪かったなぁ。

今ならその範囲をきちんと学んで自分のものにしろ、と言えるのだが、当時はどうせ忘れちゃうのに頑張ってやってちょっといい成績だってそれは実力とは言えない、なんて思っていた(中二病的言い訳か。)

 

大学院へ進むわけでもなければ、フランス語ができないままでも卒業後もなんら困らない。
だからなおさら勉強することに意味は見出せないが、せっかく勉強する機会を得たものにもう少し向き合ってもいいのじゃないか。

 

点数がつくかつかないか、進学や就職に有利か否か、それだけで生きているとしたらつまらなくないか。

 

そんなわけで、テスト前に一夜漬けで単語などを丸暗記している息子を非難してしまうのだ。
どうせ1日で覚えたものなんてすぐ忘れる。

テスト前しか勉強にやる気を出さないので、その時に限ってこんなやり方じゃダメだとか口を挟んでしまう。

やめなきゃと思うのだけど、つい言いたくなってしまう。

 

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