悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

新たな大学入学希望者学力評価テストについて

センター試験が2021年から変わる。
そのことについて某塾の説明会に行ってきました。

 

詳細については他に譲るとして、私の感想を。

最初このことを聞いたのは何年か前ですが、あまり深く考えたことはありませんでした。ああ、アクティブラーニングとかいう言葉もだいぶ定着してきているしといった程度。

 

ここで従来のセンター試験が教科書レベルの理解を問うものであるのに対し、新テストでは思考力・判断力・表現力などをも問う問題にする、と現時点では考えられているようです。

 

そうすると、各大学独自の二次試験では、今まで思考力などを二次試験ではかっていた学校が、例えば面接をして選ぶということも考えられます。

志望動機とか、自分がなにをしてきたか、など。

 

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そういえば、数年前、「全力教室」という番組で茂木健一郎氏が東大生に話す回がありました。

numbers2007.blog123.fc2.com

 

そのときには、私は半々の理解。
茂木さんの言いたいこともわかる。高校生で研究してそれが社会貢献につながっている人の話はすごい。
けれども東大生のがんばったら入れる公平性もわかる。といった具合。

 

でも、いま息子の学校の友達を見ていると、また感想は違うものになってきました。
息子の友達にはとても要領よくそれこそ「受験テクニックを駆使して成績をあげる」ような優秀な子がいます。ただ、彼は自ら興味をもって学問的なものを追求したりはしない。一方、読書家で受験に直接つながらないようなアカデミックなものに興味があって勉強しているような子も何人もいます。
また、自ら考えて積極的に行動するリーダーシップのある子、社会貢献に高い関心を持っている子など、すごい子がたくさんいます。
科学オリンピックなどで活躍するお子さんも苦手教科が足を引っ張ったりします。
そういう子が必ずしも順位トップクラスというわけではありません。


勉強は努力の前にまず才能です。
生まれながらに足が速い子にはかなわないのと一緒で、暗記が得意なのも補助線がひけるのも、労せずできるのはたまたま持っていた才能が大きい。
もちろん努力を積み重ねられるのが勉強ですが、何事もトップクラスになると誰でもそれなりに努力はするわけですから、結局上位レベルの中で超えられない壁のようなものもある。

全力教室でも「東大を受けたのは、ネームバリューがほしかったから」と言っているのを聞くとちょっと残念な気がします。「最高峰でこういうことが学びたい。周りから刺激を得たい」といったものではない、まるでゲームをコンプリートしたいだけ、のような。そういうペーパーテストが得意な人だけが真のエリートであるとは思えなくなってきました。

これからの時代、どんどん単純な計算や知識を呼び出すことはコンピューターに取って代わられていきます。
知識が豊富にあるということは、なにかをするにあたって選択肢をたくさん持っているという意味で価値はあるのですが、これからは必ずしもそれが最重要視されなくなってくるのではないかと思うのです。

塾の説明会でも「大学は勉強するところではない、研究するところだ」という話がありました。
勉強とはすでに知られていることを学ぶこと、研究とはまだわからないものを探求していくこと、のような説明があって、なるほどなと思いました。

そうすると、先ほどのいろいろな子の中でも、アカデミックな学問に興味を持つ子の方が大学の研究には向いているとも言えますし、社会に出れば、リーダーシップのある子の方が重宝されます。

 

東大のアドミッション・ポリシーには次のように書いてあります。

このような使命のもとで本学が目指すのは,自国の歴史や文化に深い理解を示すとともに,国際的な広い視野を持ち,高度な専門知識を基盤に,問題を発見し,解決する意欲と能力を備え,市民としての公共的な責任を引き受けながら,強靭な開拓者精神を発揮して,自ら考え,行動できる人材の育成です。

 

これを本当に満たす学生を募集するとしたら、ペーパーテストだけでは不十分と言えます。もちろん、ペーパーテストでも、そのような学生は賢い学生に多そうですから混じっているとは言えますが、それだけでそういった学生を積極的に募集するというのは難しいのかと。

 

東大の推薦入試

今年度入試から東大は推薦入試を取り入れました。少し話題になって知ってはいましたが、改めて調べてみました。


東京大学推薦入試についてのFAQより

◎なぜ推薦入試を導入するのか

本学では、多様な学生構成を実現し、そのことによって学部教育の更 なる活性化を進めることを目標としています。 現行の後期日程試験も前期日程試験とは異なるタイプの学生、具体的 には「学問を俯瞰的にとらえることができる学生の確保」を目指して設 計されたものですが、現在の後期日程試験で実現できているよりも更に 多様な学生構成を実現するため、現行の後期日程試験の後継として、書 類選考及び面接等に大学入試センター試験の結果を組み合わせた方法で 実施する本推薦入試を導入することを決定しました。 選抜に当たっては、受験対策を超えた多様な取組を教育の一環として 行う高等学校等が近年増え続けていることを視野に入れ、その成果を適 切に評価していきたいと考えています。

また、

◎推薦入試は、従来のペーパーテストによる一般入試のような公平性を 保てますか?

現在の一般入試が「公平性」の面で高い評価を得ていることは確かで すが、一方で、学力試験の訓練に習熟した者が有利になる結果、アドミ ッション・ポリシーに掲げる「期待する学生像」に合致した、ペーパー テストでは評価しにくい優れた能力を持つ学生の確保という面では、改 善の余地があります。 今回導入する推薦入試は、ペーパーテストの点数を主として評価する という従来の入試システムとは異なる尺度で選抜を行うこととなります が、受験生間の公平性に充分配慮した選抜を行うことについては変わり がありません。 

引用中の太字は私がつけました。 

 

東大生へのインタビューなどで、「推薦は不公平。必要ない。」という意見も少なからずあったようですが、実際の推薦の条件はとても厳しく、これが当てはまる子なら受験して受かるのじゃないか、と思えるものです。

 

AO入試で入学した学生の方が優秀?

www.j-cast.com

 

あまりよく知らなかったAO入試についてもこんな記事が載っていました。

この記事だけで判断はできないと思うのですが、もし、AOや推薦入試の学生の方が大学での成績がよいのだとしたら、大学側がそのように熱心に勉学に励む学生を撮りたいと思うのは当然ですね。

 

一定レベルの学力テストを突破した上での、大学での研究などにつながるような実績を残した人が選ばれるべきだと思うのですが、このような現状だと、近い将来に大学入試対策もいまとは変わってくるのだろうな、と思えました。

 

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