悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

成人したらしたで悩みは尽きないらしい

成人した子はどうしたって本人の自由で動く

友達の子ども。20歳になって、遠距離の恋人の元へ行くことにしたらしい。
彼は向こうで定職についているから、友達の子がそちらへ行くのだけれど。
二人の付き合いは長くはない。

それで、友達はとりあえず二人で自立してやっていくのならと、同棲自体は認めていたらしいのですが、なんと彼の実家に居候状態なのだそう。向こうの親御さんも、どういうつもりなのか。その彼もどうなのか。

友達は反対をしたのだけれど、子どもたちは結局強行してしまった。一応年内に仕事を見つけて二人だけで済むことを約束してできなければこちらに帰ってきなさいと話したらしいです。

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思春期が言うことを聞かないと言ったって、結局お金を出して育てるのは保護者ですから、最後の最後では引きとめられるけれども、自立したらすでに法律的にも結婚できる年齢の子どもに親の思うようにしてもらうことは不可能だし、逆にそれはそれで不健全な気がします。

仕事、パートナーの選択、生き方の選択。そして、パートナーとなると、相手側のご家族も関わってくる。

その考え方も生き方も違う人たちと子どもの人生に関して大きくかかわっていく。
そう大きなギャップがなければ問題ないかもしれませんが、こんな感じであまりに考えが違うと、もはや親子だけではないので、対我が子、対子のパートナー、対パートナーの親という三方向と意見を合致させなくてはいけない。

少し問題が複雑だなぁと聞いていて思いました。

やっぱり子どもの頃から将来に関する価値観の共有は親子でしていったほうがいいなぁと思うのです。

 

大学を中退してしまうとか、結婚をしないとか、個人の自由と言われればそれまでですが、親からしてみると大人になったからこそ見えてくるいろいろなものをわが子に共有できないまま、もう成人したらどうなろうとしったこっちゃないとまでは突き放せないし、それに備えて子育ても考えたいなと思いました。

調査から見えてくる最近の若い人の結婚観

国立社会保障・人口問題研究所というところが出している第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)というのに結婚などについてのデータが載っています。

第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)|国立社会保障・人口問題研究所

 上のページの独身者のまとめです↓ グラフもあって面白いのでぜひ見てください。

http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_gaiyou2.pdf

 結婚しようと考えている未婚者

ある程度の年齢までに結婚しようと考える未婚者は過半数

結婚する意思のある未婚者のうち、「ある程度の年齢までには結婚するつもり」と考える割合は 1990 年代を通して減少し、「理想の結婚相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」と考える割合 を一旦下回ったが、第 13 回調査(2005 年)では増加傾向に転じ、今回調査では男女ともに半数を超 えて推移している。

http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_gaiyou2.pdf より引用

2015年のデータによると18~34歳の未婚者で「ある程度の年齢までには結婚するつもり」と答えた割合が男性55.2%、女性59.3%、「理想の結婚相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」と答えた割合が男性42.9%、女性39.2%だそうです。

危機感がないんじゃない? と思いきや、実は私たちが結婚した頃の1997年のデータのほうが「ある程度の年齢までには」の割合は低いのです。

この辺はなんとなく、わかるようなわからないような。そもそも今の男女の異性関係がちょっと希薄すぎるようですので、私たち世代の「理想の人=好きな人」であり「ある程度になったら結婚=見合い」に対し、「理想の人」が本当に「理想」であってそう身近にいないんじゃないかな、とも思えるのです。

 

調査・年齢別にみた、未婚者の一年以内の結婚意思という表では、いずれ結婚したい未婚者のうち、「一年以内に結婚する意思のある」人と「まだ結婚するつもりはない」人の年齢別割合で驚いたのは、特に女性の25~29歳で「結婚はしたいがまだするつもりはない」と考える人が25.7%もいるということです。これには相手がいるいないに関わらずなので、たとえ相手がいたとしても1年以内には結婚を考えていないということ。30~34歳でも15.3%もいるのです。

 

もちろんすべての方が結婚を望んでも出産を望むわけではないでしょうが、出産のタイムリミットを抱えてる女性で4人に1人が結婚を望むにも関わらず、そのタイムリミットを意識していないのか、それともすぐに妊娠出産できると思っているのか、あるいは子どもを考えていないのか、と疑問に思います。いまは二人目不妊なども多いようですし、初婚年齢が高くなればその率も高くなり、二人目がほしかったけれどできなかったという人が増えるでしょう。その辺は考えているの?

すかさずそれに応えるような調査結果が。

独身でいる理由

独身でいる理由は、結婚をする積極的理由の欠如や、25 歳を過ぎると適当な相手がいないこと

(中略)

今回は特に女性で「仕事(学業)にうちこみたい」が増加し、18~24 歳ではもっとも多い理由となった。一方、25~34 歳 の年齢層では、「適当な相手にまだめぐり会わない」などの結婚の条件が整わないこと(“結婚でき ない理由”)へ重心が移る。しかし、この年齢層でも「自由さや気楽さを失いたくない」、「まだ必要 性を感じない」と考える未婚者は多い。 

http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_gaiyou2.pdf より引用

 

でも、こちらも1997年などの方が、気楽さや必要性がないと考える人の割合が多く、逆にいまは「異性とうまく付き合えない」「結婚資金が足りない」の割合がだいぶふえています。どちらかというといまの人は「したくてもできない」ようです。

というわけで、異性交際どうなってんの?の疑問にはこちら。

異性の交際相手をもたない未婚者

異性の交際相手をもたない未婚者が増加、男性で7割、女性で6割
「交際している異性はいない」と回答した未婚者の割合は男性 69.8%(前回 61.4%)、女性 59.1% (同 49.5%)といずれも前回から上昇した(図表Ⅰ-2-1、Ⅰ-2-2)。また、交際相手をもたず、かつ交 際を望んでいない未婚者は、男性では全体の 30.2%、女性では 25.9%を占めている(図表Ⅰ-2-2)。

http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_gaiyou2.pdf より引用

 こちらも対象は 18~34 歳未婚者。おーい、花盛りの若者よ〜〜。とおばちゃんは叫びたくなってしまいます。

ちなみにおばちゃんの結婚した頃の1997年データでは、男性49.8%、女性41.9%。かろうじて半分以下です。学生時代はバブルでしたから、クリスマスなんかは一大イベントでチャラチャラチャラチャラ浮き足立っていましたけど。
私はあんまりついていけてなかったけど、寂しいクリスマスではなかったぁ。

時代というより2005年からの増加の加速がすごいのですよ。

確かにデータを見るまでもなく、なんとなーく社会的にもカップル少ないなという印象は感じてましたけど、これほどとは!
オタクやおひとりさまが市民権を得つつあるのは悪くないと思うのですが、そのために「それでいいや」と思ってしまい、昔なら結婚していたような人が「なんとなーくひとり」になってしまってはいないでしょうか。

性経験についても尻窄みになっています。

性経験のない未婚者の割合

性経験のない未婚者割合は上昇に転じる
異性との性交渉の経験がない未婚者割合は、男女ともに 1990 年代前半までは減少傾向にあった。 しかし、この傾向は男性では 1990 年代後半、女性では 2000 年代初頭から歯止めがかかり、その後、 性経験のない未婚者割合は上昇に転じている。今回調査では、30 代前半の男性を除き男女ともにすべ ての年齢層において、性経験がないと回答した未婚者の割合が前回よりも上昇した。

http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_gaiyou2.pdf より引用

未婚男性の割合 左から(1987年) (1992年) (1997年) (2002年) (2005年) (2010年) (2015年)

18~19歳 71.9 % 70.9 64.9 64.2 60.7 68.5 72.8

20~24歳 43.0 42.5 35.8 34.2 33.6 40.5 47.0

25~29歳 30.0 24.8 25.3 25.6 23.2 25.1 31.7

30~34歳 27.1 22.7 23.4 23.4 24.3 26.1 25.6

総数(18~34歳) 43.1 41.5 35.7 35.3 31.9 36.2 42.0

http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_gaiyou2.pdf より引用

未婚男性ですから、30~34歳となると既婚の方も多いので、あまり全体をイメージしにくいですけれど、多くの方が未婚である18~24歳の割合多くないですか?

2005年までは割合が減っていておそらく「早熟化」なんて言われていたかもしれませんが、そこからの加速!なにが原因なのでしょうか。

 

一人の生活を続けても寂しくないと思う未婚男女が増加
未婚者に、人付き合い、消費、仕事、生きがいの有無等のライフスタイルについてたずねたところ、 女性では「衣服・持ち物にこだわる」と「仕事以外で旅行あり」の割合が高く(それぞれ 61.3%、38.2%)、 男性では「一人の生活を続けても寂しくない」と考える割合が高かった(48.3%)。第 14 回調査(2010 年)と比較すると、男女ともに「一人の生活を続けても寂しくない」の割合が7%ポイント前後増加 した。  

http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_gaiyou2.pdf より引用

いまは自分の都合に合わせてSNSやその他のリアルでない関係で人と接触することが簡単にできますよね。
「なんかこの友達のこの話聞かされるのあきあきしているんだよね、でも一緒にいると面白い」

というようなリアルの友達の全部を受け入れる付き合い方より、

「この人とはこの話題だけで盛り上がりたい」という方が「便利」で「楽」かもしれない。

掲示板など見ていても、夫の愚痴を書けば、すぐ「そんな夫とは離婚したら」の意見が私の感覚よりは多いような気がします。離婚が差別されずにできることはいいことでもありますが、場合によっては安易に離婚を考えるのってこらえ性がないとも思います。

もちろん私の友達を含め、離婚すべき、してよかったという人はいます。そうそう変わらないとされるギャンブル癖とかDV、一緒にいることで子どもに悪影響を及ぼすこと、そして、もちろん本人たちにキャパがないなら結局関係を再構築できないわけだから、一緒にいるのは苦痛なだけ。

人との関わりは面倒?

本音で話せる友達や恋人はいるのでしょうか? 人と深く関わるのはわずらわしいでしょうか?

わたしも人に合わせて動くのは疲れると思うこともありますが、自分がそう無理をしなくても許される人間関係は、とても居心地のいいものです。

前回の記事の価値観の違うお母さんでも、互いにそれをわかりつつ話をしたりするのも疲れつつも、きっぱり付き合いを断つというのでなく、自分の立ち位置や意見はこうだ、あなたとは違うということを共有したまま相手をそれなりに尊重できるというのは、そう悪くないかな、とも思うのです。

なぜならほとんどの人は自分とぴったり合うわけではないから。

結婚生活だってそうだと思うのです。

上の調査データで言うなら、「理想の相手」の基準が厳しいのではないでしょうか?

お互いに相手のために変わっていける、折り合いをつけられるという関係。

人がいないと動けないというのとはちょっと違うのです。おひとりさまはそれはそれで格好いい。人がいないと何もできない人は魅力が欠ける。

お金の使い方も、どれだけ時間を使うかも気にしなくて済む。

でも、一人で好きなところを訪れるより、その人と共有したい、美味しいものも「おいしいねって一緒に味わいたい」という喜びも別にあるのです。
子育てだって苦労や金銭的出費にかえてもという価値を見出す人が多い。

知らないものは理解できないかもしれない

でも、そういった人との関わりに価値があるということも、良い関係を経験していない方にはよくわからないことかもしれません。

どのような生き方がよくて、これはよくないと白黒つけるつもりはありません。
けれども、自分の息子には、人との関わりを大切にしてほしいと思うのです。

そして、結婚などについては、上の調査にもありましたが、「理想の相手」というのをあまり求めすぎないこと、そのうち結婚したいな、結婚っていいな、子どもを育てるっていいな、と思ってほしいなとは思います。そこには親の価値観や育った環境の影響も大きいと思うのです。

幼稚化していないか

また、最近気になるのが、全体的に幼稚化している気がするということ。

お父さんが子どもをほったらかしでゲーム中毒になっているとか(誤解のないように、わたしもゲームは少しはします。漫画も少しは読みます。)。

ファミレスで親がスマホをいじっているとか。

前回の記事の「まず(合格した子どもじゃなく)わたしをねぎらって。」というのも然り。思うようにならない我が子に罰を与えまくるDV父しかり。
芸能的にも昔のアイドルって若いのに大人っぽいですよね。社会が大人を要求していたような気がします。

でも、今はいい年をしても若い子とかわらない格好をし、「見た目20代」とかすぐ言う。今の日本は年をとることに価値を見出さないのも気になります。

toyokeizai.net

小田嶋:今、規範という表現をされましたが、平川さんがこの本で問題にされているのは、単純に社会から大人がいなくなったというよりも、社会全体から「大人なるもの」というイメージや「社会が安定的に営まれるためには大人が必要だ」という意識が失われつつある、ということですよね。

そして日本からオトナがいなくなった | プレタポルテ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準より引用

 

冒頭の友達の子のいきなり居候も、向こうの親御さんが受け入れてしまうことも、全然自立していない。お金の問題じゃない。それじゃ、「結婚ごっこ」じゃないの!
もちろん「同居」だというならきちんと結婚して、経済的にも負担をするべき。

例外的に豊かで安全な社会においては、「競争に勝つ」ことが主要な関心事になることができる。
しかし、人類史のほとんどの時期、人類は「それほど豊かでも安全でもない社会」を生き延びねばならなかった。
そういった状況においては「競争において相対優位をかちとる能力」よりも、「生き残る能力」の方が優先する。
「競争に勝つこと」よりも「生き残る」ことの方がたいせつだということを学び知るのが「成熟」の意味である。

幼児化する男たち (内田樹の研究室)より引用

幼児化するのは、幸せの象徴なのでしょうかね。
でも、これから先はボケーっとしていてもそれなりに「生き残れる」社会ではなくなりつつあるような気がします。
そして「本来の大人である人」は着々と将来的な不安に対策をしているでしょうが、そうでない人も多いような気がします。
主に結婚や子どもの教育・進路選択に関して、そう思います。

子育ての目的は子どもを自立させること

子どもをどう育てたいか、一番望まれるのは、自立をさせることではないでしょうか?
ひとりで生きていける、生きる力をつけること。その意味するところってじつはとても広いと思うのですが、普通に生活力をつけることでもあり、自分で判断できることであり、なにかに負けない力をつけることであり。

そしてひとりで生きていくためには、決して自分のことだけ考えていてはうまくいかない。ですから自分のエゴだけで好きなことだけするために、生涯独身でいたい、と考えるようにはなってほしくはないなぁ。

こういったことについて書くとエンドレスになりそうですが、また思いついたらおいおい書いていこうと思います。

 

いま息子は十代半ば。あと十年後にはすでに社会に出ているのですが、それまでにも少しでも生きる力をつけてほしい。そのために何をすべきかわたしも考えたいと思います。

 

 

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