このブログの検索で多いものは塾関係の記事です。塾に悩む方は多いのでしょうね。
新しく塾カテゴリを作りました。少しずつ過去記事にカテゴリ追加をしようと思います。
こちらでは、あくまで自分や周りの話、私が塾講師をしたり中高生の勉強を教えてきた過程で得た実感から塾について語ります。
ずれた選択
先日知人と話していました。英語が赤点続きで問題だと。
でも、とりたててその対策のカリキュラムを与えておらず、子どもは自己流で英語の勉強をやっているけれども、時間をかけているわりに全然効果が出ないと言っていました。
やみくもにやれば効果が出るわけではありません。勉強法の本を読むことは多いですが、効果的な勉強法はいろいろあります。逆に言えば何も考えず工夫もせず机に向かっていても身につかないということです。
そして、自分にあった方法を黙って実践できる子は非常に少ないです。
息子も何度言ってもその場の楽に流されて、きめ細かに効果的にやろうとしません。本人任せでは上がりそうもないと感じました。
その子はネイティブの英会話の先生についているというのです。
友達に誘われたからというきっかけで。
ただ、ネイティブの先生ですからオールイングリッシュで、宿題のレベルも高く、ドラマを見てその内容を書き出すというのですが、難しくてわからないそう。
確かに英語は、センター試験に変わる新しいテストでも重要視されるということで、旧来の読む・書くだけできていてもダメなのはわかります。
でも、現在赤点が続いているその子に、そのよくついていけないネイティブの英会話授業が適切とは思えませんでした。
それなりに楽しんで通っていると言っていますが、今そういう時ではないと思いました。(そう話しましたが、多分続けるでしょう)
その教室では発表の場もあって、ネイティブのような発音でハキハキしゃべる小学生などがいてすごいのよ、というけれども、それはその子が小学校の低学年くらいで、将来海外留学を視点に入れているのであればもちろん大事と思いますが、大学受験を控えて赤点で学校の方からも指導が入っている段階で、長い目で英語が好きになるとか、発音がすごくよくなるとかってずれている。個別・少人数指導ですから、それなりに月謝もかかります。
聞く耳を持つなら、もっと簡単なレベルの聞き取りにしては? 基礎英語は聞いている? と聞いても、そういった自宅で簡単にできることをしていません。
本当に塾を最大限生かすなら、親が努力すること
自分で賢い選択ができる中高生なら本人任せでもいいかもしれませんが、実はそういう人は少ないです。
私が中学生の勉強を見ていて困ったのは中途半端に関わるお母さん。
塾へ行かせた効果は、勉強法を定着させてある程度してから出てくるものですが、それを待たずに子どもを説教しまくり(他の教科を含め勉強をしない)、
「あまりに態度が悪いから暫く休ませます。あまりにもやらないので恥ずかしい。一度落ちるところまで落ちたら本人も気づくでしょう。」
と、勝手に長期休ませたお母さん。
いや、私に対する恥ずかしさとかどうでもいい。子どもの成績あげない?
実はこういう方が他にもいらっしゃいました。お二方はタイプが似ていました。
勉強がどういうものかわかっていらっしゃらないようで、日常的に子どものやる気のなさを責めすぎて、険悪になり、結局罰として全部投げ出してしまう。
一人の方は、もう子どもにお金をかけたくないと言い、公立が内申点で難しいのにも関わらず、塾も私立高校も行かせない、と自棄になってしまいます。
まだ先は長いし、それで本当にいいの? と思うのですが。
むしろ放っていた方がよかったんじゃないか、という悪影響を与えていました。
そういう人は学校の先生の言うことも聞きません。学校の先生が大丈夫ですと言っても、こうしろああしろと自分の焦りだけで突っ走ります。
失礼ですがご自分より学校の先生の方がよほど多くの生徒を見てきているし、受験についても詳しいと思うのですが、そういう意識がありません。
結局塾でも同じです。
こちらはようやくやり方がわかってきたな、少しずつ楽しくなってきたみたい、と思っていた矢先の休塾。
そもそも、もともとやる気のない子は、成績が下がれば下がるほどやる気をなくすのです。負けず嫌いだったなら、小学生の間に頑張っていい成績をとれるはず。
そういう子は「勉強をやらない」「さぼっている」というのではなく、「勉強ができない」と言い訳します。
成績が悪ければ悪いほど、「できない」証明になるわけですから、都合がいい。
親御さんを見ていて思うのは、親自身がそこにきちんと向き合うことをさぼっています。それで、やる気がないのも成績が悪いのも本人のせいと安易に考えている。
本当に子どもの成績を上げる気があるの? と聞きたくなります。
塾のことに限りませんが、勉強法などあらゆることは、まずいろいろな実情を知ることが大事だと思っています。
本を読んだり情報を得たりと視野の広い人ほど、自分の知らないことがたくさんあるということを知っているのだと思います。
安易に楽な決定をせずに、塾が子どものレベルにあっているか、効果は出ているかということを少し考えてみることで、最大限塾を活かせたり、また、不要な出費や労力を防いで自宅で勉強をすることもできると思います。
塾に行ったり、通信教材などなにか自習をしているのであれば、請われなければ教えるまでしなくとも、進捗情報を毎日、または週一回確認してつぎにやるべきことを親子で確認するくらいでも十分だと思います。
私も息子にやりたいのですが、なかなかできません。週2回くらい毎日やるものについては聞いていますが。
塾や教材もいろいろ探してみる
今ではオンラインでネイティブの先生と話せるスピーキングの講座もいろいろあります。
息子はZ会のレアジョブをやりましたが、毎日25分というコースだと月額9000円代と大変割安です。回数を減らせば割高にはなりますが月額は減ります。
それにしても毎日ってすごいですね! 力つきそう。
聞き取れなかった単語などを画面で確認できたりするので、辞書をそばにおいてやっていました。テキストに沿ったやりとりはこなしていましたが、なにぶん息子はフリートークが苦手。
ほかでもこのような講座はあるのではないでしょうか。
親御さん自身がそういう情報にも大学受験にも疎いと、とりあえずどこかに通わせれば安心という考えを持つ方も多いのですが、以前にも書いているように、適切な塾に通い、さらに自宅でのフォローがないままでは効果は出ません。
中学受験でも高校受験でも、大学受験でも、受講する子のレベルに合わなければ、いくら難関校に多数合格している塾でも効果がないどころか、適切なレベルの塾に行くより効果は少なくなるでしょう。
私自身も子どもの同級生がどんな塾に通っているか、いないかは気になりますし、行かなくて大丈夫だろうかと考える気持ちもわかります。
ただ、それだけで友達が行っているとか、とにかくここがいいらしいという噂だけで通わせるのではなく、きちんと吟味してみてください。
入ってみてあまりにも合わなければ転塾が必要ですが、家庭学習などがないままであるとか非常に短期間での効果がないことなどで焦って転塾を繰り返すようなことは逆効果です。
どの塾が合うかどうかはその人とその塾へ望む目的(成績大幅アップか現状維持か、受験向きか補習用かなど)により様々です。誰にでも最強の塾などありません。
塾のブログや塾講師の方が書いているブログなどを読むと、大変その辺で役に立つことが書いてあると思います。
実際通っている塾だけではなく、講師の方が個人として良心的に書いているブログやウェブサイトを読むと、オプション講座を全部取る必要もないなどと塾のいうままにお金をつぎ込んでしまうことも避けられると思います。
塾にいかないで受験を目指すこと
できれば塾の月謝は高いから、参考書や問題集だけ揃えて家で、と考える方も多いでしょう。ただし、その場合は相当そのジャンルに詳しい方のフォローや親の並々ならない努力が必要かと思います。
ドラマ「下剋上受験」でも塾なしでやっていましたが、ご覧になった方はご存知の通り、子どもに教えるお父さんが仕事を辞めて我が子専属の塾講師になっています。
それは彼が中卒という設定だからとは言えません。一部の一度聞いたら自分のものにしてしまう子を除いては、正しい教え方で適切なペース配分でやらなければ対応できません。
塾なしで公立中高一貫校へ子どもを入れた方の本を読んだことがありますが、本当に本が書けるほどお父さんが詳しいし、お子さんも才能溢れています。誰にでもできるというわけでもありません。そういった本やブログを参考になさって、我が家でできそうかどうか考えてみると良いでしょう。
月謝を浮かせるのが優先か、親がその分時間を費やしてできるのかできないのか、それともその分お金を払ってプロに任せるのか。←任せるといっても自習の管理は中学受験などでは必須です。そこも任せるなら拘束時間の大変長い手取り足取りの塾か、別に家庭教師という選択肢もあります。
塾に通わせずに、親もそこそこの関わりで入れるところにいければいい(というかそこまでしかできない)、という考えももちろんあるでしょう。
それらの選択をきちんと親子で確認して何が一番大事でなぜ塾に行くのか(行かないのか)、そこをはっきりさせれば、受験後に「やっぱり親がもう少し頑張ればよかった」とか、「塾に行っておけばよかった」といった後悔をすることもないと思います。
上の記事で講師の方が言っているように、たしか林修先生もなにかでおっしゃっていました。
「できないって言うけど、じゃあどのくらいやったの?ってきくと、たいてい全然やっていないんですよ。」
って。そういう「やる」「やらない」の基準も、自分一人でやっていると恐ろしく甘いんですよね。
私もよく中学生の子が
「歴史苦手〜覚えられない。」
というのに、
「いや、やってないだけでしょ。」
と返していました。やらなきゃできないよ。あともちろん一度で覚える子とそうでない子がいます。それについても
「10回で覚えられないなら100回やる」
と言いますが、なかなか中学生は理解しませんネ。難しいことも重々承知しています。だからこそ、言ってくれる人が必要なのです。
うちではまだ塾に通っていません。厳密には一度個別に通わせましたが、息子が高い塾代に見合ったほどの効果を出せなかった(塾のせいではなく息子の時間のかけ方の問題です)のと、今はまだ通わせなくても大丈夫そうという判断で辞めました。
体験授業などで訪れた塾から季節ごとに送ってくる資料を見て、今この辺をやっているのかと参考にします。塾に当面行かせないつもりでも体験授業などをして資料を取り寄せるといいでしょう。
また上の過去記事のように、塾の情報というのはとてもわかりやすく助かりますし、模試などで立ち位置もわかりやすく、講師が本人を刺激することもあります。受験までにはまたどこかにお世話になるのではないかと思っています。
探せば無料のテストなどもやってくれます。その時の保護者会などは受験情報の参考になります。
今でも経済的に許せば、そこまで効果が出なくても、習慣として宿題を出してくれるし、くらいのつもりで塾に通わせることも、こちらは預けっぱなしでいればいいので、そう悪くないなと思うのですが、できればそこまで無駄に使いたくないので、私自身が情報収集をしています。