悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

シブヤ大学の学生になってみた

学生の頃よく訪れた渋谷。
散々見慣れたスクランブル交差点が見渡せる駅の通路には、外国人観光客が人種も様々、交差点を行き交う人の写真を撮るべくずらっと並んでいた。駅の近くには高層ビルも増えつつあり、時の流れを感じる。

 

平日の夜から開講される講義に参加すべく、家族で渋谷駅で待ち合わせた。息子は学校から、夫は会社から。

シブヤ大学は渋谷の街をキャンパスとした入学試験のない誰でも学びたい時に入れる「大学」。

シブヤ大学とは | シブヤ大学

 

2006年にできたというが、はじめて知った。
この手の大人が学べる「大学」という名の団体は、大人になってから訪れる機会の多い丸の内にあるのは知っていたが、こちらは2009年にできたというから、シブヤ大学の方がさきがけということか。

asadaigaku.jp

 

まあ、丸の内は活動時間が朝と聞いて、午前中は半分寝ている私にはあんまり馴染まないなと思っていたのだが。

シブヤ大学を知ったのは、今回参加した講座の講師である山形浩生さんの書籍を夫が息子へ読むように言っていて、まさに彼が読み進めている途中だったという偶然。

『アメリカ大都市の死と生』はアメリカの女性ジャーナリスト、ジェイン・ジェイコブズによって1961年に書かれた。
その後、黒川紀章氏が抄訳、山形さんは2010年に全訳している。

都市論としては大変メジャーな本。

今月からこのジェイン・ジェイコブズの映画が公開されるのに合わせて映画上映と山形さんのトークが講座となったのではないか。

janejacobs-movie.com

映画については、切り取り方も、編集方法ももうちょっとと思うこともいくらかあったが、訳者である山形さんがその後のトークでその辺のモヤモヤをスッキリ解消してくれて全体的には楽しめた。

映画をみる前に本を読んでおいた方が良い(分厚いけど)。
未読の私は終了後に息子の持参した本をめくって見出しをさらった。
映画は都市論そのものよりも、専門家でない女性が都市のあり方に疑問を呈して市民運動が広がったと言う側面の方がより強調されている。
ダメな都市の例はたくさん出すのだが、彼女の理想が映画だけではよくわからなかった。

また彼女自身の考え方にも疑問は持った。それで、どちらかと言うと映画より山形さん本人に興味を持った。広い視点でものを冷静に観ている印象。映画がかなり偏っていたので、余計に。
彼女が否定するのじゃないかと思える街に暮らしている身としても。
彼女が批判したル・コルビジェは、今改めて評価されている。どちらが好きと言うことではない。私は下町に育ち下町が好きだが、実際暮らしているのは、隣接はしているが下町のど真ん中ではない。むしろコルビジェ的な建物ではないか。
時代や環境によっても何がいいかなんて変わってしまうのじゃないか。

 

精力的と言うほどではないが、これも、以前書いた木村草太さんのブックトークや安藤忠雄展と同様、息子の進路探しの一環でもある。

単純に我々もそれに乗じて色々知る機会となる。
子育ての楽しみはこういう出会いがもたらされることにもある。 

遅い夕飯を食べながら感想を話しあったが、大して気の利いたことを言わない息子だが、何か考えを巡らせてくれればいいと思う。

 

シブヤ大学。申し込みは個人単位で、申し込むと学籍番号が与えられる。
今回は傍聴のみの講座だったが、この大学のほかのメンバーとの取り組みなども興味深い。

大学に入って時間ができてからでも、何かしら興味関心を広げるような機会を持ってほしいと思っている。

 

 

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