悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

苦手を知ることの大切さ

先日NHKスペシャルで発達障害について生放送でやっているのをみました。

昨日の朝はNHKのあさイチで再び発達障害について、スペシャルからも引用しつつ取り上げていました。

 

息子は発達障害と診断されたわけではありませんが、私が我が子の行動がわからずに初めて発達障害の本などを読んだ時には、いろいろと自分の無知や世界の狭さを思い知ったのですが、今回も知らなかったと思ったことが。

 

感覚過敏についてです。過敏、特に音などの過敏は聞いたことがあったのですが、味覚や触覚などあらゆるものにも苦手な人がいるということでした。

 

 

食べ物の偏食は、たいていわがままととらえる方が多いとおもいます。
私も子どもには偏食がないように結構苦労してなんでも食べさせ、結果息子はほとんど好き嫌いもありません。

私も子どもの頃厳しく躾けられ、逆に無理やり食べることを強いられて本当に嫌いになったものが漬物なのですがありましたが、ほかは概ね食べられて、食べられないことによる不便はほぼ感じたことがありません。
あまりにこれもダメ、あれも食べられないと得意げに話すような人は尊敬できないと思っていました。

 

ただ、感覚過敏で食べられない方は、その食感やにおいなどによる苦痛が「我慢すれば食べられる」レベルじゃないようなのです。

その苦手具合も千差万別のようです。

そういえば、しいたけ丸焼きのぐにゃっとした感じがあまり好きじゃないという息子と夫ですが、私は好きだけれどなんとなく理解できる。さすがに丸焼きは出さないけれど切れば食べられるので問題ないかと思っていますが、感覚過敏だとこれが吐くレベルで受け付けないのでしょう。

驚いたのはコロッケのサクサクの衣が口のなかで刺さるような感じとか。確かにそんな感触では苦痛以外の何ものでもないですね。

 

話は変わりますが、食物アレルギーについて、少しは理解が進んできたのかなと思いますが、時々巷で、理解がない人が無理やりアレルギーを持つ人に内緒でその食材を混ぜ込んで食べさせようとしたとか、偏食を直してやると言ったとかいうことを聞いて、無知の怖さを感じていました。下手をすれば人を殺してしまいかねません。おせっかいというレベルで片付けられない。

 

実は子育てをするまでは、自分の周囲にそう人と違って苦労しているというような身近な人がいなかった(もしくは気づかなかった)こともあり、自分の感覚をすべての人が同じように受け取っているものと思い込んでいました。

実際大人になってもそれを信じている方は多いのではないでしょうか。

 

 

 

多動や不注意が治せることではない、ということを知ることで、息子の積み上げた積み木に突進してぶち壊す子に怒りを感じることがなくなりました。

大勢人のいる場に入れないで一緒にリトミック教室に行ったのに通えなかった息子の友達のことを理解できました。

まだまだ息子が弁当箱洗いを途中でやめてしまうことが多いことに時々怒ってしまうのですが、怒るのではなく、こういう行動を避けられるためにどうするかを冷静に考えないとと思います。

 

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番組では片付けられない主婦の方は夫に理解されず離婚になったとか。すかすかのタンスの前に洋服が山積みになっていて、見えないのがダメだと話していました。

以前も書きましたが、息子が小学生の頃、スクールカウンセラーの先生と話していた時に「きちんと片付けられないなら大きな箱に全部放り込むようにすれば」と言われて、「なぜ片付けない! キー!」と思っていた気持ちがすうっと落ち着いたのを覚えています。
大きな箱は使いませんでしたが、のちに中学受験生時代、自宅学習時間が増えたので、リビングではすべての文房具をカゴにまとめて放ってありました。勉強が終わればすべてざざっとそこへ流し込んで終了。ノート教材類も脇の棚にすべて入れるだけ。

思えばそれより以前にリビングで勉強する時は、まず息子が教材を持ってくる。

赤鉛筆がないよ。→部屋に取りに行く。ない。時間が経過。

戻ってきて問題を解く→定規が必要→以下同様。

あの参考書は?→以下同様。

とやっていました。

すべてのものをまとめて持ってくることも元に戻すことも息子には苦手のようです。

今はそこまでリビング学習コーナーは常時開店していませんが、受験勉強当時はとてもやりやすく快適でした。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

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発達障害と言っても苦手は個人により様々。感覚過敏じゃなくて鈍感な方もいるようです。

苦手を知ることで、対策ができる。

一方自分の感覚がすべてと思い込んでいる知人は、読み書きが苦手な子に

「なんでできないんだ!」

と怒ったり呆れたりするだけで、余計にやる気をそいでいました。

 

思い込みってフィルターのようですね。厚くてくもっていてよく見えない。

見えないから勝手に自分で判断して、自分の尺度だけで相手を決めつけイライラする。

 

極端にできない、と思った時に

うちの子はバカだ

ですませるのか、

なんでなんだろうと理解しようとするのかで結果は大きく変わっていくのではないか。

少なくとも、自分のストレスはだいぶ減りますね。

 

番組に出ていた栗原類さんも、お母さんが彼にお手伝いをさせるようにしてきたが、どうしても苦手なことがあったりして、そうするうちに得意なことをやるといった分担ができるようになる。

社会に出るにあたって、自分はなにが苦手、なにが得意と知ることは、誰にとってもかなり重要なことのように思います。

 

話は少しずれるのですが、仕事の向き不向きで感じたことを。

実は以前こんな記事を書きました。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

 薬屋の営業さんがとても不器用で、担当が変わってよかったという話。このあとオチがありまして。ここでも少し触れているのですが、彼以前の担当さんはすぐ辞めてしまうようでしたが、この記事でやってきた新担当のおじさんもそれきり来なくなってしまったのでした。
実際は、子どもも大きくなったし、家に定期的に人に来られるのが面倒になっていて、例の不器用営業さんの時も何度も置き薬をやめようかと思っていました。 が、なんとなくがんばっている彼に言い出しにくくて、二度引っ越しましたが結局続けてきました。

 

ところが新担当さんが来てから半年経っても交換に来ないので、救急箱を引き取って欲しいと電話をすると、あとから所長が慌てて電話をしてきて、「いまお宅には担当がついていなくて」と話していました。
なんだそれと思いましたが、こちらは一切苦情も言わず説明も求めず黙って引き上げてもらいました。担当さんがいなければ担当さんに気兼ねすることもない。やめるならいま!

 

不器用担当さんは、気が利かないけれどもその多くの人が辞めてしまう環境で続けてこられた、親の介護でリタイアされたらしいけれど、その会社にはかけがえのない人材だったのかなと思いました。ブラックっぽい環境が向いているというのもどうかと思うけれど…。

 

いま改めてその担当さんを思い出すと、なんらか人に共感したりすることが苦手だったのでしょうね。
番組でも、発達障害の方で、無表情なんだけど決して感情がないわけではない、ということを紹介していました。担当さんもマニュアルトークしかできませんが、彼にもう少し愛があってくれればと思うのも私のエゴですね。

そういうことで苦労されている方も多いのかもしれない。 

NHKスペシャル冒頭で、MCのイノッチが、誰でも見たほうがいい、と番組を紹介していましたが、様々な人を理解するという面で、むしろ困っている当事者以上に周りの「多数派」の人がこういう問題を知ることが大切だと思います。

 

今回知った味覚や触覚の過敏を知ると、昔の給食を完食するまで食べさせるということが、人によっては虐待になるのではと感じられました。