※今小六の受験生には向かない話と思います。すみません。
先日息子の小学校の運動会に行きました。
公立小学校は先生も異動しますから、数年したら訪ねても知らない学校になってしまいます。残念ですが、今は少人数で後輩やその保護者とも顔見知りが多いので、ふらっと言っても楽しめます。
息子が行くなり、次の競技で並んでいた子たちが息子に群がり喜んでくれていました。
こういうところはマンモス校だった私には羨ましく感じます。
後輩のお母さんと少しお話もしました。
6年生のそのお母さんの子は、中学受験を諦めたそうです。
4年生から塾に通っていたし、お父さんは弁護士で優秀な方。
でも、本人がどうしてもやる気がなくて、ということでした。
確かに悩んだけれど、でもこれからかかる塾代を全部計算してみたらやめる覚悟ができたとおっしゃっていました。
少し前にも書きましたが、息子の今の学校の友達の弟も5年生で受験をやめる決定をしました。
その子のお父さんも大変優秀な方で、息子の友達もずいぶんお父さんの要求が高く、苦労しているようですが、弟さんの意志を尊重して諦めたそう。弟さんはとてもすっきりしたようだとお母さんがおっしゃっていました。
中学受験が都内ではだいぶメジャーになってきました。
そのため一方で、優秀層の多くが公立中学を選択しなくなり、公立中学校の学力分布も最近はだいぶ変わってきていると、公立中学生の勉強をみていて思います。
中学受験を選ぶ親子にもいろいろなきっかけがあると思います。
でも、いざ子どもにやらせてみて、「これは続けてもよくないかも。」という判断をするのって実は結構勇気のいることなのじゃないでしょうか?
先ほどの息子の後輩くんのお母さんの背中を押すためにこれからかかる額を計算するっていうのは、なかなかいい方法かもしれないと思いました。
実際どちらのお子さんも受験塾に通ってからの撤退ですから、私はその話を聞いてサンクコストについて考えました。
サンクコストに関してはこちらがわかりやすいかも。
後輩くんのお母さんは、今までかかったお金や苦労じゃなくて、これからのことだけ考えています。きっと息子の友達のお母さんも。
とても賢いし、子どもをよくみているからこそできる決定なのかな、と思いますし、これだけきちんと子どもにあった環境を選べるのであれば、きっと高校受験で息子さんにあった選択ができるのだろうな、と思うのです。
うちの息子が塾に通ったのは5年生後半からとバタバタでしたが、遅れた原因の一つは、起立性調節障害と、本人が塾に行きたくないと言っていたからでした。
4年生の夏休みは、1週間一日中床から出られませんでした。
これだけ体調不良で2学期以降も保健室にかけこむことが多いと、中学受験の勉強もままならないだろうし、中学に行っても授業を受けられるかどうか、進度についていけるかどうかの不安がありました。幸い5年生にはいって症状は消えました(また最近調子が悪いのですが、一時的なものでどうにかなっています。)。
そして、本人が5年生の夏休みに塾に行ってみたいといいだしました。
おそらく本人が行きたくないといえば、入塾しなかったと思います。それで入れるところが縁のある学校だろう、と思っていました。
もちろん今の学校は息子にとって素晴らしい環境ではありますが、どんな困難を乗り越えてでも、という気はありません。受験で傷を負うこともあると思うので。
本人にも親にも覚悟がいる中学受験。うちは本格参入後は迷いなくできましたが、いざ始めたところで辞めるという決定は、なかなか勇気がいるのだろうな、と思いました。
でも、子どもをよく見ている親御さんでしょうから、きっと高校や大学でお子さんの進路選択にもいい影響を与える力強い存在でしょう。