悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

勉強法が学力アップの決め手〜『頭がよくなる7つの習慣』

わかりやすい勉強法の基本がぎっしり

勉強法についての本を時々読むことがあります。いいものがあれば自分が教える時に取り入れようと思っています。

大変読みやすく大事なことが詰まっていた本に出会いました。

 

この本は3章だてで、全部で7つの習慣を身につけることを目指しています。
まず「自分」をコントロールするチカラです。

生活リズムや朝の使い方について。

こちらは個人的には耳が痛い。朝は親子とも全く活用できないので。

でも、「ゆっくり急ぐ」という習慣で「1.01倍で進もう!」という考えには目から鱗が落ちました。

1.01ってほとんど微量なのですが、毎日積み重なると…。(計算してみましょう)

逆に0.99倍だとその差は恐ろしいことに。

 

二章では「時間」をコントロールするチカラ

こちらは、こうやってきちんと考えられる人こそ成功に近づくのだろうなとため息が出ます。特にうちの息子の不得手とするところ。

時間はないんじゃなくて作るんだよ!

そう言い続けていますが、ここでも大きく書いてあります。

ほかにも

「タイムトライアル暗記法」では、私がいつも教えているやり方とほぼ同じことが書いてあり、私が言っても身につかないので、息子に見せてみました。

他にも勉強法の多くは私が中学生たちに話し続けてきたことも多くて、あまり勉強法について考えない人にはとても参考になることが多いです。

目標のたてかたや目標達成までの逆算力などについても解説しています。

 

コラムでああ〜と思ったのは、

できる人は「やるための方法」をさがし出し、できない人は「やらないための言い訳」をさがし出す

(あたまがよくなる7つの習慣より引用)

 

実は中学受験の時から今でも、息子は「やらないための言い訳」の話ばかりで、うんざりしていました。

こちらは先の話をしているのですが、彼は過去の言い訳を続けるので、

「じゃあ、この先どうするの?」

となってしまいがち。そもそも基準が甘いのです。この言葉、貼っておこうかな。

 

3章では「記憶」をコントロールするチカラ

ここが勉強法の要とも言えるでしょう。
予習→授業→復習→テスト

この流れを具体的に解説していて、どのように臨めばいいかが具体的に書いてあります。

少し前に勉強を教えている子どもたちにテスト前のチェックテストをした時に、驚くほど授業の内容が入っていないことに驚き、授業への臨みかたを話したことがあります。

 

概ね本書に書いてあることと近いです。

息子も例外ではないのですが、本当に授業やったの? と思えるほどノートや教科書がまっさら。ノートはせいぜい先生の板書を写した程度。

そして復習もすぐにやらないので、テスト前にはすっかり忘れているというわけ。

授業中に復習できるような簡潔なノートを作ってしまうやり方が紹介されています。そう難しいことではありません。

ここも息子に読ませました。

 

エビングハウスの忘却曲線。ドラマ「下剋上受験」でも紹介されていましたが、勉強法では定番ですよね。こちらの解説もしてあります。

どうせするなら忘れず身につく方法とタイミングで!

なるべく省力で最大限の効果を出すことが大事かと思います。

 

あと、これは息子によく言うのですが、本書でも

「わかる」と「できる」は違う!

と説いています。

息子の苦手な数学。

「でも授業はわかるんだよね。」

いや、「できる」ようにしなさいな。

これを誤解している中高生はかなり多いと思います。

 

勉強じゃなく「作業だ!」というのも、私がある単語を覚えるのが苦手な子に話しました。

単語を覚える時に、同じ単語を並べて10回なり書いて終わり。

必ずできたかチェックしながらできるまでやるように話します。

小学校での宿題にはこういう作業で提出すればいいものが多かった気がします。

それで、やったような気になっている子の多いこと。

 

最後の習慣ではテストを攻略することを紹介しています。

同じ問題集を三回解くことをおすすめしています。どのようにやるかも丁寧にせつめいされています。

こちらも我が家ではいま毎日やるべき英単語や幾何の問題集などを繰り返しているのですが、とにかく二回目のでき具合がひどいもので、いかに一回目のやり方がダメだったかを反省していまは二〜三回目へとうつっています。

なかなか次の教材に進まずにもどかしいのですが、あの二回目のできを見ると、とてもじゃないけど一回終わったからといってできたとは言えません。この辺は中高生といえども本人になかなかまかせきれないところです。

もうそろそろ覚えて一人でやってほしい。この前の結果を見て息子も少しずつわかってきたようなのであと一歩かなと思うのですが。

 

中学生からは勉強法を意識することが大事

小学生で勉強についていけないとなると大変なことで、その時期にきちんとついていけること、勉強してできる喜びを知ることはとても大事だと思います。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

ただ、小学生のうちは、授業に興味をもっていたり、理解力の高い子は、授業だけで家庭学習がなくてもなんとなくできてしまうことが多いと思います。
でも、高校受験で成績を大幅にアップしたいとか、大学受験のときには上記のような時間の使い方から自宅学習、授業の受けかたまでの工夫が必須です。

これがどの程度できるかでどのくらい伸びるか、自分の力を最大限だしていけるかが決まると言えるでしょう。

 

中学に入ると、子どもも言うことを聞かなくなりますし、親としてもそこそこ自分でやるのだろうと期待してしまいますが、このような勉強法は教えられずに身につく子は少ない気がします。

とっていると聞くので教材に取り入れたりする通信教材も、私が使う教科以外はすべてまっさらというのはよくあることです。定期テスト前の教材などはとても工夫されていて、予定表までついているのがまっさらで見ていて悲しい…。

 

面倒でも定期テスト前後などをきっかけに、どんな風に取り組んでいるのか、どうやり方を変えていくべきかなど、話すことをお勧めします。

この本はとても読みやすいので、中学生本人にそのまま読ませてもいいかと思います。

もちろん、黙って渡しただけで身にしみないのが中学生ですから、それをきっかけとして、時々できているか、そもそもなんでやらなくてはいけないかを話す必要があると思います。

 

ところで、中学生以降で一番大切なのは「意識」だと思います。

親御さんはどうしても、「とりあえず勉強やって」と言って塾や私のところへ預ける方も多いのですが、実はやる気もやる目的もないまま時間と環境だけ用意しても、本人は本気にならないので、このような勉強法などについて説いても効果は半減です。

 

中学へ入って特に公立中学生でしたら、どこの高校へ行きたいのか、その目標のためにどうがんばればいいのかを先に考えるようにしたほうが、長い目で見たらずっと効果的です。「子どもが勉強しない」と愚痴る割に、その辺の親のできることをさぼっている親御さんが多いことが気になります。
中学入学直後は新生活や部活などで落ち着きませんが、夏休みには志望校について調べてみるなどのスタートが早いと、その後の勉強の目標をたてるよいきっかけになると思います。
すぎてみるとあっという間の中学三年間。中三になってから志望校を考えると、どうしても今の実力で入れるところになりがちです。

 

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自分に向いている進路とは?〜8つの知能の傾向を知る

前回記事でも触れましたが、自分が向いている仕事がなんなのかわからないと、実際働いてみたら苦手だった! と気づくことになるでしょう。
できることなら小さいころから向いているかどうかを知れると回り道がなくなります。

 

“8つの知能(MI)”で自分の可能性を見つめ直す

こちらのサイトで、多重知能の理論というのを取り上げています。
チェックテストもあります。

多重知能というのは、ハーバード大学教授のハワード・ガードナー氏の理論で、それまでのIQというひとつの指標だけでは人の知能を測れないというものだそう。

 

そういえば自分が小さいころ、この知能の傾向を測るものとは違うけれどもどんな職業が合っているとかテストをやったのを思い出しました。

 

以前友達のお手伝いでピアノの発表会を手伝った時に、まだ幼児ですが大変才能の突出していると思われる子をみました。

私は音楽は素人ですが、素人でもわかるくらい「別格」だったのをその子の背中からひしひしと感じました。幼児ですので技術はまだまだでしたが、すでにプロの風格。

先日その教室で知り合った先生と会って話をしたところ、その子はすでに有名なコンクールなどで活躍をしているそうです。

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昨日は宝塚音楽学校のことをテレビで紹介していましたが、第一次試験では面接だけで、歌唱や舞踊は第二次試験になるそうです。
それまでの訓練による歌唱や舞踊の能力よりもそういった才能のある原石を見つけたいからと紹介されていました。

多少の技術は「習っている」というリードでごかませるけれども、習って身につく以上のなにかがあるのかもしれません。

 

本当に才能のある人の凄さを目の当たりにすることで、頑張っても越えられない壁を見ることもあるかも。残念ですが、切り替えて次へ行くのは早いほうがいいとも思います。

 

いろいろな子の勉強をみていると、勉強についての特性の違いはひしひしと感じました。ですから対策のたてかたもそれぞれ異なる。

差は顕著な気がしました。私もですが、母親は自分と息子の違いに驚くことも多いと思います。自のやり方だけでは通用しないな、と痛感しています。

 

たとえば上のサイトの8つの知能がバランスがよければ、わりとどこでもうまくやっていけそうです。
息子の友達にも素晴らしいバランスの子がいました。

一方天才と言われる子の中にはなにかが圧倒的に苦手、というような子も多くいたりします。

それで、例えば得意が不得意を見事にカバーして、高偏差値の学校に入れたりするのですが、必ずしもバランスがよくてすべてが高偏差値ではなかったりするので、

「いい大学出ているのに使えない」

ということがあると思うのですが、もともとバラつきが大きいということを考えればそう不思議なことでもないのでしょう。

 

IQだけではその人が使える人かどうかは測れないとは最近よく聞きます。

EQという心の知能指数といったものも大事と言われています。ただ、もともとEQが低い人というのもIQと同様にいるわけで、低い人はEQをあげる努力をすることもできるようですが、そこまで劇的に上げるのは大変な気がします。
比べるものではありませんが、8つの知能ではどこかしら自分の特性にあった方向へ舵をきることができるとすれば誰にでもできることかと思います。

 

身近に絵が得意でよく表彰される子がいますが、親御さんはそちらの教育は一切せず(習い事も関係ないものばかり)、勉強の方に力を入れています。
もちろんそれでも悪くはないかもしれないけれど、自分が親だったらもうちょっとそこをチャレンジさせて人より秀でた世界を味あわせてみたいなぁと思ったりもします。

もちろん絵がどう進路に結びつくかなど、考えは人それぞれでしょうし、親が子どもをどう導くかは親が考えればいいことだとは思いますが。

私自身が、自分が好きでないし上手でもない習い事を何年も続けさせられていたから思うのかなぁ。
そして私自身が得意不得意、好き嫌いがわりとあって、苦手な仕事はできないと思うので。仕事でも、時々「これは特性がない人には面倒で苦痛だろうな」としみじみ思うことも多いのです。どんな仕事もそうかと思うのですが。 

 

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たくましく生きていく力をつけてほしい〜『大卒だって無職になる』

そろそろなにか一冊読み終えたいと思っていましたが、たまたま読みやすそうな本があったので、一気読みしました。

 

今の就活って大変そうと思うのですが、いかがでしょう?
私自身は就活をほぼしなかったのですが、時代はバブルが弾けた直後で、氷河期は始まっていましたが、そこまで深刻でもなく、周りの友人たちも普通に内定をとっていました。ただ一人内定を取れずにアルバイトになった女の子がいたなぁという程度。

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子どもの教育とお金の悩み〜どこにかけるか〜

先にお断りを。長いです。

 

president.jp

こんな記事を読みました。今更といえばそんな気もしますが、改めて実感。

 

そしてまだお子さんが小さい方に過ぎてみて言えることがいくつか。

想定外の進路

私が出産した頃、公立中高一貫校というのはありませんでした。

これから子育てするにあたって、どう育てていこうか。
そのとき漠然と思い描いていたのは、今とは全く異なる子育てプラン。

私も夫も公立高校から私大に進んでいて、私は大学受験では一切予備校・塾は行かず。

なんとなく自分の子も高校受験がんばって進学校へ行って、塾いらずで大学へ行ってくれたらいいな、と思っていました。

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附属中に行けばお得だったのにという考え

とあるブログで、表題のような内容を見ました。

附属中を蹴って、他に進んだせいで、その附属中の系列大学より低い偏差値の大学に行った、とか、一浪してしまった、とか、中学受験時代に自分よりできていたのに、進んだ大学(の偏差値)は自分より低いとか。だから附属に言っておけばよかったのにといいたいよう。

 

実際私の友達でもそういう子はいました。
その子は附属中高出身ですが、推薦される学部に不満があり、一般受験したところ歯がたたずに二浪して偏差値の低い大学に行きました。といってもそれなりに知名度のある大学ですが。

 

週刊誌でもよく話題になる「お得な」学校。

そこで語られるのはすべて偏差値で並べた大学の進学実績をベースとした考えですよね。高偏差値大学へたくさん入ることが良いという。

 

入学時低い偏差値だけど進学実績では高偏差値の大学に合格するからお得である。

入る時は大変なのに進学実績はそうよくないと、お得でない学校とされる。

 

確かに偏差値ベースで考えれば、附属校に入れば大学を一般受験するより楽でしょうし、受験勉強をしなくてもよいかもしれない。

ただ、それってどちらがいい悪いではなく大きく中高時代の過ごし方が変わることであり、お得かお得じゃないかだけで考えるのは違うと思うのです。

受験勉強をすることをマイナスだと一概には捉えられない。ある時期ある目標に向かって悪戦苦闘して、自分の限界とたたかう。人生でなかなかない機会で、得るものも大きいはずです。勉強に専念することについて、なにかと悪いことと捉えたがる人がいますが、スポーツや芸術でトップを狙うことと同じではないでしょうか?

 

一方で、附属校に入って、じっくりその中高六年を自分のやりたいことにチャレンジしてみたりすること、部活に専念するとか、長い付き合いの学友を得る、はたまた大学受験生が受験勉強で手が回らないような一歩先を行く勉強をしてみるなどということも価値のあることだと思います。

例えば中学受験をしない小学生がどんどん英語を先取りしたり、プログラミングの勉強をしてみたりするのと同じような感じで。

 

どちらがいいか、また、偏差値が高い大学がいいかどうかは自分が決めればよいことだと思います。

 

どちらに進んでも、やる気のある努力家は、どんどん学んで進んだ大学でも活躍できるでしょう。
怠けている附属校生は大学へ行ったとしても、一般入学者に大幅に差をつけられているでしょうし、そのまま漫然と過ごせばネームバリューだけでいい就職ができるとも思えません。

怠けている附属でない学校の生徒はそのまんま、大学受験に困難を抱えるでしょう。

 

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そして、学校というのはそれぞれ個性を持ったもの。そこに集まる生徒の雰囲気もバックグラウンドも異なります。人との出会いが人生を大きく左右することを考えれば、模試の結果算出された偏差値よりも、その学校が本人に合うかどうかの方が大事なのではないでしょうか。
どこへ行ってもそれなりに順応性があるという人も多いでしょうが、そうであれば、実際自分がどんな友達と付き合っていきたいか、で考えるのもいいのかもしれません。

 

ある人が、大学受験で自分とは違う裕福な家の子弟が集まる大学に入ってしまい、後々もその学友たちのセレブっぷりに嫉妬が止まらないというのを目にしたことがあります。それでいいかどうかも価値観の問題だと思いますが。
気にならない人は同じ環境でも気にならないでしょう。

 

中学受験して私学に進学すれば六年間+大学四年間、多大な学費を払って学校を選ぶのに、偏差値表で考えるとしたらそれこそもったいないと思うのです。

 

冒頭の私の二浪した友達ですが、附属の中高六年間は充実していたようですし、その時点で残念ながら希望の学部に行けなかったわけですが、自分がそこまでして学びたいと思うものが見つかったのも、もしかしたらその学校にいたおかげかもしれません。

 

私自身が大学に入ったもののその学歴を生かさずに就職したのでそう感じるのかもしれませんが、彼は彼なりに満足しているのではないかと思います。きっと二浪もなんらか糧になったはず。

まあ、その後に入った大学も私大でしたので、二浪分余計に面倒を見た親御さんはお気の毒なのですが。私だったら無理(汗

 

せっかく今はネットなどでも学校の情報は豊富に得られるし、学校側もオープンキャンパスなどをして、学校の生活を公開しています。

簡単にお得なんて片付けないで独自の取り組みをしているような高校や大学をバンバン紹介してほしい。

 

就活に有利ではあるでしょうが、一番大事なのはその人がどんな人で、どんなことをしてきたのか、これからどう働いてくれそうだと思われるかの方が大事だと思うのです。

もちろんあまりにも偏差値差があれば、そうでもないと思いますが。実際私の頃も大学の超難関と難関でも送られてくる資料に違いがあることを目の当たりにしましたので。

 

また、いわゆる一流企業に入れば必ず幸せなわけではないのも昨今の電通の件などを見てもいえるわけで、じゃあどういった企業に進めばいいかは、各々異なると思います。

単純に給料だけではない、その後の生き方を含めて考えてみないと、さらには実際に働いてみないとそこが自分にとってよい職場だったのかなんてわからないのではないでしょうか。

 

大人が安易に煽らないでほしい。
もしかしたら、大人自身が一流=善という考えにとらわれ過ぎているだけなのかもしれませんが。

 

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社会に出てうまくやっていけるために

前回の続きです。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

多様な性質を持つ人を理解する社会

奥村さんの同僚の若者に、決して飲み会などに出席せず、人と飲食をともにしない人がいます。ある日その理由を尋ねると、その人は食べることとしゃべることを同時にできないのだそうです。

店でBGMがかかっているところに入ると、食べていいのか聴いていいのか混乱して食事もままならないそう。私が想像もしないようなことで苦しんでいる方がいることに驚きました。無音の店があればいいのに。
私などは勝手にBGMをシャットアウトして聞こえないので、本当に脳って人によってだいぶ違うのだと思いました。私の場合は取捨選択しすぎて記憶も曖昧だったりします。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

 

奥村さんも子どもの頃学校でざわざわしている中での先生の指示を聞き取れず、課題を忘れたり聞いていないと思われて怒られた経験があるそうです。

 

そういった性質があることを職場の人が理解をすることで、大変な困難が少しの工夫で避けられるのではないか、と思います。

www.nhk.or.jp

 

4年前の番組ですが、見たのを覚えています。こういう取り組みが増えてくると、社会は充実度が増すと思います。

類まれな才能がある方も多く、それを無益なコミュニケーション能力不全が原因の退職などで失わなくて済むでしょう。

よく「東大生は使えない」などと揶揄する風潮がありますが、能力の偏りがあるだけで、多くの人は知性の部分に偏りが少ない分コミュニケーション能力がある、それだけじゃないのかなと思います。

 

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それでも周りの理解を求める前に自らが合わせる道を探す必要はある

まえに栗原類さんの本のところで触れましたが、息子も時間やものの管理など、社会人としては当たり前に要求されるであろうことのいくつかがとても苦手です。

ASDの方たちがその生来の特性のために大変な苦労をしてきたこと、それを一人でも多くの人が理解するようになれば、その人たちの苦労はきっと減るだろうと思いつつ、それでもなかなかそういう社会になっていくには時間がかかると思います。

 

こういう文章が、一般的に広く知られるべきと思ってやみませんが、他方で親としてはまず、息子が周りに順応できるように工夫をしていかなくてはならない、そのために親も尽力すべきだと思うのです。

 

それと、自分が苦手であるということをまず理解することが大事理解をして初めて対策ができると、いつも息子に話しています。

自分の苦手をはっきり理解せず、つい「たまたま忘れただけ、次は大丈夫。」などと思っているから忘れない工夫もしないのです。

そういえばものの探し方についても奥村さんの同僚の傾向としてかいてありましたが、いつもとほんの少し(30cmくらいなど)ずれた場所に置いてあるだけで、目に入らなくなってしまい見つけることができない、というところで、息子もとても探すのが下手なのを思い出しました。

それなりに探させた後、私がものの10秒で探しだす、ということがとても多いです。もしかしたら、似ているのかもしれない。
私は何度言ったらきちんと探せるの! と怒ってしまうのですが、それは自分と同じように探せて当然という思い込みからくるもの。
それがとても不得手である、と考えれば、もう少し冷静にアドバイスできるかもしれない、とも思いました。
 

この連載で、奥村さんが自分と似た症状を持つ友達と違い結婚もでき、仕事も転々としなくてすむ大きな原因と思うことに、高校時代に自分は友達に嫌われる行動をしているらしいと知ったことがあります。

それで、彼は多数派の人たちとうまくやっていく術を「学習」して、身になっているのです。

確かに例えば身体的に障がいを持っている方でも、努力することでたとえば手が使えないけれども足で自在に絵を描いたりできるようになる人、目が見えなくてもかなり自由に生活できる人など、その障がいを少しでも克服して、何もしないよりはずっと社会生活をうまくできるようになる人がいます。

そのためには大変な努力が必要で、そこをどこまでやればいいか、というのは自分で決めていくしかないと思うのです。(障がいの有無に限らないですね。誰でも自分の能力を最大限出すか出さないかは自分で決めるし、その結果が自分に返ってきます)

 

テレビ業界で働く奥村さんは、ある日突然仕事に余裕ができ、上司から夏休みを提案されるのですが、一週間の夏休みを突然与えられてもどう使って良いかわからず軽いパニックに陥ります。

スケジュールのない生活など信じられなかった彼は、その168時間(睡眠を除いて126時間)をどう潰すかに悩みます。
旅行、読書、考えているうちに奥さんから息子さんの勉強を見てほしいと頼まれると、その夏休みの間じゅう勉強のスケジュールをたててしまい、二人から拒否されます。
そのまま夏休みに突入してしまい、はからずもスケジュールのない休みを送ることになってしまうのですが、毎朝三人で話し合ってその日どう過ごすかを決めてのんびり過ごしたことで、初めてスケジュールから解放されて生活をすることになりました。
(子どもの頃は夏休み初めに一日くらいを使って、夏休みすべての日のスケジュールを30分刻みくらいで作成してそれを厳守しようとする方なので、この行動は信じられないことです)

それを人生最高の夏休みだった、と語っています。

自分が一番苦手なことと思っていたスケジュールのない生活が、大変快適であることを知ったという興味深いエピソード。

 

これを読むと、必ずしもその人の習性に配慮ばかりすることもないのかもしれない、と思いました。

 

発達障害なんだから仕方ない、かわいそう、とだけ考えて不都合から避けているばかりでは、社会生活になじめないのだ、ということを奥村さんの友達の話で痛感しました。

大人になったらどうにかなるんじゃないか、実際そういう人もいるかもしれないけれども、それでもより周りとうまくやっていけるように、自覚と工夫が必要だと思うのです。

居場所を探すことが一番大事

ただ、周囲となじまなくてはいけないのだから、どこでも我慢し、順応すべきと安易に考えるのはそれも違うと思うのです。

 

職場も学校も、探せばより適した場所はあります。奥村さんは自分の時間へのこだわりや正確さが生かせるテレビ業界に入りました。

奥村さん自身もはじめはそこが自分に合っているとはとても思えなかったそうですが、同様の症状を持つ先輩を頼って見学に行くと、実際似たような症状を持つ方が多いし、彼らがその緻密さ正確さを評価されていることを知ります。

言ってはいけないことを言ってしまうせいで、それまで就職活動で惨敗していた奥村さんが、その先輩や先輩の同僚に言われた長所をアピールしてテレビ業界でいくつか内定を取れたそうです。

 

適材適所。もともと大学になるまで自分のことを理解してくれるような友達ができたこともなく、無理して人に合わせることにもほとほと疲れていた彼が、数学サークルに入ったことで自分と似たメンバーの多い環境でのびのび充実した大学生活を送れたのであるし、就職先を見つけたきっかけがその先輩であることを考えると、自分の居場所を探す、ということはとても大事なことなのだと思います。

 

実際息子を中学受験させた一番の理由は、ちょっと変わった面のある息子の居場所を探すことでした。小学校も同様でした。
そして、そのまま地元の小学校から地元の中学校へと進んでいたら、きっと息子の環境は大きく違っていただろうな、と実感しています。

 

みなそれぞれバラエティのある子が集う息子の学校では、そもそもそれぞれが違いすぎていて出る杭が見極められない。そして他人が浮いていることにそう興味もない、という雰囲気があるようです。
小学校と中学校は全然違った環境ではありますが、それぞれ息子にはきちんと居場所があるようで、落ち着いて通っています。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

親としてその子どもの居場所を探す手伝いをしてきたつもりだし、これからもそうしていくと思います。

職業選択についてはまだ暗中模索の状態です。
色々とできない様子を見るにつけ、もう大きいのだから親が気にすることではない、という一般論はありますが、もちろんレールを敷いてあげるという気持ちはありませんが、 放っておいてしかるべきところに収まるとは思えないことを今回の連載を読んで改めて感じました。

20歳そこそこの社会経験のない、いくつか困難を抱えた息子が自分の特性にあった職場を選ぶときに助けとなるようなアドバイスをしたり、そもそもきちんと自分の将来を考えるように導くことがこれからの私の課題かな、と思っています。

 

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ネットの口コミをどう判断するか

最近学校の先生と話をしました。 
学校の口コミサイトに生徒と思われる人の悪評が書かれて、おかげで☆のランクが低くなってしまった、というもの。

 

それに対して、その書き込んだ当人に怒りを覚えているようなのですが、なかなかこれは難しい問題ですよね。

書かれていることがなんの根拠もないものだとか明らかな誹謗中傷であれば、書き手が変だと他の読み手にもわかるでしょう。でも、実際にあった先生とのトラブルだったら? 学校の対応の悪さだったら? 

口コミサイトそのものは、学校公式サイトにない生の声をいいところもよくないところも知ることができるという意味で存在価値があると思うのです。

 

実際私もどこまで本当かとか、人によって評価は異なるとわかっていても口コミサイトを参考にすることがあります。

たくさん読めば、単純にいい悪いというより、飲食店ならたとえばなんとなくの雰囲気(高級感たっぷりなのか、賑やかでワイワイ飲めるのかなど)は、口コミの方がずっとわかる気がするからです。

 

他にもある幼稚園で一人の保護者に悪評を書かれて困っているという話を聞きました。

一つの悪い書き込みのパワーってすごいのだと思いました。

 

仕事関係でも、元職員のアンチサイトに困って、かなりお金をかけて対策をした話を聞きます。

 

ただ、口コミから受ける恩恵もセットと割り切って、あとは学校側はどう対応するかなのでしょう。

トラブルが出た時のうまい対応で、逆に好感度アップというのは時々聞く話です。

 

実際生徒に不満を持っている人がいる、そこを潰すのではなく、そういう不満を学校側はどういう風に受け止めていく、といったコメントを第三者としては期待したいなと思っています。

その話題の中で、学校の公式側からの生の声が少なすぎる、という意見が出ました。

 

いいもわるいも、それこそ口コミサイトのように、ある程度自由に語らせたものを多数公開したらいいんじゃないの? という意見。

 

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確かに。受け手側だってバカではないので、100%いいことしか載せていない学校が本当にいい学校だと信じる人ばかりではないし、実際どんな学校にだって、ここはちょっとというところもあり、その中でどれを一番重要視するかで決めているわけで。

 

本当に学校側がこういう情報をもっともっと載せてくれたらいいなぁ。
生徒会ブログでもなんでもいいから、とにかくいろんな意見を。

 

しかし、久しぶりに学校の先生という立場の人と話をしていて、なんとなぁーく先生と自分の考え方の違いを感じました。

というか、中学時代の竹刀持ってる怖い先生を思い出してしまった(笑

 

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Up!

magumagu.hatenablog.jp

勉強カウンセリングで気合を入れる!

息子の期末テストも終わり、開放感でいっぱいのところですが、11月に受けていた東進の統一テストのカウンセリングをお願いしていたので、息子と一緒に聞きに行きました。

 

今年度に入ってからほとんど勉強をしていない息子。少しは焦るかと思い受験させました。ほかの友達には嫌がって受けないとか、しぶしぶ受けたという子もいましたが、息子は特に何も考えず近所で受けられるからと受験しました。

 

結果は、まあ、こんなもんかという程度。案の定不得意な数学が後半解く時間がなくなり、点数がぱっとしませんでした。

 

さて、カウンセリングをしてくださった先生は、期末テストで対策をどのくらいした?と、具体的な学校で使っている問題集で何問解いたかと尋ねました。

息子は途端にモゴモゴと口ごもり。

「10問くらい?」

「えー! 10問って、試験範囲が12問くらいの中の10問ですか?」と大げさに驚いてくれる先生。

苦笑いする息子。

 

「例えば問題集2周くらいしてテストに備えたけどできなくてという話かと思いました。」

とさらっと、ずっと厳しいけど当たり前のことを言ってくれました。

息子たじたじ。

 

結局その先生も、

「そんなにやっていないのにその順位なら、やるべきことは、わかりますよねー。」

「はい。ちゃんと問題集をやる!」

めちゃくちゃ誘導されている。私は隣でニヤニヤ。もっと言って〜!

 

また、「計算が苦手で〜。」という相談には、

「君は読書好きだよね? 例えばハリーポッターどれくらいで読み終わった?」

「三日です。」

「それって普通の人より早いよね? 慣れていることって早くなるんだよ。

計算も続ければ早くなるよ。」

 

そのあとは具体的な志望校に合わせた科目選択などについても息子に希望を聞きながら、具体的なアドバイスやセンター試験などで取っておきたい点数などについてかなり細かく話しをしてくださいました。

 

「というわけで、いまは塾は必要ありませんね〜〜。」と言われて、終了。

 

先日も塾行かせるかどうかを書きましたが、やはりしばらく自分で頑張ろうと確認できました。

 

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

タダでここまで刺激を与えてもらってありがたい。

そのうちちょこちょこお電話は来るかもしれないけれど。

そういえば、最初に中学受験で火がついたのも、入らなかった塾のカウンセリングだったなぁ。この塾ではないが。

 

日々の復習とか問題集2周するとかは、私が日頃言っていることではありますが、改めて当然でしょ、と突きつけられることで、少しは私の諌言も耳に入るかしら?

 

こちらのカウンセリング、どこでもやっているのかどうかはわかりませんが、もし受けられるなら受けてみるのもオススメです。 

 

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東京クリスマスマーケットに行ってきました!

というわけで、子育てに関係ないブログをせっかくPROなので、別に作ってみました。

magumagu.hatenablog.jp


よかったら訪れてくださいませ。
クリスマスマーケットはあまりお子様向けではないので〜〜。

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文理選択、その後の受験に悩む

先輩のお母様方とゆっくりお話する機会がありました。

 

その中で、そろそろ受験科目も決まり、学部もこの辺かなーという話を聞きました。

理系の学部に行きたいわけではないが、社会が苦手なので理系科目で受験したいという人、経済学部などを目指していて、そう数学が得意じゃないが数三も受けているという人、やはり理から文転は楽だけれどその反対は難しいと話していました。

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転じて息子ですが、数学が穴となっています。
他の科目は概ね問題ないのですが。
苦手科目から逃げるのが直すべき課題なのですが、道は険しい。

 

以前もとある記事を読んであまりぼーっとしていられないことについて書きましたが、本当にそうで、夏頃から息子にも大学受験関係(特に必要な科目について)調べるように言っています。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

もちろん、受験さえ終わればいいということではなく、その学部、専攻で職業につながるもの、そうでないものなど、就職を見据えた視点も必要だと思っています。

 

少し前ですが、息子が図書館でこの本を借りてきました。

 

 これは、よくある大学ガイドのように大変分厚い本ですが、他の学校ガイドのように、学校別にウェブで見られるような情報が羅列してある本ではなく、就職に役立つかどうかという目線で目指す職業別に様々な大学の使える学部、いまいちな学部を紹介していて、まだ何を目指すのかわからない人には、なにかの指標となる一冊かもしれません。

 

もちろん取り上げている大学・学部はほんの少しではありますが、そういう風に見ていけば良いのかな、という目安にはなると思います。

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中学受験をさせるべきかどうか

中学受験生は追い込みの時期ですね。

そして、2月を学年の区切りとする進学塾の入塾を検討するなら年明けには入室テストや説明会に出かける方もいらっしゃると思います。

 

中学受験をさせるかどうか迷っている方に良い記事があったのでご紹介します。

 

www.mag2.com

 

①私立国立系中学受験、②公立一貫中学受験、③高校受験(小学生時代の受験はしない)の3つの中からどれを選ぶかについて語られています。

 

我が家は結果的に①でしたが、子どもが小さい頃は③のつもり。
途中で公立中高一貫校ができて、②もいいなあと。
これで続々都立高校の進学校だったところが公立中高一貫校になってしまい、都立高の選択肢が減ったこと、息子の技能系科目がぱっとしないことから③の選択肢はなくなりました。

 

②について調べていくと、倍率が高いこと、この記事でも触れられていますが、どのような備えをすれば確実に合格できるというものが見えにくい。
両方の理由で、公立中高一貫校だけを目指すというのは、わりとリスキーだな、と思って①にしました。
おそらく、息子の成績でちょうど良い公立中高一貫校があれば、2月3日に公立中高一貫校の併願もあったかもしれませんが、息子は3日に国立を選んだので、結果受けることもありませんでしたし、対策もしませんでした。

 

ここに書かれている通り、各家庭の経済事情や各お子さんのタイプによって選ぶルートは違うのだろうと思います。

 

知人でも公立中高一貫校と滑り止めに私立中学を併願した子はいます。
公立は不合格で、私立も中堅クラスの学校だったため、そちらには行かず公立中学校へ行っている子が数人います。

個人的には一人の子は公立中から高校受験の方が、私立の学校よりもっと進学を考えたら偏差値の高めの学校に行けるような気がしています。その子はなんでも満遍なくできるタイプの子なので、きっと内申点もよいものを取れるのではと思っています。

 

別の子は少し個性的な子だったので、公立中学に進んだものの、授業も友達関係もあまり面白くはないと話しているようです。高校で自分にあったところを選べるといいなと思っています。

 

結果的に見て中学受験が良いか悪いか、その後にどう影響するかは、一人ができる選択は一つですから後から振り返ってもわかりません。
うちでも、結果としてよい学校に行けたと思ってかなり親子で満足はしていますが、経済的には受験をすることで塾代から学費と負担を強いられます。

 

親はその辺を踏まえて、じっくり考えて選ぶことが大事かと思います。

 

以前も書いていますが、子どももその気になりますから、あまり容易に受験するかどうかを周りに流されてなんとなく決めることではないと思います。

 

seiseki-t.com

 

個別指導塾のオーナーさんのブログです。
デメリットについての記事を読みましたが、ほかの記事にも塾講師経験上、「そうそう」と思えるものが多いです。

上の記事のデメリットの中高一貫校の授業内容については、学校によりかなり違うのではないかと思うので、なんとも言えませんが。

様々な意見を読むことで少し全体が見えてくるかもしれません。

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先日姉妹を別々の私立女子校に通わせているお母さんとお話ししましたが、学校ではとても勉強に力を入れているそうです。
冬休みなどに補習があったり、英語も英検をノルマとしているとか、そういうところは多いようですね。

 

よほど成績が悪くない限りそういったリードがない息子のような学校もあるので、学校に何を望むのかによっても選択は変わってくると思います。

公立の中高一貫校にも学校により力の入れ方は違うようですから。

 

といいつつ、息子は今日家庭科の補習です(泣)。
単純に授業時間に終わらないから。試験前で部活もないのにどうしてくれるのか。

小学校のときからなんら変わっていない。家庭科の授業時間中にしゃべりすぎて先生に怒られたそう。

「でも口にチャックと言われて集中したら、あっという間に友達を追い抜いた。(それまでビリだったが少し前の子を抜いただけ)。俺は本気出せばできる。」

 

はいはいはい。小学校の給食時間もしゃべりすぎていつも後輩より遅くてギリギリで掻き込んでいましたよね。

 

 

 

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