少し前のこと、タクシーで目的地の車寄せに停めてもらいました。
タクシーの相乗りをしていたので、まだ会計はせず、降りるだけでした。
タクシー運転手がとても雑に停めたので、道を塞いだ形になったのが少し気になりましたが、後ろを見ると車はいないので、会計もないことだしさっさと降りようとしたとき、入ってきた後続車が、おそらくその停め方を見ただけで大きなクラクションをならしまくりました。
クラクションまでほぼ待ち時間なしです。停まると同時くらい。すでにタクシーの扉を閉じていましたのでさっと移動して振り返ったところ、その後続車の運転手はなにかをすごく大きな声で叫んでいました。大きすぎて意味不明。
ちょっと心臓に悪い出来事でした。高級車に乗っているが随分下品だな、と思いました。
ただ、最近そういうことにこちらが怒るのは馬鹿馬鹿しいと思うようになりました。
ここ最近この傾向は強まりました。
周りの影響を私なりに大きく受けているのだなと思いました。
そんな折、下記ブログでなるほどと思いました。
結婚について書いているのですが、その中で後半の生き方についての考察
生き延びるために必要なもう1つは、いかに“愉快に、機嫌よく”生き延びるか、です。不機嫌では想像力も知性も働きません。
悲観的にならない、怒らない、恨まない。そういうネガティブな心の動きはすべて判断力を狂わせます。危機的状況下では判断力の正確さが命です。にこにこ機嫌よくしていないと危機は生き延びられません。眉根に皺寄せて、世を呪ったり、人の悪口を言ったりしながら下した決断はすべて間違います。すべて。ほんとにそうなんです。不機嫌なとき、悲しいとき、怒っているときには絶対に重大な決断を下してはいけない。これは先賢のたいせつな教えです。
きっと上記の運転手は、一日のうちに怒ることが多いでしょう。
いつも愚痴を言っている人は、きっとストレスをたくさん抱えているでしょう。
以前書いた受験生の父が息子を殺した事件の続報が出ていました。
※(9月27日追記)ニュースサイトから削除されたので、リンクを変えます。
こちらも消える可能性があるので下に一部引用します。
自宅で小6の長男(12)を包丁で刺したとして、愛知県警北署は21日、名古屋市北区上飯田北町2丁目の運送会社員、佐竹憲吾容疑者(48)を殺人未遂容疑で緊急逮捕し、発表した。「誤って刺した」と殺意を否認しているという。
www.asahi.comより引用
「殺意がなかった」のに包丁で刺したってどういうことなんでしょう。
怒りの渦中での判断はすべて間違える、ということをひとつ覚えておこうと思いました。
たぶん人生的には「怒った方が負け」なんだと思います。
そういった先人の知恵はあるでしょうか。
怒りは敵と思え
徳川家康の遺訓より
まさにこれですね! 「負けるが勝ち」みたいな感じでもっと広まってほしいです。
さほど歴史に詳しくはありませんが、家康といえば「策士」と言った印象があります。学ぶところは多そう(あまり好きではないのですが)。
怒りの結果は怒りの原因よりはるかに重大である
マルクス・アウレリウス『自省録』より
マルクス・アウレリウスといえば、ローマ皇帝。そんな昔から、こういったことに人間は悩み続けていたのですね。そして成長しなーい。
まさにこのことばを受けたかのような次のサイトに面白いことが書いて有ります。
週末に上司に出勤させられて怒る。この場合、思うように行かないことは週末に休むこと。第三者の立場からこの状況を見て色んな原因を捜してみよう:
- 何で怒った?
- 何で週末に出勤するのが大変?
- 何で上司は出勤させた?
- 上司は何を考えている?何を感じている?
- 上司は何でそう考えている?何でそう感じている?
eigoboost.comより引用
原因を考えたら少しは相手の気持ちもわかるかもしれない。共感ですね。
そうすると怒りの量も減る気がしませんか。
私は高速でひどい抜かれ方や割り込み方をされると、
「きっとトイレに行きたくて仕方ないのだ。お気の毒さま。」
と考えることに決めています。本当にのっぴきならない理由かもしれないしね。
過去記事でも書きました。子どもがなんでそういう行動にでるのかを考えないと怒りがドンドン積み重なっていくような気がします。
そしてその時にも、マルクス・アウレリウスさんのおっしゃるとおり、つまんない原因で結果は大変なことになっているのです。
冒頭のトラブルに戻ると、最近こんなこともありました。
※(9月27日追記)ニュースサイトから引用記事が削除されましたので、リンクを削除しました。
後続車に抜かれた男がその車を抜き返して道路を封鎖。
後続車の運転手が降りてきたら腕を刺されたとのこと。命に別状はなかったのでまだよかったのですが。
原因は、おそらくですが「追い抜かれたこと」でしょうか。ちっちゃい。
で、結果は全国ニュースで報じられる程の犯罪です。
後続車の方もお気の毒ですが、
「ドアあけちゃいけなかったよなぁ、道路封鎖なんてする人普通じゃないし」
と思いました。でも、もしかしたらその人も怒りで判断を間違えたのかもしれません。
「危ない人だ。」と思って怒りを防御に振りかえれば、そのまま怖い思いだけですんだかもしれない。
でも、もし同様に「なんだこいつ!」と怒ってドアをあけて、刺されるところが悪ければ、命を失ってしまいます。それではつまらなすぎる…。つまらないどころではない。
キャンキャン吠える犬は苦手なのですが(犬は嫌いじゃないです。全般的に動物好きです)、吠える犬はびびっているわけですよね。
全力で私に吠えてくる犬に
「ちっちっ!(人差し指ワイパーみたいにして) びびんなよ!」
と心で呟くと嫌な気持ちが減りますね。(どーでもいいですね。)
だいぶ前ですが、俳優の故高倉健さんがテレビ番組に出て、非常に周りの方に丁寧で優しい様子を見て、あれだけのベテラン俳優なのにここまで周りをたてる人がいるのかと大変感心した記憶があります。
その後健さんが謙虚で周りを分け隔てなく気遣う人であることを知って、
この人最強だ!
と思いました。
いまどきどうかはわかりませんが、昔は好きなタイプは?って聞かれて「優しい人!」って言うの、ステレオタイプみたいでつまらないと思っていましたが、結構理にかなっているのかもしれません。
自分に余裕があるから優しくできるんですよね!
ま、好きな子に尻尾振ってるだけの偽のやさしさか本物かは見分けなくてはいけないのだけれども。
子どもが悪さして怒り狂うのは「小さい」自分だ。
原因を探して、どうすればいいか考える。
優しくなれたら少し強くなれたかもしれない。