悩める子育て

幼児から中学受験→難関校からの大学受験、その先を考える

大学入試共通テストに向けて、使える英語を身につける2〜高校生からはじめる「現代英語」〜

大学入試真っただ中、高2、高1の皆さんは、少しずつ自分の一年後二年後を思い、気の引き締まるところ。

 

お気軽なところでNHKテキストから。
高校生からはじめる「現代英語」

 

このテキストのレベルは、テキストによると、CEFRのB1〜B2くらいだそう。


↓CEFRについてはこちら

eigonotomo.com

 

基礎英語などと違い、こちらは週に2日。
2日で1セットとなっている。

 

メインの文章はNHKワールドJAPANで放送されたニュースが元になったもの。

一日目のポイント

ニュースの文章は構造がだいたい決まっているので、その構造に沿った解説が文章の脇に抜き書きされて、全体の流れが整理できる。

単語やフレーズがリストになっていてチェックできる。

日本語訳で確認。

今回の英文に関わるポイントが解説してあり、単語の意味を広げたり、文法的なことに触れたりと、内容は様々で教科書だけではわからない知識などもあって興味深い。

また、放送では触れないのだが、本文の一部単語が日本語になっていて、語彙力チェックができるのもいい。

 

二日目のポイント

反訳トレーニングという、反対方向から訳す練習をする。
英語の語順を意識した勉強法。

「対訳」では、今回の英文の全文を、日本語から英語へ反訳できるように日本語訳(反訳)と英文が並べてある。

今回のテーマについてのディスカッションも載っていて、ニュースを題材としている教材ならではの、社会の出来事に触れた生きた英語に触れられるのも良い。

 

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どんな力が身につきそう?

CEFRのB1〜B2くらいというと、平均的な高校生(受験生を除く)には難しいような気もするが、どの文にもしっかりと和訳がついているので、個人的に新聞などの英文を読むよりはだいぶとっつきやすい。
全部を理解と気負わず、和訳と見比べてなるほどと納得することで、色々な人に良い教材となるのではないか。

 

一方、反訳トレーニングを二日目にじっくり取り組むことで、英作文の力がしっかりつくように思う。

ただ、そこまでしなくても、毎週二日、少し難易度の高い文章に触れる経験を続けるのは価値があるように思う。

文章量もそう長くはない(テキスト1ページ分)が、このくらいの分量を短い時間で英語の語順のまま読み進めていければ、英文読解の助けにもなるように思う。

 

このお手軽さが、忙しい高校生には向いているように思う。高校生に限らずだが。

ちなみに英字新聞記者を長らくやってきた著者のHPは文字だらけなのですが、英語に関わる多岐にわたる話題を扱っていて、英語教育や、無料で英語を学ぶ方法などもあるので、少しずつ読み進めてみたい。

 

 

大学入学共通テストに向けて、使える英語を身につける〜the Japan Times alpha〜

センター試験も終わり、現行のセンター試験もあと一回となった。

二年後には大学入学共通テストが始まる。

【新入試Navi】センター試験廃止で変わる!大学入試 | 変わる大学入試! - 新入試Navi - | 受験・進学情報 | 大学受験の予備校・塾 河合塾

 

英語のテストも民間試験導入などが予定されているが、これからの英語の勉強は4技能をバランスよく身につけなくてはいけない。
生きた英語を身につける教材について、使いやすそうと思ったものをいくつかご紹介していきたいと思う。

the Japan times alpha

the Japan timesが出している週刊英語学習誌。
こちらに詳しいが、昨年リニューアルした。

 

www.japantimes.co.jp

alpha.japantimes.co.jp

 

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リニューアル以前の週刊STは購読していなかったので、比べることはできないが、過去に自分が高校生の頃もこのような新聞を読んでいた。
紙面は似たようなもので、ニュースや興味を引く記事に単語の意味がついていて読みやすくはあったが、どうしても読まないものがたまりがちだった。

今回改めて学習用の新聞をとってみて感じたのは、ウェブサイトとの連動だ。

The Japan Times Alpha Online― 英語学習者のための英字新聞

多くの記事の和訳を読むことができるので、自分の理解があっているか確認できるし、わからないときにも助けになる。この辺が、新聞だけだった以前に比べて取り組みやすい。さらにいくつかの記事はリスニング教材になっている。

 リスニングは会員サイトの中にあるのだが、現在は誰でもアクセスできるので試して見るといい。

 

初級(TOEIC550未満)から上級(800以上)までレベル別にあり、レベルにあったものを選べる。

こちらにはリスニング課題の取り組み方が書いてある。一つの記事を10回聞くというのはなかなか大変だが、このやり方であれば着実に力はつくのだろうと思わされる。

24ページで、日本語の文法解説やライティング講座、crossword puzzleなどもあり、印象としては普通の英字新聞を読んだりするよりは短い文章が多く、飽きずに読み進められるので、とても気楽に取り組める。

これで一部300円、月に1000円あまりなのはなかなかコスパも良いように思う。

タブロイド判で気楽に持ち運べるし、初級から上級まで色々な方に対応しているのも良い。

 

私は寝る前などはベッドでリスニングを聴きながら取り組んでいる。英文もウェブサイトに載っているので、本紙がなくてもiPadで見ながらでき、取り組むハードルは低い。いつまで会員用ウェブサイトを公開しているのかわからないが、ウェブサイトだけでもかなり使えるので、試して見ることをオススメする。

 

 


常にギリギリで生きている男

以前にも書いたが、中学受験時、初めて息子が今の学校の過去問をやったちょうど今頃。
苦手の算数で9点をとった。あと数ヶ月後には受験をするかもしれない学校の過去問だ。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

しばらくぶりに過去記事を読んでみたが、やはり息子は相変わらずだ。

今回、あることでも、前々から備えるようにとアドバイスしたけれども、本人は目の前のことで忙しなく、結局私が予想した通り、〆切前の怒涛の展開が繰り広げられた。

とは言っても、何もしないでのんびりしていて後になって切羽詰まるわけではないので、仕方のない面もあるのだが。

 
時間管理とは何事にも大切なことだが、息子はとても苦手としている。

 

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いろいろな記事をネットで漁って見ても、多くはギリギリでやる人はできない人の烙印を押されているし、本人がだらしがないとかきちんと守ろうとしていないと本人の不真面目さを指摘しているものが多いように思う。

子どもの先輩のお母さんともよくお話するが、とても真面目なその親子のお母さんの口癖は「時間管理がきちんとできれば大丈夫。」と一般論であるが語られたりして、それを聞くとなんとも変な汗が出てしまう。


私の中ではこれも理屈ではどうにもならない特性だと思う部分もある。

その症状で社会生活に支障が出ているようならば、病院の受診が勧められているだろうが、発達障害も、診断されるほどではないが同様の症状を持つ人のことも、身近にそういう人がいない人々の理解は難しい。

 

 

 

私は読んでいないが、こんなタイトルの本がでるように、時間管理を苦手とする人たちがいる。この本のアマゾンレビューで興味深いのが、星1つの方の、ここに書いてあるような対策こそ発達障害の人には苦手、という内容のコメントだ。

 

片付けなんかもそうなのかもしれないが、いい方法を知ったらできるようになったという人がいる一方で、その方法の実行自体が難しい人には解決できない。
それをいい方法さえ知ればできるようになる、と信じている人からしたら、「なんでできないの?」となるのだろう。

 

実際私も息子がいくつか習慣にしてほしい事をどれだけ言っても、手を替え品を替え工夫を提案しても続ける事ができないことには「なんでできないの?」という思いがある。理解はできない。が、ただ、息子にはそれが苦手らしい、と認識する。

 

別のところで、子どもの度を超した遅刻癖がひどいという相談に、「親がだらしない」「こうすればいいのでは? なんでしないの?」という意見が並ぶ。時々発達障害を疑う意見は見られるも、本人の努力の問題だと思っている人もそれなりにいる事がわかる。

つい最近も、職場に発達障害の人がいるという友達が、その人の仕事のできなさを話題にしてきた。
また、別の人から、部活の先輩が色々な事ができずに後輩からバカにされたりしている、という話を聞いた時も、話し手はその先輩に同情的ではなかった。
むしろ両者ともその人のせいで仕事が滞ることへの不満を持っているようだった。

 

自分の身近な人でも理解がないことを改めて残念に思う。
そして、自分自身、振り回される側だったとしたら、やはりイラっとしてしまう恐れもあるのではと思う。
 

治療が必要な発達障害の人の苦労は計り知れないが、我が子のように大きな支障が出ているわけでもなく受診も勧められない子でも、実際は似たような苦手があり、そこはなかなかどうにもならない。

 

幸いなのかなんなのか、息子はなんだかんだギリギリに生きていても、どうにかうまくこなせてしまう事が多い。
今回も結果としては成功。受験の時もそうだった。9点からの逆転合格。
模試だと集中できない。先のことを見据えて動けない。
それでもほとんど満足いく結果を出してしまった。

以前何かで読んだ事がある。ギリギリで間に合った経験のある人は、その成功体験を覚えているからなかなか備えるようにはならないと言う。

それを受けてか「一度大きな失敗をしたほうがいい」と言う意見も散見するが、それでも治らない人は本当に治らない。失敗に懲りて治るというなら、論理的に動けているんだから、そもそも大して困らないはず。

 

人は自分の理解できない他人の行動について、自分の理解を超えた部分はその人の「性格のダメさ」でかたづける傾向が多くないか。少なくとも勝手な想像でかたづけないでわからないものについてはわからないままにしておけないか。

アルコール依存とか薬物中毒の人が「もうしない」という約束を守れないことを、簡単に「信じられない」ということは傲慢のように思う。

 

 今回息子のできばえを見て、やっぱりこういう人生なんだ。彼は彼の持っているポテンシャルだけで生きていくしかないのだろう、と思った。

かと言って完全に放っておいてはなおさら身につかない。自分であれこれ工夫や対策をしないので、友達の職場の人のように、メモを取るなど自分なりに苦手をできる限り減らす努力も必要だが、それをこんこんと説くしかない。

知能は人より優れている場合も多いので、なんでこの難しい作業ができて、こんなに簡単な事ができないのかと不思議になることも多いかも知れない。

子どもの場合は、例えば早熟のように思え、大人と対等に話せることも多いからこそ、できて当たり前とこちらも誤解してしまう。
それで、決まった時間に出るとかものを失くさないと言った簡単な事ができないのかと腹が立つという経験が私にもあった。それで声を荒げたことも一度や二度ではない。

今は、私がそうやって彼の苦手を真っ向から否定してしまわないかとどこかで恐れていたりする。これだけ書いていたって、わかっているつもりだって、やはり生活は毎日だ。毎日フツーの感覚でなされる会話を聞いていれば、余計な雑音となって入ってくる。
感情的になることも以前は多かった。最近は「きちんとすること」から少し距離を置こうと思っている。
今では、自律できていて、なお努力できる能力の高い子などを見ると、
「将来のエリートだな〜。」
なんて他人事として見られることが多くなってきた。

 

小学校は特に、「ちゃんとしていること」が一番大事なことだと教えこまれる機関なんじゃないかと思う。

毎日遅刻せずに学校に来て、友達とは仲良く遊び、先生の言うことには従う。

それが求められる子。

親も自分の子がはみ出さないよう、きちんとやっているきちんとした親と見られるように気を張っているように思う。

 

わが子に深刻な悩みは少なかったが、それでも、年に何度か学校から課題がなかなか終わらないけれど大丈夫かと連絡があったりすると心配になったし、持病に対する無理解を感じたことはあった。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

 

息子にはどれだけ先のことを考えなくてはいけないと言っても、なかなか身につかない。かと言ってその成長はゼロではない。
だからこそ、何度でも言い続けるしかないのだろう。

とにかく何年経っても同じこと言ってるなーとうんざりした時にふと思った。

「何度でも何度でも何度でも言ってやる!」ドリカムの『何度でも』が身に沁みる。

  

vt-maguna.hatenablog.com

 

↑本番に強いのだけが彼にとっての強み。これはいまだにそうで、1000人以上を前にしても動じないのだそうだ。

結局、周りの子が緊張でガチガチになっているなか平然としている神経が私にはわからないし持てないのと同じように、物事を俯瞰して見て時間管理を徹底し、対策するということは彼には難しいと言うことなのだろう。これって人による傾向の違いだと思えば少し受け入れられないだろうか。
 

結局ギリギリで生きる彼はなかなかそのやり方を変えることはできないかもしれない。
あとは彼のもつ能力をどこまで発揮できるかどうか次第だ。
そこは、周りが無理やりいってどうにかなるものでもないのだ。

ある困難な状況にハマった時、この方法でダメだと感じたら、無理に進めるのではなく、子どもを無能だと決めつけるのではなく、その場で最良と思える選択をしたいと思っている。何が最良かは模索中だ。

 

受験に対して私の価値観での「万全を期す」事ができなければ、あとは見届けるしかない。思春期になり、親の仕事はもはや見守るだけ(あとは少々の情報提供)なのだと思うこの頃。

私が高校時代に学校を辞めたいと言った時、冷静に辞めた方が大変だと思うよとは言いつつ、私の考えを真っ向から否定しないで立ち直るまで待ってくれた両親に感謝している。あの時、問答無用で学校を辞めるなと言われていたら、辞めなかったかも知れないが、親はわかってくれないという思いしか残らなかったと思う。

そういう、親として心配したくないというエゴだけで動きたくはないな、と思っている。

 

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中学受験ってどんなもの?(3)大学受験、そのさきを考えて

前回、前々回の続きです。

中学受験を考えるにあたり、参考になる書籍をご紹介しています。 

 

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

ブログのサブタイトルだけ変えてみた。今回は中高生にも役に立つ内容。

 

第六章は難関大学に合格できる学力について。

主に予備校の先生である天流仁志先生の教えを元に書かれている。

天流仁志先生は『親と子の最新大学受験情報講座』の著書があり、これはわが家でも大学受験の概要を知るために文系編、理系編ともに持っている。


 

もともと、このブログも私の備忘録的なものとして書いているので、この書籍についても改めて読み直してまとめたいと思う。
 

具体的にはどの学校へ行くとどこの大学を目指せそうか

時代により大学受験の様相も変わっているから、実際子どもが小さいうちは、どの学校へ行けば、どの大学へ進めそうかという実態は掴みにくい。
面白いのは、上位3分の1に入るかどうかという程度の生徒の進学先を表にしているところ。トップクラス1割を除いた「まあ上位」くらいの生徒としているのは納得だ。
先の記事にも書いたが、小学生は未熟で受験コーディネート能力がないからこそ、そして中学受験が難しいものだからこそ、「まさかの不合格」が生じてしまう。
そして、そういうまさかの不合格をした子らは、滑り止め校に入学する。
 
私が子どもの中学校見学をしている頃、偏差値的にはそう高くない学校でも東大に数人合格していることに気づいた。
 
今の都内の私立中学校はその偏差値が大変細かく輪切りのように分類されている。
そこで、各学校の進学実績も偏りがちになると思うのだが、ここで難関クラスでない学校から例えば東大合格者が出るということは、本来最難関校へ行くはずだった子が滑り止め校へ入学し、本来の力を発揮して大学に合格したということではないか。
そう考えると、その学校のトップクラスの実績は、本来その学校がレベル的に合っている子にとってはあまり参考にならないデータなのだろう。
 
本書の表のように、そういったトップクラスだけではない、まあまあ優秀層の進学実績を考えると、だいぶ行きたい大学に対して目指すべき学校が見えてくる。
 

大学受験生の学力の低下

大学受験生の学力は低下しているという。
ゆとり教育が終わってもあまり変わらないと。
確かに周りで高校受験をした人の話で、中堅の都立の学校だったが、受験する学校の倍率がほとんどないので、そう無理して勉強しなくても合格できてしまったと聞いている。そしてその学校からそこそこの大学へ実績もある。聞くと推薦で大学へ行けることが多いとか。彼らは受験勉強を必死にすることなく、そこそこの大学へ進学できるということになる。
↓今年は都立高で定員割れが多くあったという。
 
どこかに入れるなら良いと考える人には楽な選択肢かもしれないが、子ども時代のゴールは就職するまでと考えると、本当にそれでいいのか、と疑問が生じる。
 

大学受験に向けて必要な高校での学習は、在籍する高校によって大きく異なるという。
だから、大学受験を考える時には高校受験から見なくてはいけない。
ゆとり教育が知識を身につける量を減らしてしまった。知識が少ないと深刻な影響を持つのが、世界史や世界地理だという。
また、数学などでも応用問題を扱わないまま高校に入ると、高校数学でつまづくことになるという。
 

基礎学力をつけることの大切さ

基礎学力をつける教育が充実している名門中高一貫校を紹介している。
公立中学校にいても、これらの学校のやり方を意識して勉強していれば、漫然とゆるいカリキュラムで満点近く取れてしまい、それ以上勉強せずに高校へ入ってから苦労することもなくなるだろう。(これはまさに私の経験談)
 
やはり中高一貫校の方がいい?
ただ、天流先生によると
「学力が十分つく」難関校に該当する学校は全国でも10校あるかないか。それ以外の学校はたとえ中高一貫校でも、学校だけでは基礎学力に不足も出るし、中だるみの悪影響もある
と言う。
「学校だけ」で十分な基礎学力をつけられる学校はこれらだけと言い切ってしまう。
だからこそ、親はそこを目指すのか、そうでないのなら、自分の子が進んだ学校で
最初から「足りないであろう」ことを前提に、子どもの学校のカリキュラムを親がよく見たり聞いたりして、補う方法を考えることではなかろうか。
結局親がしっかり子どもの能力やその学校のカリキュラムをよく理解する必要がある。
 
中堅以下の中高一貫校を選ぶなら、先取りしていないところか、先取りがとても緩やかなところ、英数で検定教科書を使っているところを選んで、まず学校の勉強はわかると言う状態を作り、それができていたら上乗せしていくのがおすすめだ。
 過去記事で取り上げた安河内先生の本でも触れられていたのと同じだ。背伸びした教科書が逆に弊害となる。
 
保護者はとかく、子どもの能力を無視して、「これだけ先取りしてくれるならきっと学力が伸びるのだろう」と思いがちだ。ついていけているならいいが、あっという間にハイレベルの授業が進んで、なんだかわからないうちに終わってしまった、ということのないように。

そういうわけで著者も中学校のはじめのころは親がサポートをしてあげるのが良いとしている。 
 

学習の作法を早く身につける

ここで、天流先生の著書『学習の作法』を紹介して、具体的に何が必要なのかを語られている。
「学習の作法」とは、すなわちどうやって勉強していくかなのだが、親世代と違い今の子は学習量が減ったことにより、この作法が自然と身につくわけではないという。
 
ここで著者は自ら身につけていた「学習の作法」を息子にうまく伝えられなかったと言うが、私もそれに苦労している。
 
いまだに時々試験前にフォローをすると、「どうしてこんなやり方しているのか」と愕然としたりする。これは、息子の特性にもよるのかもしれない。要領よくやる子なら嬉々として取り入れそうなことを教えても、本人はすぐ忘れてしまう。と言うか、その時の自分のやりたい方に流されてしまう。これはまた別の問題になるので詳細は避けるが。
このように、作法を知ったからといってすぐ取り入れられる子ばかりではないので、地道にクセづけしていくことが大事なような気がする。これを塾や家庭教師に頼めればいいが、それだけでは自習時間までフォローできないだろうし、結局親のフォローが要求されるところもあると思う。
まあ、これが自分でできている子は書籍を読ませるだけでいいので簡単で羨ましい。
ちなみに以前も書いたが、わが子ができないことにうんざりするときに、アスリートもコーチをつけて管理してもらっているのだと考えるようにしている。
 
私が中学生に勉強を教えることをするとき、できればなるべく早く進めたいと思っているが、それは、本格的に自分で学習を始める中学生こそ、これらの「作法」を知っているべきだと思うからだ。

天流先生の著書は読んでいないので、全て同じとは思わないが、そう言うわけで最近本棚に『学習の作法』を追加した。またこれはそのうちに。。
 
この章ではこの「学習の作法」を具体的に紹介している。

また、天流先生によると漫画『ドラゴン桜』のような残り一年で東大合格というケースはかなりまれで、東大合格者の多くはA判定を連発してきた秀才だと言う。まれに合格するのは
『もともと名門難関校の出身である』、もしくは『2年以上継続的に集中して勉強してきた』、あるいはその両方と言うことです。

 受験勉強に2年はかかるというのは私も実感している。2年はないと間に合わない。

名門校の中でも浪人生の進学実績が高い学校は、入試で「作法が身についているか」を重視する傾向が強くなっています。

つまりそれらの学校に入るなら中学入試、高校入試で作法が身についているかを問われているということだ。
 
「学習の作法」について大人になればできるようになることをどれだけ早くできるようになるか、の差が、やはり学力の差なのだろうかと考えさせられる。
 と著者もまとめているが、だからこそ、中学受験時の作法を意識した勉強が役に立つと言えるのだろう。

就活を見据える子育て

第七章では、大学受験からそのさきへ。その後の人生で要求される力について。
大学受験は今やゴールではない。

いい大学へ入れただけでは、望む職につけなかったり、思うように活躍できない。

それは今まで読んできた本にも書いてあった。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

 

東大は公立出身の子どもが欲しいと言っているという気になる意見を紹介している。
「百ます計算」でおなじみの隂山英男先生の意見として、「中高一貫校出身の子どもたちは、かなり無理して難関校に入ったような場合、テストで点を取るための勉強しかしていないから、伸び代がない」と言った感じ。
この辺は、まあなんとも一概に言えないんじゃないかと思うのだけれど。
息子の周りを見ていても、受験勉強と全く関係ない知識にやたらと詳しかったり、好きなことを突き詰めているような子も多いからだ。
中高一貫校の生徒がみんな同じタイプでは決してない。ただ、親が学校名、偏差値ありきで尻を叩いて勉強をさせてきたような子はそうなってしまうのかもしれない。
 
教育学者の汐見稔幸先生からは、東大数学科の学生が卒業する頃にアメリカの学生にかなわなくなる理由として、
数学の世界を新たに作り出す「感性」が育っていないからだというのです。感性を育てるのは子どものころの豊かな「体験」です。
 と、子ども時代の体験の必要性をあげています。
 
また、 隂山先生によると、教育の終わりは大学入試ではなく、就活になっているというが、同感だ。実際東大を出ていても就職できない人も珍しくないという。学歴がある上での豊かな経験が必要なのだという。汐見先生によると真の学力をつけるために子どもの頃にどうしてあげればいいのかというと、本当に必要なのは、
混沌とした現実(カオス)の中からある法則(コスモス)を少しずつじっくりと見つけ出していくという面白さを教えてくれる
ことだという。 
日常生活の中で、カオスからコスモスを導き出すおもしろさを体験する会話、あるいはそういうことを実際に体験するおもしろさを大事にしてやらないと、土台がしっかりした知性になっていかない
家庭でおもしろい会話をすることでカオスからコスモスを作り出していく練習になるという。子ども扱いをしない知的な会話を日常生活の中ですること。 
小学生時代は、年齢が小さければ小さいほど、そういうことの体験をしっかりしながら、つまり考えることのおもしろさを少しずつわかりながらコスモスの論理に接するということがないといけない。そうしないと、絶対後伸びをしない子になっちゃう。
 恐ろしい。でも、これはなんとなく子どもが小さい時から感じていた。
詰め込みをして、ほんの少し他の子より知識が多くたって、そんなことは学ぶの楽しい、もっと知りたい! 考えたい! という興味を持った子にはあっという間に抜かされるだろう。 
 
子どもは基本的になんでも知りたがり。
勉強については知的会話を増やすことで、もっと知りたい、考えたいと思えるように寄せていくことができるのじゃないか。 
後伸びするためには、学力にも土台が肝心だという。
 

学力と心の土台を作る

汐見先生は、知的な力の伸ばし方として4段ブロックをあげていて、その一番下の土台部分には「生活の豊かさ・体験(疑問・驚き・感動)」があり、その上に「熱中度・集中度」があるという。
 また、『わが子の「やる気スイッチ」はいつ入る?』の著者である菅野純先生のいう心の土台とは、まず〈人間のよさ〉体験だと言う。その上に「心のエネルギー」として「安心感・楽しさ・認められる」が入り、一番上に「社会生活の技術」がある。 この学力と心の土台をしっかりさせることが必要。
 
さらに、中学時代には自分は社会の中でどこで、どんな人と生きていくかを考える時だと。その時期を過ごすのに汐見先生は公立中学校の多様な中で過ごすことをオススメしている。
社会が多様であることを知ることで「自分はどういう土俵で人生の相撲をとるのかを考える素材をきちんと持っている」ようになる。
 
確かに、息子は公立中学で過ごした私に比べて、そういう多様な人がいることの理解はしづらいのかもしれない。例えば医者や教師を目指すとしたら、自分が将来向き合うのは本当に色々な立場の人であろうから、その時初めてそんなことを知って驚く、または自分と違う立場価値観の人のことを想像できないなんてことは少ない方がいい。
 
ただ、今は読書したり、テレビを見たりすることで社会に自分とは全く異なるような生活をしている人がいることを知る機会はもてる。
割と意識的にそういうドキュメンタリーなどは見せてきたつもりだ。
本書でもオススメしているが、大学時代にアジアに行かせるとか、世界を見てまわる時期があることが必要だと思う。
 
夫は学生時代にインドをしばらく放浪していた。もともと世界にことさら関心があるタイプではなかったのだが、大して考えもなくふらっと出かけた。
小さな村を訪れて毎日そこの子らと遊んだりしていたそうだ。
今あまりその片鱗が見えるわけではないのだが、現地からの手紙にはマザーテレサのことを改めて尊敬するというようなことが書いてあって、その場を訪れることの影響力を感じた。
当時の彼は勉強も将来のことも何も考えていないチャラい大学生だった。予想外の反応だったのだ。
 
というわけで、この夏息子には『十五の夏』という本を読ませた。
息子は併読派で、20冊くらい抱えているので、夏も終わったというのにまだ読み終わっていないらしいのだが。
本書はのちに外交官から作家・神学者となる佐藤優氏の高一の夏のソ連・東欧ひとり旅の記録。息子も今とても極東からロシアに行きたがっていて、大学へ入ったら友達と数人でロシアを旅すると約束している。ぜひアジアも訪れてもらいたい。
 
公立か私立か、人は皆どれか一つしか経験できない。このことについては、自分なら、わが子ならどうすればいいか、と考えるしかないと思っている。学力だけではなく、私立に入れることに多大なメリットも感じているからだ。
 
汐見先生は、中高の6年間を通してやりたいことを見つけて進路を選ぶのが中高生時代の一番大事な課題だという。初めから大学ありきだったり、自分の成績や得意科目で進路を決めるだけの6年間にしてはダメだと私も思う。

就活で求められる力をつける

隂山先生は立命館付属高校の例をあげ、様々なグローバルなボランティア活動をやる機会の多い彼らが就職試験にとても強いと言う。

 

著者も言う。

多くの人と面接すると、きれいに表面だけ取り繕われた言葉の化けの皮はあっけなく剥がれてしまうのは想像にかたくない。だから就活は厳しいのだ。それまで生きてきた人生のすべてが問われるからだ。

(中略)

言葉で自分のすべてを語るための掘り下げ機関としては、就活までの大学生活の3年間はあまりに短い。とてもそれだけの期間では間に合わないのだ。

 だからこそ、子どもの時からの体験や知的会話など、土台作りが大切になってくるのだろう。

 

そして、勉強ばかりやってきてやっと東大へ入るような、勉強以外に何もなかったような子では、社会で求められる人材とはなり得ない。

 

著者も考える。

「こういうふうに、充実した子ども時代、中高時代を過ごしてなおかつ東大に入れる人が本来東大に入るべき人なのだな」と。「そうでなかったら東大に無理して行かず、その子の分にあった大学に行った方がよほどその先の人生にとってよかろう」と。

 

そうなのだ。なんとなく感じていたことが言葉になっていた。

 

ちなみに今や海外でボランティアプログラムに参加した程度だとふつうになってしまっているのだとか。それらの体験をどれだけ深く掘り下げたかどうかということなのだ。わかる。お金を出してそこに参加するという受身だけではなく、自ら行動を起こすことが望まれるのではないか。

 

かといって、学歴は関係ないわけではない。今の就活はある程度以上の偏差値の大学に入れることに加えて、人生に必要な体験も十分に持っているハイスペックな人が求められている。

だから内定をもらえる人は何社からももらい、一方もらえない人は全然もらえないという事態になっている。

 

これから子どもの進路を考えるその時々に目指すのは就活で問われる力だということ。そこを求めて中学受験をするのかしないのか考えてほしいとまとめられている。

 

初めはたまたま手に取った本だったが、この六章七章は高校生の保護者としても改めて考えることが多かった。

 

少し前だが実際テレビ番組での企画でやった模擬面接をしたのだが、3人の学生の受け答えには恐ろしいほどその人のバックグラウンドが垣間見えた。立候補してやるくらいだから自分のアピールに自信がある人たちだったのだろうが、具体的な体験をうまく語れている人、抽象的なこれからやっていくと言った話だけの人、どちらを取るか迷うまでもない、という感じを受けた。

 

先日先輩の保護者の方と話していて、入学した時に勉強の話が来るかと思ったら、校長先生からは「高校は社会に出る準備をするところ」というお話があったと聞いた。

「心の土台」を思い出す。

 

親が就活までの20年間あまりで与えられる教育の目標は、その後の人生の礎となるその子の土台を学力、心ともにしっかり作り、就活で望まれる自分で考えて行動する力をつけるべく勉強だけでなく体験も充実させるということ。

就活まで数えるともう少しあるが、大学入試まではあとほんの少し。ここまで過ぎてみればあっという間だ。

 

先の見えないきょうび、確かなレールはあるようでない。

真に望まれる能力の基準はとても高い。流されている暇はないように思う。

 

息子はどちらかというと、体験の方はまあまあできているように思う。大学時代に補強していってほしい。問題は学力の方だ。

というわけで改めて、『学力の作法』を読んで見たいと思う。

 

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2020年度からの大学入試の英語について詳しく

2020年度から、大学受験において、センター試験から「大学入学共通テスト」という新テストが導入されることは多くの方にも知られていますね。

国語・数学に記述式問題が導入されること。
さらに大きく変わるのは英語で、主に民間試験を取り入れる、どの大学がどういった採用をするかといったことが話題となっています。

 

バラバラとこの辺の情報をその場その場で概要をちょろっと仕入れてはいても、なんだか漠然としていました。
さらに民間試験についてはなかなか詳しい解説や違いをはっきり理解できていませんでした。

一度整理するためにこんな本を読みました。

 

とてもよくわかる本でした。
一章では新テストの概要、こちらも採点までどのように行われるかが書いてあり、極力各民間テストによるレベル等の乖離がないように、また、直接測定(マークシートの拓一式でない)の不平等感を減らす努力がなされていることまで触れています。
さらに著者は地域格差や受験費用についても問題意識を持っています。

二章では、大改革が必要だった理由について、従来の英語入試の問題点をあげて説明されています。著者はかなり広い視点で日本の英語教育の在り方を見つめています。

 

三章は実践的な内容。「四技能試験」完璧学習法。

どうやって勉強するのか、方法が書かれています。
いくつか印象的だったところをご紹介。

リスニングは発音ありき。発音できない音はなかなか聞き取れないんだそう。
さらに、今までの大学入試で問われていたのとは違うとして、

これからは、言いたいことを伝える技術を身につけることがとても重要になります。

まずは、どんどん書いて見て、どんどん喋ってみることが基本です。

(『全解説 英語革命2020』より引用。以下同)

 

 と、英語への向き合い方も方向転換がせまられます。

 

文法の複雑なものが出なくなる代わりに、語彙レベルが上がる。

語彙の習得に力を入れることが大事。

リーディングやリスニングでの精読・多読と精聴・多聴をうまく使い分けること。

ライティングでは、日本語を単純化するスキルを高める、英語のシンプルパターンを増やす。→まずは言いたいことをしっかり伝えることができれば良い。

スピーキングは、リピーティング、オーバーラッピング、シャドーイングを意味を意識しながらやる。とにかくたくさん喋ること。
この章ではとにかく実践に役立つ方法が具体的に書かれていて、参考になります。

 

四章では、実際に英語の授業を本気で変えた中高一貫校の取り組みについて。

今時、入学案内には「グローバル」を意識した海外研修だとか、ネイティブティーチャーなどのアピールは多いけれど、英語教育で選ぶならば一番大事なのは、日本人の先生がやっている普段の英語の授業だと言います。
授業を見に行き、先生が喋っているばかりの学校は四技能時代には対応できないと。

受験参考書を副教材に使い、入試問題を題材にした宿題を出しまくっている学校にも問題があると思います。

 著者は英語科の特別顧問としてこの学校に関わっています。

なるほどと思ったことは、英語の教科書のレベルについて。

私立高校で検定教科書を使わず、それを売りにしている学校も多くあるようです。
この学校では検定教科書を使い、さらに教科書のレベルを下げたそうです。

この教科書の選択ですが、検定教科書にもその学校の生徒のレベルに合わせていくつかレベルがあるのですが、中には、生徒のレベルに合わない背伸びをしている学校もたくさんあるとか。

レベルが高すぎると、読むだけで苦労し、授業は単なる読解の授業と化してしまい、本来行われるべきコミュニケーション英語の授業ができなくなります。

著者は、そういった学校でレベルについて行けずに塾に通って基礎を学ばなければ行けない生徒をたくさん教えてきました。

使っている教科書のレベルが簡単すぎないかというのは、息子の学校でも、中学校の時、保護者の中で言われてきたことです。私は、それでも学校の先生が敢えて検定教科書を使っていることには意味があるのだろうと思っていましたが、なんとなく腑に落ちました。

 

さらに目から鱗なのが、教科書の全文和訳と問題の解答・解説を生徒に配布したこと。
和訳を書かせているとそれだけで授業が終わってしまい、予習復習も和訳に終始します。その上で、

もちろん生徒には、もっと学習の本質的なところで努力や苦労をしてもらいます。

 さらに、教科書に準拠したCDや単語集を副教材として配布しています。
授業で出てくる単語が順番にリスト化されていて、教科書の音声も聞ける。
今まで当たり前のようにしていた単語調べや和訳。
そこを省いて、四技能試験に対応した、活動型授業をする。
たくさん聞き、たくさん話し、たくさん書き、たくさん読む作業に重点を置く。

なるほどなぁと思いました。
むやみにレベルの高いものを取り入れず、少し楽なレベルできっちりと学ぶ。個人の勉強にも応用できることは多いと思います。

 

五章では、英語教育に携わる人たちに向けたこれからの英語教育について語られています。

著者の考える理想の塾が書いてあり、そんな塾に行けるといいなぁと思いますが、家を少しでもそういう環境にすることは親の努力でできると思いました。
また、オンライン英会話についてもオススメしていました。

最初は新しい入学試験の概要がわかればいいな、という程度で手に取った本ですが、思いの外、がっつりこれから望まれる英語教育とは何か、そのためにどうして行けば良いかについて語られていて、説明もわかりやすく、とても参考になりました。
また、著者の詳しいからこその冷静な物の見方も好ましいです。小学校から英語の授業をすれば、四技能を意識した授業に変わって行けば、流暢に英語を操れるわけではないと過度な期待は禁物と言います。

 

単なる入試システムの説明に終わっておらず、これからの日本における英語のあり方まで話が広がっているので、近いうちに大学入試をする中高生はもちろん、これからどのように子育てに英語を取り入れていくかを考える幼児〜小学生の親御さん、果ては教育関係者、これから社会に出ていく大学生、すでに英語力アップを期待されている社会人などにも参考になることが多い本だと思います。

 

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文理選択を真剣に考える

文理選択、うちでも真剣に考えねばならない時期になりました。
少し前に校長先生のお話を聞く機会があり、「文系か理系か迷っているなら、理系の受験できる科目を取っておきなさい」と言われました。それでも、できればきちんと将来について考えて決めたいものです。先送りにしたとしても一度はきちんと考えなくてはならないことなので。

さて、うちの息子は特に成績が良い方ではないのですが、国語は秀でていて、課外活動などでもそういったものに関わることが多いので、典型的な文系みたいに思われているのですが、今は理系も視野に入れています。

 

自分たちの時代とは明らかに違う社会人生活を送るであろう子どもたち。
そう考えると、得意だからだけで進路を考えるのは無謀だと思っています。

先日Z会の塾で開催するイベントで文理選択を考えるものにいってきました。
文理決定の時期は、やはり高1秋がダントツで多いですが、一割くらいは中学生からという子もいました。

大人からのアドバイス

思えば、息子の興味も歴史や政治→宇宙科学や物理学→国語や言語学→法学から今は社会インフラ系の研究を友達と続けています。

いちいちハマるので以前はオタク系かと思っていましたが、意外と色々なことに好奇心旺盛で、自分でも「マニアックな人には叶わない」とは言っています。

なるほど、長い目で見てみないととわからないものだ。

一方で、要領よくなんでもこなすが、オタク的に追求するとかハマることがない、あまり趣味のない友達が、医学部も視野に入れていると聞くと、なんとなく違うんじゃないかと思ったり。
実はうちも法律系にハマった時は、法学部へ行くと言ってましたが、いや〜四六時中勉強するイメージで、合わなそうだと思いました。
中高生くらいって、そんなに自分を客観視できないのだな、と改めて。実際仕事がどんなものかもわからないでしょうし。
そう考えると、社会に出て働いている親ともっともっと将来について話し合った方がいいと思うのです。

もちろん、一見合わなそうだけれど実際入って見たら変わった、ということもあるかもしれませんが。

 

ただ、自分や夫の進路選択を考えると、やはり大人から良いアドバイスがもらえたらもっと良かったと思うのです。大学時代の過ごし方、はたまた学部選びから考え直すでしょう。夫の出身学部は、資格が取れるものでしたが、興味を持てず資格取得はせず。そして全く違う技術職に就いてから大変勉強するようになりました。
私は高校時代に希望の職に就くために大学受験を選びましたが、結局在学中に方向転換して技術系の職に就きました。

いずれも最初からその技術系に直結した学部を選んでいたら、今以上に職に恵まれていたと思うのです。遠回りです。やり直すのはいつでも良いといっても、キャリアは確実に違ってきます。二人とも文系理系の枠すら超えた違いです。

イメージだけで希望職を考えていたことが原因かなと思います。今は当時と違い、生の情報だって色々調べることができます。

何を重視して文理選択すべきか

Z会でのイベントの資料には、Z会OB・OGアンケートとして、「文理選択で一番重視したこと」という項目があり、文理選択に満足している人としていない人がそれぞれ何を一番重視したかのグラフがあるのですが、両者で結構違うのです。
満足している人の半数は興味のある学部・学問を選美、さらに三割が将来就きたい職業。さらに好きな教科の3つで94%を占めています。
ところが、満足していない人にはその3つでは六割強で、得意不得意で選んでいる人が25%ほどいます。

 

周りに聞いてもまだ「うちは数学苦手だから文系」「国語が苦手だから理系」という答えがほとんどでした。まだそこまで将来の仕事に就いて子どもが考えられていないから仕方ないのかもしれませんが。

選択のポイントとして、将来就きたい職業から考えるために社会で起こっていることやニュースに興味を持つことも挙げられていました。
また、興味ある学問についてより理解を深めるためにその分野の書籍を複数読むことも大事と。

 

さらになるほどと思わされるのには、志望大学のアドミッションポリシーを確認し、なぜ入試科目に選ばれているかを確認する、という点。

少し前に早稲田大学の政治経済学部で21年度から地歴数学からの選択で良かったものが、数学は必須に変更になると発表がありました。

 

biz-journal.jp

「早稲田大学、政経学部の入試で数学必須化の衝撃…他の私大文系学部で追随の動きかhttp://biz-journal.jp/

 

上記記事でも、 数学が苦手と言って文系を選ぶ学生が多いと書いてある。

大学での勉強に数学が必要なのに数学を勉強しないまま入学してしまえば、あとで苦労することになり、こんなはずじゃなかったということになります。
このニュースは他の大学へも影響するかもしれません。

 

大学へ行けばより高度な難易度の高い勉強をします。好きである、興味がわく、将来役に立つと思ってのぞむのと、とりあえず大学入れて良かったけど、この学部で良かったのかな、と思うのとでは大きく成績も違ってくるでしょう。

 

社会・理科の科目選択

塾で配られた資料では、どんな特徴があるかがまとめられていました。
全てご紹介はできませんが、例えば、現代社会では、「学習範囲が非常に多岐にわたり、センター試験で問題の難易度にムラがあることが多い」とか、倫理では「抽象的な内容を自分の理解することが求められるので読解力を高めることが重要といったどんなものが求められているかなども考える材料になるのだと考えるポイントが整理されます。

 

そのほか、文系だったらこれ、理系だったらこれ、という定番がある一方、これを選ぶと受験できる学部が少ないといったことも重要な判断基準になることがわかります。

 

高1の間にやっておくことは

・英数国の中で苦手なものをつぶすこと。
・学校の地歴・公民・理科の授業はしっかり聞いておくこと。

だそう。

高2になったら

・文系は地歴、理系は理科・数Ⅲの学習をスタートさせる。

 

簡単な無料セミナーでしたが、少しだけ見通しがたった気がします。

 

Z会のウェブサイトでも入試情報が載っています。また資料請求で大学案内なども無料で送付してくれたりと、大学受験にも役立つことが多いので、ぜひのぞいてみてください。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

学校は偏差値で選ぶものではない〜中学・高校・大学

気づけば二ヶ月ほど記事を書かなかった。学校関係の仕事が重なってそちらに神経を使っていたので、記事作成のために時間を作るのをやめた。
そこまで忙しいのもどうかと思うが、やはり、他の保護者と時間を共にすることは、子どもの学校について多くを知る貴重な機会でもある。
記事更新がなくても中学受験についての検索で来られる方が一定数いらっしゃるので、少しそちら関係について。

先日今年入学した新入生のお母さんと少しだけお話しすることがあった。

何人かと話したが、いずれも学校が楽しい楽しいと言っていて、ひとまず安心されていたようだ。
確かに、学校が楽しいという子の割合がとても高い学校だと思う。

勉強に熱心な子、スポーツに打ち込んでいる子、課外活動に熱心な子、ゲームばかりやっている帰宅部の子。色々な子がいるが、いずれも楽しいというのは、どんな子にも居場所がある雰囲気が、楽しいと感じさせるのかもしれない。

ただ、いずれもみなさん受験まではそれなりに勉強漬けの受験生生活をしていたのだが、入学後勉強をしないことに驚いていた。

私もずっと書いてきたが、小学生の時はなんだったの?と思うくらい勉強をしない。テスト前の一夜漬けばかり。もちろん高校に入ると塾へ行く子が増えるので、それなりに自習している子も多いのだろうが、それでも熱心とは言えない子が多い。先日の期末試験中の週末も、「うちは寝てる〜」「何もしないでW杯サッカーをオンタイムでみてる」なんて声も聞くと大差ないなと。

 

そこで、新入生のとあるお母さんが、真面目な表情で、「進学校だと思って入れたのに一体どういうこと?」と言った質問を投げかけてきた。
その方のお話では何回も「進学校」という言葉が出てきて、一般的なこの学校のイメージというのはまだまだ「進学校」でしかないのかな、と思った。

 

時々、偏差値や進学実績だけで学校を考えているのかなと思われる意見をネットなどでも目にする。
そもそもの進学の基準が進学のためなのだろうか。
確かに公立の小学校や中学校は近所だからというだけで通わせるシステムなので、学校の違いで親が注目しがちなのは、どんな対策をしてくれるのか、補習は手厚いのか、といったことになりがちだ。

 

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私も初めて中高一貫校の進学フェアに出かけた時、なんの情報もないまま学校別のブースに腰掛けた時に何を聞いたかと言えば、受験対策や塾へ通っている子の割合などだった。

それが大事な要素の一つではあるけれども、一番大事なものではない。

 

学校を何回かいくつか巡ってみて感じることは、学校によりかなり雰囲気は違うということ。
我が家の場合は小学校も公立だが選べたので、公立小学校でさえ、雰囲気は大きく違っていた。

自分の子がそこに通うことがイメージできるか、どんな生活をしているだろうか、そういうことを思い描けるのがいいのじゃないか。

私の場合は、息子が少し個性的であったため、幼稚園に通っているときにその後に不安を持ったのがきっかけで、割と学校の違いは敏感になっていたと思う。
実際息子が通った学校はとても息子にはあっていたが、他の学校だったら同じではなかったと思う。

どこへ行ってもそつなくこなす子であれば、親はさほど心配する必要はない。
それでも中学校や高校は、部活もあるし、一番人生に影響を与えるような重要な時期。その時にどんな価値観に包まれて生活するかは、その子の人となりに大きく影響すると思う。

 

入学時から卒業時までに大きく実力を伸ばしている学校がある。
うちは、行ってみなくても合わなそう、と思って志望校から外したが、そこに知人の子が通った。

トップからビリまで成績を公表するその学校では、中学で退学する子も珍しくないという。

 

是非についていうつもりはない。私自身は自分の高校はまさに、ガリガリ勉強させるところを選んで、そのおかげで現役で大学へ行けたし、自分のキャラにあった自由な高校へ行っていたら、人生はまた大きく違っていたと思うので。 

ただ、私も自分と学校のギャップにかなり悩んだが、その学友でさえ蹴落とす対象かのような環境で合わなくて退学してしまうのは残念だ。

 

真剣に「進学校」を連呼したお母さんは、こういう学校がお望みだったのではないか。本人はどうだろう。
「夏休みの課題はどれくらいあるんですか?」と気にされていた。
それなりにやりごたえのありそうなレポートなんかは出るが、目に見えた受験対策的なものはそう多くない。きっとたんまり出してくる学校からすれば、驚くほど少ないかもしれない。
入学直後の連休に「山のような宿題を泣きながらやってたよ〜」と、知人の子(上とは別の学校へ行っている子)のお母さんから聞いたことがある。多くの上位校はそうなんだと思う。

良くも悪くも自由な息子の学校は、その辺の匙加減も含めて個人に任されている。だからこそ、真面目にやっている子だって塾でトップクラスをとっている子だっているのだ。
やはり、強制的な課題の少ない中で、本人や保護者が積極的にどうすべきかを考えて動くことが望まれる。

「学校がやってくれないせいで、我が子が勉強しない」という考え方は、自ら学校を吟味し選んで通わせる中学受験をさせた保護者からはそこまで出てこない。
もちろん小さな愚痴や要望はあるけれど。
受験対策への手厚いフォローを期待するなら偏差値を下げてでも他の学校へ行かせるだろう。

 

そのお母さんのお子さんがどうなのかはわからない。
流されてだらけているだけなのか、学校生活を堪能しているのか。

最近何についても考えるのは、なんでそうなのか、ということ。
そう考えることで見えてくることはある。
なんでこの学校はこういう自主性を徹底させているのか。確かに入学時同レベルで、勉強中心の生活をさせていたらもっともっと進学実績は上がるかもしれない。

 

そして、これから求められる人材を考えれば、知識を詰め込んでいればいいわけではない。

dot.asahi.com

 

そうは言っても、大学がよければ就活は有利と思われるかもしれない。
でも、大学のレベル(偏差値)に大きく差がある場合はそうかもしれないが、例えば、第一志望校か、第四志望校か程度の差であれば、本来のその子が持っている経験値の方が大きいかもしれない。
それに新卒で入った会社にずっとい続けるかどうか、その辺もどんどん変わっていくように思う。入社後もバージョンアップし、自分のやりたいことのために動けるかどうか、そういうものの一つに中高での経験も大きいのじゃないかと改めて思う。

やはり先のお母さんには言いたい。せっかくこの学校に入ったのだから、まずこの学校の良さを堪能してほしい。

 

二つの意味で偏差値で選ぶものじゃない、というまとめになる。

偏差値だけで選んだら、自分の求める学校ではない可能性がある。よく校風をみて選んだ方がいい。

一方偏差値が高い=今後生きていくのに必ずしも有利とは限らない。

 

偏差値とは、単に志望校を決めた後、自分がそこに入れるかどうかの指針に過ぎない。

 

ただ、難関校を目指そうとすることを否定するわけではない。
難関校に無理して入って「深海魚」になるより、レベルを落としてトップにいた方がいいという考えも時々耳にするが、それは人による。
頑張って這い上がった、そのおかげで受験が楽になった、という人もいる。
私自身も嫌な学校と思いつつ、高校時代に偏差値を20近くあげた。

 

結局、本人が高校・大学・そのさきの進路をどう考えるか、その進路にあった選択をすべし。それを考えず、周囲の評価や偏差値だけに頼って選ぶのは勿体無いという、これに尽きる。

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大学受験に向けた英語〜英単語ターゲット1900

息子は塾に行っていません。大学受験向けの英語勉強を知るために、情報収拾は欠かせません。

英単語帳は様々なものがありますが、人気の高い旺文社の『英単語ターゲット1900』の紹介です。
犬の表紙が目印ですが、選べるモダンなカバーデザインのものもあります。
持ち物のデザインでモチベーションが上がるならそれもありかと。うちは割とデザインにうるさいので、別のカバー版があることを知って悔やんでいました。
 

『東大生が選んだ「英語」勉強法』という本で、東大生の英単語勉強法が書かれていますが、ここでも東大生の幾人かが『英単語ターゲット1900』を使っています。

巻末付録の「主要英単語帳5選」の筆頭に挙げられているのが、『英単語ターゲット1900』です。それによると、東大生の使用率19%、語彙充実度は☆2/☆5、難易度☆3/☆5、使いやすさは☆5/☆5と、受験勉強のスタートには良さそうな評価です。

↓ちなみにこの本はほとんど英単語の勉強法をインタビュー形式で載せたものです。
書いて覚える派、書かずに覚える派、単語カード派などそれぞれです。

 

『英単語ターゲット1900』は、確かにレイアウトは見やすく、赤いシートが付いていて、一つの単語に主要な意味一つが赤字で、その他の意味は黒字で書いてあります。 ターゲットフレーズというよく使う使い方も載っていて、右ページには例文が載っているシンプルで基本的な作り。

さらにこのシリーズには単語カードとして使えるものや、問題集、書いて覚えるノートなども売っています。

私が推すのはなんといってもこの「英単語ターゲット1900」のアプリ版。

 

 

これだけなら無料です。ただし、本ありきでアプリは補助として使う感じ。
ただし、 課金すれば苦手克服モードや間違えた単語の日本語訳が表示され、単体でもかなり使えるアプリとなります。

 

そういうわけでアプリを無料で使っていると、間違えた単語の意味はなんだっけ? と本書を見直さないといけないわけですが、それでも使いやすい、面白いと思う工夫がされています。

ニックネームや都道府県、志望校、在学している高校などを登録します。
自分のカレンダーができ、

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やらない日は色がつかないので、モチベーションアップにはなります。
また、カレンダー下にある、「今日の5問」というのが、毎日朝と夕方の二回、5問ずつ出て来ます。
これは最初から順番に正解すれば次に進めますが、間違えると正解するまで出題され、今までの合計単語数が表示されます。
毎日やる習慣がつくでしょう。先延ばしする息子には時間限定で取り組めるこの「今日の5問」は割と向いています。 

 

このアプリのメインは「全国ターゲット選手権」。
ルーキーリーグとメジャーリーグ、プレミアリーグに別れていて、まずはルーキーからクリアしないと次へ進めません。

ルーキーは書籍のセクションごとにチャレンジできます。
書籍は3つのパート、さらに100語ごとの19のセクションに分かれています。

Part1は常に試験に出る基本単語800、Part2は常に試験に出る重要単語700、Part3はここで差がつく難単語400です。

Part1は必須だけあって、よく見かける単語です。Part2も入試頻出、Part3はなかなか手応えのある単語が並んでいます。

 

ルーキーリーグでは、100語単位で問題が出て来ます。
一度に20問。英語から日本語訳を選ぶ四択8問、日本語から英単語を選ぶ四択8問、タイピングが4問です。

まずは100問単位で、一日数回チャレンジして慣れるのがおすすめ。
ランキングで志望校別の順位なども見られますが、上位はほとんど満点の方が多くて、なかなかこのランキングは差が出なくて面白くはないのですが。みんな地道に100点取れるまでやっているのだなぁと実感。四択はなかなかいいセレクトで、他の単語アプリなどに比べると、間違えやすい意味の選択肢だったり、綴りが似ているものが並んでいたりと100点取るのはなかなか大変です。

満点だとSランクがつき、1つ間違うとA、2つ以上間違えるとBになってしまいます。
ある程度の数がB以上になると次のリーグが一部できるようになります。

次のメジャーリーグでは書籍のPartごとなので、Part1なら800個の中から一気に出題されます。ここであまりにもできなければルーキーに戻ってやり直すのが良いかと。
こちらは30問が一気にできます。

 

最後のプレミアムリーグは1900個から一気に出題。総復習ですね。

種類は四択とタイピングで分かれています。プレミアムのタイピングが何回やってもSとかAクラスならほぼコンプリートということになります。

 

無料バージョンではそれぞれ間違単語のリストは出ますが、書籍での単語の番号だけが表示されていて、意味は書籍でその番号を引いて覚えるという仕組み。
本を持ち歩いてやるなら問題ないと思いますが、アプリだけでかなりのレベルまで行きたければ、課金をして苦手なものだけチャレンジするモードや日本語訳を表示させる必要があります。

 

高校別ランキングなんかも出て面白いです。

基本的にわたしがやって見たところ、わたしは書籍を持っていないのでその場で確認ができず、たった一問間違えても、Sランクを出したいがために何回かやることで、今まで習ってできている単語も何度も目にすることになるので、それはそれで強固な記憶になっていいのではと思いました。

あと、やはりランクを取りたくてつい進めてしまう仕組みがいい。

 

アプリで大体の意味を入れておいて、書籍で他の意味や派生語、ターゲットフレーズというその単語のよく使うフレーズや例文を確認していくという順番がおすすめ。

ちなみに高校に入ってすぐにやるなら『英単語ターゲット1200』がおすすめ。
中学復習からセンター試験まで、さらに熟語も学べます。

 

 

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本番に強いのは、褒めて伸びる子ではない?

4月新学期のバタバタ、今年は私の保護者活動が重なって、毎週末忙しい。
そんな折に仕事で使っているパソコンが不調を訴えた。
治るまでは気が気でなかったがようやく落ち着く。一人で仕事をしていると、こう言う時頼りになる人がいないのが辛かったりする。

一段落して、こんな記事を読んだ。

president.jp

 

褒めて伸ばすブームは息子が小さい頃からあった。ただ、実際には褒めてばかりいられないよ、と思って、随分と叱ってもきた。

同じ親に育てられた妹が、どうも叱らない育児をしているっぽくて、母は私に度々愚痴を漏らしている。末っ子がとてもわがままで、偏食も多いがそれを咎めない。褒めることも多い。

もういい大人に口出しするのもね、と言いつつストレスが溜まっている様だ。

それは余談だが、息子はいろいろできないことが多い。
社会に出てそんなんで大丈夫? と言いたくなる要領の悪さ。マイペースさ。
ただ、その鷹揚とした様子や損得を考えずに動くところが友達から好かれている彼の良さでもある。まさに長所と短所は表裏一体。

親としては、でも見過ごせない。いまだに基本的なことを話し続けている。四月は特に提出物も多く、ストレスも大きい。
中高一貫校に入ってよかったのは、周りにもこういう子に限らず偏りのある子が溢れていること。うちだけじゃないのだと少し気が楽になる。


息子の友達は頑固なマイペース、アウトロー君で、みんながやることをやらない宣言をしたらしい。
「あいつは高等遊民だからね。」と息子はなんだか楽しそう。

はあ。彼のお母さん、結構気を揉んでるんだけどね。

 

世のバランスの良い子を見るにつけ、すごいと感動し、いいなぁ、子育て楽だろうなと憧れる反面、私はこういう変わった子の話を聞くのが大好きだ。

いったい将来何になるんだろう。楽しみ。

 

とはいえ親として、良さを伸ばしてあげたいと思いつつも、社会からあまりはみ出さない様にというバランスを常に意識してきた様な気がする。

 

さて、記事に戻れば、そんな息子は放っておいても叱られることが多い。
小学校二年生から、四年生までは何度か当時の担任から電話で注意された。

だけど、言ってもできないんだもの…。そうして、少しずつ叱る声が大きくなっていく。

わが子が、調子に乗ってふざけやすいタイプや、うっかりミスが多いタイプだと、何かと叱ったり小言を言ったりすることがあるだろう。そういう親が育児本などを読んで「褒めて伸ばさなきゃ」と思って叱るのを我慢すると、ますます野放し状態になる。それでは結局、どこかで親も爆発して、親子間のバトルが過激になるだけだ。

 いまだに何度でも同じ注意をさせてくれる息子。褒めて伸ばさなきゃなんて思っていられなかった。それでも幸いいくつか得意な分野があるので、そこは褒めてきたと思う。

このように土壇場で「逆転できる子」の多くは、「本番に強いタイプ」だ。そして、実を言うとこのタイプは「褒めて伸びる」子ではない。むしろ逆に、いつも親が手を焼き、塾でも何度も同じことを注意されてもなかなか改善されないタイプの子なのだ。

繰り返し叱っているのにまた同じことを繰り返してしまう、その時は反省しているけれど気づいたらどこ吹く風――。問題児ではある。

しかし、長い目で見ると、彼らはどこか肝が据わっていて、タフなメンタリティーの持ち主であることも多いのである。もし、「わが子を褒めたいけれど、つい叱ってしまう」状況にあるとすれば、保護者は気にせず自然体で叱ってもいいと私は考える。

おお、うちの子のことだ。わが子はまさに「本番に強い」タイプであった。
習っていたドラムの発表会でまず認識された。そこそこに仕上げてリハーサルへ。
そこではガーンというほど不甲斐なかったりするのだが、本番では最高の演技をする。

その経験を生かして、我が家では「あんたは本番に強い!」と刷り込んできた。
中学受験もまさにそうだった。

 

普段は不注意が強くてミスが多いし、人に言われたことなどあまり入ってこないので、反省もしないから同じ間違いを繰り返すのだが、いざ本番となったら、集中力が発揮されたのだろうか。初めての受験では時間配分大失敗だったが、その後は順調に実力を出せた。

模試で散々だったから、塾の先生は驚いていたみたいだが、毎回の見直しをすると身についていたので、我が家では本当に本番でどれだけ実力が出せるかの勝負だという認識だった。

 

一方では、難関校に太鼓判を押されていた子が、いくつも不合格になってしまうのを聞いたりもした。

メンタルの強さって大事なんだな、と強く思った中学受験だった。

 

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今の部活もかなり厳しい毒舌の顧問がいて、どちらかというとのんびりやの息子にそぐわない雰囲気なのだが、その厳しさに辞める子が多い中、息子は平然と続けている。

中学受験塾でもそうだった。知らない子ばかり何百人もいて、たくさんの成績別クラスがあり、毎週の様に落ちたり上がったりしている。なかなかハードな塾だった。
息子は語らないが、中には上位常連だったがクラス落ちした子の目の前で教室の扉を閉めてバイバーイなんて嫌味を言う子もいた様だが。
成績が落ちてもなんら勉強に対する態度を変えない息子に、むしろ少しは落ち込むか、闘志を燃やしてよ、とイライラしたものだ。

 

ただ、やはりこの鈍感さも生きていくのに強い武器となる。
超負けず嫌いでなんでもできる子が、あまりに周りを気にしすぎて深く傷ついていたのを見るにつけ。羨ましいと思っていたんだけどな。本人は大変だったろうな。

 

結局長所と短所は一緒なのだな。うまく付き合っていくしかない。

さて、上記記事で自然体で叱ってもいいよと言われて読み進めると、叱り方の3か条が。

(1)他人と比べない。
(2)目の前で起こった出来事だけを注意する。
(3)短時間に叱り、なぜ叱られたかを最後に確認する。

 (2)と(3)があんまりできていない(現在進行形)。
つい、積年の恨み辛みが…。いや、年を経て少しは話している最中に軌道修正できる様にはなってきたが。だいたい5分で話終わるよ、という。

毎度毎度同じことを言わされるのは、やっぱり疲れるのだ。言い訳はダメって子どもに言っているのに。

(3)で書いてある様に、小さい頃は何が悪いのかあまりわかっていなかった模様。語彙力も興味関心もどちらかというとませていた息子だが、基本的なことは幼稚だった様に思う。いっぱしに喋れるだけに、つい行動でもきちんとするよう求めてしまいがちだったかもしれない。

今はそれでもどちらかと言うとビジネスライクに

「何がいけなかったか、何をどうすればいいか。」

という話をさせて締める様にはなってきた。

 

もうそろそろ辞めたいのだが、たぶんしばらくは無理なんだろうな。

だから、叱られてもどこ吹く風のお調子者タイプだからといって悲観する必要はない。タフなメンタリティーの持ち主であること自体が貴重なのだ。その「才能」を認めてあげて、必要なときにはしっかり叱ってほしい。

 慰められた記事だった。

 

褒めて育てることとは違う観点の話となったが、子どもによっていい接し方なんて違うのだと再認識した。褒めてばかりいたらうちは木に登るだけだ。

 

中高6年間をどう過ごすか

前回記事から我が家を振り返って考える。

 

vt-maguna.hatenablog.com

 

 

 

中高一貫校に在籍し、高校受験のない6年間を過ごしているが、それも半ばを過ぎ、受験まではきっとあっという間。
学校での様々な仕事を請け負う息子。この分量で仕事をしていると、ゲームをして遊んでいる暇さえない状態。仕事を少し減らしなさいと話した。

ただ、部活も仕事もやめろとまでは言えないでいる。

なぜか。

やはり、得たものが大きかった。

入学当初からイベントを仕切る役割で苦労した。

返事が返ってこない、予定通りに進まない、予算を立てるのが難しい。必要なものの購入をいつどうするか。

中学一年生だから当たり前なのだが、大人から見てとてももどかしかった。

どうすればいいかを家で話し合ったこともあった。

毎年何かしら大仕事を請け負って、だんだん人にうまくやってもらう術や業者とのやりとりなど様々なものに慣れてきた。

締切に間に合いそうもなくなった時、どうやって他の人の力を借りるか、そもそもの計画が杜撰なのじゃないか、今後どうするか、そんな話もした。

昨年度は息子が企画立案し始めは反対者もあったものの賛同を得て予算を通し、協力者を集めて動かしたものがあった。

さらに、その仕事があるにも関わらず、別の仕事も請け負ったのでなぜかと聞くと、友達に頼まれたという。その友達自体も似たようなもので、その仕事を先生から一任されている。

 

学校の仕事はほとんど希望制、当たり前だがボランティアで、仕事をすることで勉強時間を削っている現状、要領のいい子からしてみたら時間の無駄と思われるかもしれない。

思った以上に全然勉強は進んでいないし、人に頼まれることはいわば本人にもやりがいにつながるので、地道にひとりで勉強することより魅力的なのだろう。

勉強からの逃避じゃないのかと話したこともあった。

そのために体を壊したこともあり、常に私の中では悩ましいことだった。

成績の下落も経験し、ただそこで少し危機感もあったようで昨年末には復活した(勉強時間はさして増えてはいないのだが)。

 

一方で、ほかの保護者の方には賞賛されることもあったが、それは社交辞令も多いのだろうと思っていた。
だが、やはり人によっては、どうせダラダラしているのなら何かしてほしいとか、何もやろうとしない子どもに、何かチャレンジしてほしいと先生に相談している親御さんもいた。

そもそも大学受験の勉強だけをさせるためにはあまり向いていないとされる学校であるから、そう考える保護者の方も多いのかもしれない。もちろん淡々とやるべき勉強をやっているお子さんもいるから、人それぞれだが。

 

何か活動するにあたって、それは大学へ入ってからでもいいのではという思いもある。
他の進学校があれやこれやと適時ふさわしいと思われるカリキュラムをかなりの負荷で与えていると聞くにつけ、「小学生の時の方がよほど勉強していた」と多くの保護者が言うような、一見のんびりした環境でその中で安穏としていていいのかという焦りもある。

 

ただ、部活では目標に向かって鍛錬し、できなければ叱咤されることもあり、仲間と協力して作戦を練るなど、すべてが経験になる。
部活では(部長などリーダー格にならなければ)おおよそやることは決まっていて、部活によっては顧問に従って進めるため、どちらかというと忍耐力や努力に焦点があたりがちだが、自主活動になるともっと経験の範囲は広がる。

それこそいつどこでどんなタイミングで打ち合わせをするか、どんな方法で先生や周りに納得してもらうか。
生徒だけでの話し合いなど、聞くとずいぶん不毛なやりとりも多かったりする。そこからどう練り上げて完成させるか。さらに時間管理。役割分担…。

 

以前息子がまだ小学生の頃だったか、会社を起した高校生が世界で評価されて立派にプレゼンをしているのを見たことがある。

その時は堂々としていてまるで大人のようだと感心したが、高校の先輩たちのやっていることを見れば、ああ、これくらいのことってやらせる場があればできることなのかもしれないと思った。

 

大学へ行ってからでも遅くはない。
ただ、大学でできるとしたら、わりと一つのプロジェクトだけになっていくのじゃないか。自分がいるサークルなり、有志で集まったグループなり。そもそもそこには賛同者だけが集まって、やりたいことをやっている。

中高でやることの意義は、そういう賛同者ばかりでないところで、如何に話を聞いてもらうか、納得させられるか、また自分がやらなくてもいいところで手を挙げるか。

ちょっと意味合いが違ってくるように思う。逆に言えば中高で何もやらなければ、大学へ入っても自分の好みや損得で動く以外の一歩を踏み出せるだろうか。

やらない人からよく聞く言葉に「そういうの私は/うちの子はできない」というのがある。

でも、そんなことはない。前記事で紹介したスタント先生の本では、まさにどちらかというと常に「お客さん」であっただろう、受け身で学力もやる気もない学生たちが、自分の研究で特許をとったり英語で時間きっかりのスピーチができるようになっている。

 

そういう場にいたかどうか。これが大きな影響を与えるのだといろいろ見て感じた。

 

そろそろ息子も進路を考えなくてはいけない。志望校しかり、受験方法しかり。
残りの高校生活をどうやって過ごすか。

私自身は、受験予備校的な進学校へ行き、やれ部活はするな、やれスキー教室はいくなと先生に禁止され(一年次の成績が悪くて)、まああまりにも自分のキャラクターに合わなくて辛かったのだが、開き直って成績をあげた。

それが今につながっているので全否定するつもりもない。

ただ、様々な友達と影響を与え合い、意見の相違に時には揉めたりしながらも互いにそれを認めている息子を見ると、かけがえのない時間を過ごし、いい経験をしたのだと思う。

 

要はさじ加減だと思うのだが、その辺を親子で付き合わせていくのは意外と難しい。

今から受験予備校よろしく勉強に専念すれば、おそらく志望校は目指せると思う。
ただ、それがあまりにも息子には現実的に感じられないし、一方今までと同じように勉強時間を犠牲にしていては、確実に志望校は現実的ではなくなると思う。

いままでと同じではダメだということは息子も承知しているようだが、どの程度変えられるかは本人もわからないと思う。

両立させたいからこその6年間だったが、なかなか思うようにはいっていないのが現状。やっぱり悩ましい。

 

ちなみに部活の先輩は、高三秋で引退した人、高二秋で引退した人、受験結果に大差はなかった。というか、微妙に高三組の方がよかった。

先生は、高三までやることを評価しているが、何しろ学力も要領のよさも集中力にも個人差があるから鵜呑みにするつもりはない。息子にもあなた次第だと言っているし、息子自身もどうするかわからないと言っている。高三までやりきって志望校合格をとれるのは羨ましい限りだが…。

 

 

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